身分制度―虹糺国―
主に唐代の後宮制度・身分制度を導入。
聖 虹 …御使・巫女・名代。御使以外はそれぞれ1代につき1人ずつ置かれる。巫女はその時の皇王の中で尤も身分の高い皇女から選ばれる。処女性は問わない。名代は御使の子孫(陵・鄭・劉家)が男女関係なく就く。彼らは常に純潔の者でなくてはならない。
陵 陽 …皇帝。虹澪国と小国5つを治める大帝国の主。その歴史は3000年以上と言われている。また、王になる条件として、御使の血を引く者しかなれないことになっている。
敬称は陛下。呼ばれ方は皇上、陛下、皇帝陛下。
弐 月 …皇妃・王妃。皇帝の正妃。皇帝と同等の権力を持ち、皇帝の死後もそれは続く。現在皇王両妃が並立されることはなくなっており、皇妃のみに統一されている。
敬称は陛下。呼ばれ方は皇妃、陛下、皇妃陛下。
<後宮の地位>
貴妃・淑妃・徳妃・賢妃
主に貴族(聖六家、名門八家の者)が選ばれる。この身分の者は皇帝の正式な配偶者として扱われる。
敬称は殿下。呼ばれ方は名字~妃、「住まう宮の名前」~の方、~様
昭儀・昭容・昭媛・修儀・修容・修媛・充儀・充容・充媛
貴族と裕福な一般市民から選ばれることが多い。この身分の者は皇帝の死後再婚は認められていない。
敬称は殿下。呼ばれ方は名字+昭儀、「住まう宮の名前」~の方、~様
夫人・捷妤・美人・才人。各9人ずつ置かれる
敬称は殿。呼ばれ方は名字~夫人、「住まう宮の名前」~の君、~様
一般市民から選ばれる。皇帝の閨に侍る機会は少ないが、この身分に選ばれることは名誉なことであり、皇帝が許可を出せば生前でも再婚が可能である。
宝林・御女・采女。各27人ずつ置かれる
一般市民から選ばれる。事実上の女官であり、閨に侍る機会はほとんどない。実質花嫁(花婿)修行に近い。
敬称は殿。呼ばれ方は名字~宝林、「住まう宮の名前」~の君、~様
彼女たちは皇帝死後尼になって菩提を弔うか、若ければ貴族の誰かに降嫁するが、40歳以上は問答無用で尼になる事が決定している。
皇帝が女性の場合は妃の文字が「配」に代わる。妾妃たちの呼ばれ方に変化はない。
現在皇妃王妃ともに不在。
基本的に皇帝の実父母の地位は皇妃・王妃・貴妃・淑妃・徳妃・賢妃以上に限定されている。稀に左記以外の地位の者から皇帝が出た場合、生母には基本的に「御母堂様」と呼ばれ、例外的に「皇太后」の位を、実父には「御尊父様」と呼ばれ、例外的に「上父皇」の位を授けられる。それぞれの敬称は殿下。
先帝皇妃王愛奈は寵愛の深さから特別に「皇后」という位を授かる。敬称は陛下。
<貴族>
聖六家…御使が名を授けた6人の青年たちの子孫
陵…所謂皇族。皇家と書いてファンと読む。皇位継承権は両親及び兄弟姉妹が皇王になった時のみ発生し、それ以外の者が皇位に就いた時継承権は剥奪される(例:叔(伯)父母・従兄妹・姪甥)。その後の子孫たちは神殿に入り、神に祈りを一生捧げるか、婚姻によって平民になるかどちらかである
鄭…陵家の分家。陵一族を守り、血が途絶えそうになるとこの一族から皇帝が選ばれる。過去に2度前例あり。
清…王家の姫が生んだ皇子に忠誠を誓う一族。1人の皇子につき1人ずつ<清家から若者が選ばれ、一生涯彼らに尽くし続ける。しかし、その理由の裏に隠された本当の意味には3000年のとある因縁が秘められている。彩門四家は浪・淨・汰・沁家である
炎…皇族の姫を代々娶り、皇族に勝るとも劣らない血を生み出しながらも、皇族に対し忠誠を誓う一族。基本的に近親相姦を行い、純潔を重んじている為か、諸外国から娶った妻や、他貴族の妾とその子供に対し冷たい。彩門四家は炬・炯・焔・烽家である
風…鄭家と縁の深い一族。代々文学者を輩出し、近頃は有能な医師を育てている一族。おおらかな性格の者が多いが、有事の際には長年の知識と功績により主に捕虜を拷問して情報を聞き出す仕事を担う。しかし、その仕事のせいで貴族たちに「呪われた一族」と称されてしまっている。彩門四家は凬・几・颯・鳳家である
地…神殿の巫女と名代を守る一族。独自の乗馬と舞を極め、それらは「 風雅流」と称される。当主の名には「雅」の名前が入っており、髪を長くし編んでいるのが特徴的。また、この家にはよく異能の者や両性具有の者が誕生する。彩門四家は坩・墺・壌・坑家である
名門八家…初代皇帝の頃から続く貴族の子孫
王…初代皇帝の異母姉を祖とする一族。初代皇帝の母は地方豪族の娘で、所謂妾の立場であった。姉の母は父の従妹で正妻だった為、初代皇帝は姉に逆らえないところがあった。この一族の悲願は皇位簒奪であり、この理由を表に出さずに陵家に仕えている。当主のほとんどが近親相姦で固められており、当主の別名には「仁」が、女の名には「子」が付けられている
李…初代皇帝の生母の一族
楊…初代皇帝の正妻の一族
劉…皇帝の皇子で、「劉」の名を受け継ぐ者がなる一族。当主はその時の皇帝の息子がなり、その子供には相続権は存在しない。現当主は戒全王第7皇子24子劉涼である(透唯に1人も皇子が居ない為、実兄の彼が父皇帝の死後も劉家当主の座に就いている)
張…初代皇帝時の尚書令の一族。現当主の父は戒全王時の尚書令を務める。
趙…初代皇帝時の虎林軍大将軍の一族。現当主は戒全王時の大将軍を務める。
胡…初代皇帝の御添寝を務めた者の一族
全人口の2%を占める
<一般貴族>
景・祐・漢・陶・皐・霄・宋・羽・旺・凌・榛・葉・社・櫂・柴・姜・玉・愁・嶺・欧陽・司
馬・諸葛・夏侯
全人口の8%を占める
<一般人>
陳・黄・呉・徐・孫・朱・馬・郭・林・何・高
農工商者。全人口の90%を占める
<補足説明>
彩門四家…陵家と鄭一族を守る四家を補佐する為の家。元々はそれぞれの分家であったが、後に独立した家になる。しかし、今でも本家になにかあるとこの四家が助けになる事が義務化されている
御添寝…歴代皇帝が男子の場合には其々御添寝と呼ばれる男子がおり、子を設け過ぎないように一定期間置かれたお役目。代々胡家が携わってきたが、この一族の特権と言うわけでもなく、赴闘王の際には劉頌斉が、戒全王の際には羽壽遙がその役目を負った。
この役目を終えた後は、政治の世界からは姿を消すが、栄耀栄華を極められる事が約束されている。
<結婚適齢期>
男子は16歳、女子は14歳からとなっているが、大体男子は18歳、女子は 16歳で結婚する。恋愛結婚と政略結婚は半数ほどであるが、身分ごとに見てみると貴族になるほどに比率は大きくなっていく。一番重要視されている事は初潮、精通が来なければ結婚は出来ない事になっている。また、子供が出来ない事を理由にした離婚は認められていない。
子が出来ない場合に限り、最初に妻が複数の男と関係を持ち、1年経っても子が出来なかったら夫が複数の女と関係を持つ。子が出来た時点でそれ以上の異性と関係を持つことを禁じる(1人目で子が出来たら1人。3人目で出来たら3人)。もしも妻が男の間に子を持つことが出来たら、妻は夫と離婚をしても良い。
夫と女との間に子が出来たら、妻は子供の養育権を得ることが出来る。その際、生母は身分的には召使と変わらず、子供と会うことが出来るのは妻の許しを得たときだけである。基本的に正妻を優遇する法律、意識が強いため、妾や遊女に対する風当たりは強い。