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夢のような日々



竹刀で相手の面を打つ心地よい感覚と、風を切る感覚。

一斉に上がる三人の審判の旗。

盛り上がる、日本武道館。

「面あり! 勝負あり!」

主審がそう告げると、武道館は拍手に包まれた。


面を外し終えると同時に場内に「優勝、京都府、高浜女子大学附属中、東堂柚季選手」という美しいアナウンスが響きわたった。そして再び武道館は拍手に包まれる。小学校一年生の頃から剣道を続けてきて、初めての経験だった。今までの努力が全て報われたように思えた。こんなに気持ちの良い感覚を、一生忘れるわけがなかろう。


翌朝の新聞には、自分の記事がたくさんのっていたことに柚季は驚いた。そして、半年後の中三の春。

「先輩に憧れてこの学校に来ました」

そんな女の子が入部してくれた。剣道部には珍しく、二十人も新入部員が入った。とても嬉しかった。


しかし喜んでいられるのもつかの間。中総体まで一月を切った六月の半ば頃。稽古をする度に左足腿の裏側に違和感を覚えた。試合まで少ししかないということで、寮暮らしの柚季は、寮の近所の交通事故専門の整形外科に行った。この時は「肉離れ」と診断をされた。そして、スポーツ専門の整形外科に行っていれば違う今日が来ていたのではないかと思い、後悔が絶えない。




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