ポーションを作ろう ポーション製作編 2
「しゃくしぇんきゃいぎでふ!」
シルフィードは蜂蜜を舐めながらリビングでみんなを集めてそう言った、
(作戦会議ですと言ったんだぞ、)
幽霊さんは誰に伝えるわけでもなくそう明後日の方向を見てそう言った、
先ほどの薬草が苦く渋いため綺麗な棒で蜂蜜を絡めて口に入れている、
しかし、
舌を出して舐めたり棒を出し入れしていたり蜂蜜を口から少量零したり甘さに酔いしれて顔を赤くしたりと何やら少しエロスを醸し出している、
そう言う知識がないアスカレイヤやイフリーナ、
ユーリシアはあどけないシルフィードに微笑むだけだがスズリナ達のような知識がある人にとって出される無自覚エロスが悩ましかった、
それでもなぜか同性でも見とれてしまっているため注意をおこなえなかった、
「こふぉひゃくひょうはにぎゃいからあみゃくひぃひゃいでふ!」
(この薬草は苦いから甘くしたいですと言ってるから、
と言うより早く蜂蜜を口から離せ、)
(ふぁーい、)
シルフィードは蜂蜜棒を口から出して皿に戻した、
「なんとなくだけどシルフィがやりたいことはわかりました、
具体的にはどうするのですか?」
アスカレイヤは尋ねた、
「まずは薬草をすり潰してからこの蜂蜜と混ぜて見ます!」
シルフィードは収納魔法からすり鉢を出した、
そこに薬草を何枚か入れてすり潰す、
すり潰している最中、
野草を潰したような苦いような渋いようなにおいが漂う、
アスカレイヤやイフリーナ、
ユーリシアやスズリナ達が鼻を手で覆う、
シルフィードは手を休めずすり潰していく、
だいたいすり潰したところで蜂蜜を入れる、
液体の蜂蜜に黒緑の薬草の塊が浮く、
シルフィードは更に混ぜる、
においはましになった、
ネチョネチョと音を立てながらシルフィードはかき混ぜる、
そして、
「だいたいこんな感じかな?」
シルフィードは手を止める、
擂り鉢の中には黒緑色のしたネチョネチョした液体があった、
シルフィードはスプーンを取り出してすくい舐めてみる、
そしてすぐに普通の蜂蜜棒を舐めた、
味は甘さ2苦味4渋み4とまともに飲めなかった、
捨てるのが勿体無いのでシルフィードは頑張って全部飲み干した、
しばらく蜂蜜棒を舐めながら、
「ひっぱいでふ!」
(失敗です!と言ったからな、)
と言った、
「シルフィ、
砂糖を入れてはどうですか?」
アスカレイヤの提案をシルフィードはすぐに実行した、
スズリナに頼んですり鉢を洗ってもらい薬草と砂糖を同時に入れてすり始めた、
やはりにおいが漂い皆が鼻を手で覆う、
しばらくしてできたのは黒緑色のザラザラした個体だった、
シルフィードと言い出しっぺのアスカレイヤはそれを口に入れて再びまた蜂蜜棒を口に入れた、
「ひっぱいでふ〜、」
アスカレイヤが蜂蜜棒を舐めながらそう言う、
その後もケーキにしたりお菓子にしたりと試行錯誤をしたが成功せず、
幽霊さんは腕組みしながら考えた、
そこで、
(シルフィ、
薬草を乾燥させてそれをお湯でこして飲んだらどうだ?
紅茶のように、)
シルフィードは小さく頷く、
「みんな、
私が作る紅茶の葉っぱのように一度干して乾燥させて見るね、」
皆は蜂蜜棒を舐めながら頷く、
シルフィードは薬草を数枚出して庭の紅茶の葉を干しているところに薬草を置いた、
「みんな、
今日はありがとう、」
「かしこまらなくていいよ、
面白いもの見れたもん、」
「そうですね、
薬草の栽培ができたことは世紀の発見です、
それをまじかで見れたので満足です、」
ユーリシアとイフリーナがそう言って帰宅した、
ちなみにスズリナ達は未だに蜂蜜棒を舐めていた、
3日後、
シルフィードは干している薬草を見た、
見事に乾燥していた、
シルフィードはそれを粉々にしてお湯でこしてみる、
すると薬草とは考えられない青色の液体が出てきた、
シルフィードはその液体を飲んで見た、
少しの苦味と渋みがあるが薬草だった頃よりは遥かにましになった、
(師匠!
成功です!)
(そうか、
だがここからだ、
これが薬草として傷が治るか見ないといけない、
飲めば治るのか、
傷口にかければ治るのか、
自分で試すか?)
(自分で試します!
でもどれくらい傷を負えばいいの?)
(そうだな、
シルフィには痛い思いをさせるが腹をナイフで少し深く刺してから試してほしい、
辛かったら感覚神経だけ俺が憑依するし、)
(大丈夫です、
でも自分で自分を刺すのはちょっと怖いです、)
シルフィードはキツネ耳と尻尾を出して収納魔法からナイフを出した、
流石にリビングで行えないので自分の部屋に向かう、
ワンピースを捲り上げてナイフを逆手持ちする、
シルフィードの手が震える、
息が荒くなる、
ゆっくりとナイフを自分の腹部に持って行って、
刃の先端が肌に当たる、
微かに伝わる刃物の冷たさが身震いをさせる、
シルフィードは目をギュッと閉じる、
そして、
ナイフを腹部に刺した、
「くあぁぁぁ!」
悲鳴を押し殺すシルフィード、
血がナイフを伝い手を汚す、
手を汚した血がそのまま床に落ちる、
(シルフィ!
早く飲むかかけるかするんだ!)
幽霊さんはシルフィードに向かって叫ぶ、
シルフィードはナイフから手を離して液体を手にする、
その液体を傷口にかけた、
液体が傷に滲みる、
すると、
傷口が突然カサブタで覆われ、
その後すぐにナイフを刺す前の肌に戻った、
その時間、
わずか5秒未満、
シルフィードと幽霊さんは驚きのあまり数秒固まる、
しばらくして、
(効果覿面だな、)
(うん、
びっくりです、)
2人はそう言い合った、
その後、
幽霊さんがシルフィードに取り憑いて再びナイフで腹部を刺して次は液体を飲んでみた、
やはりすぐに傷が治った、
(これなら子供でも使えるな、
後は味も変えれば更に飲みやすくなるはずだ、)
幽霊さんが液体を見て言う、
(これって売れるかな?)
(どうだろう、
まずはこれをどうやって広めるかだ、
これがなんなのかどのような効果か、
どれくらいの量かどれくらいの値段か、
どれくらいの量を生産出来るか、
それから誰が作ってその人にどれくらい給金を出すか、
シルフィ1人で100も200も作れないだろう、)
(それじゃ売らないほうがいいのかな?)
(今はだ、
何かのきっかけで広めればいいと思う、
ただこれは役立つから何本か作っておくか、)
(うん!
そうだ!
師匠!
この薬草ジュースの名前どうする?)
(そうだな、
ポーションにするか、
こういった飲み物は俺の世界ではそう呼ばれてたんだ、)
そうしてこの世界にポーションができた、
ポーションが活躍するのはまだ少し先の話、




