ご招待
長らくお待たせしました、
執筆が進まなくて申し訳ありません、
帰る支度をしていると、
「シルフィ!」
アスカレイヤがやって来る、
「顔は大丈夫!?
痛いところはない!?」
アスカレイヤはシルフィードの顔をペタペタと触り確かめる、
シルフィードは苦笑いを浮かべて、
「大丈夫だよ、
痛いところはないよ、」
そう言う、
「あんなことはもうしないでください!」
怒られるシルフィード、
それはシルフィードが心配だから怒ってくれる、
「ごめんなさい、」
シルフィードは素直に謝る、
アスカレイヤはそれを聞くと怒る事をやめた、
「わかればいいです、
友達が傷つくところは見たくないです、」
「アスカちゃーん!」
シルフィードはアスカレイヤに抱きつく、
アスカレイヤは驚きつつも受け入れる、
周りはたった2日しか経っていないがこの光景を見慣れた、
そのあとはシルフィードとアスカレイヤは帰り支度の続きを初めて教室を出た、
そこに、
「あ、あの!」
シルフィードとアスカレイヤの後方から2人に向かって呼ぶような声が聞こえた、
2人は振り返ると、
ユーリシアがいた、
「わ、私も、
一緒に行って、
いいかな?」
恐る恐る聞くユーリシア、
「いいよ、
でもお城は大丈夫なの?」
「大丈夫です、
入学したら多少は自由にいても大丈夫って言われました、」
ユーリシアの言葉にアスカレイヤが共感した、
「わかります、
お父様も私をこの歳までずっとお城に監禁状態でした、」
すぐに仲良くなる姫ズ、
よほど城に対して不満を感じていたらしい、
3人は楽しそうにシルフィードの屋敷に向かった、
その後を気付かれずに追う者がいた(シルフィードは気付いている)
シルフィードの家に着いた3人、
「大きいですね、」
「うん、
初めは驚いたの、」
そう言ってシルフィードは扉を開ける、
「おかえりなさいませ、
シルフィお嬢様、
アスカ様、」
スズリナが出迎えて来た、
「ただいま!
スズリナさん!」
シルフィードはスズリナに正面から抱きつく、
ユーリシアが少し驚いている、
「使用人は獣人ですか?」
「もしかして獣人はダメですか?」
「そうじゃないけど、
獣人のあそこまで優しい笑顔を見た事ないです、」
ユーリシアの目には優しい笑顔をしたスズリナが映し出されている、
ユーリシアは少なからず獣人を見て来たが皆は憎しみを込めていたり死んだような目をしていた、
しかしスズリナはそんな目をしていなかった、
まるで子供を見ているような眼差しをしている、
「スズリナさんと他にも4人の獣人がいますが皆があのように充実に過ごしています、」
「なんかいいな、
暖かいな、」
2人がそう言い合っているとスズリナがユーリシアに顔を向けて、
「お嬢様、
ご学友と一緒におかえりなのですね、
ここではなんですから中へ入ってはいかがでしょうか?」
「うん、
入ろ、
アスカちゃん、
ユーリちゃん、」
「はい、」
「お、お邪魔します、」
2人は入っていった、
リビングに向かうシルフィード達、
「おかえりなさいませ、
お嬢様、
アスカ様、」
カシオが椅子に座ったまま頭を下げる、
「ただいまカシオさん、」
「カシオ、
飲み物の準備をお願いします、」
「わかりました、
今準備をします、」
カシオは椅子から立ち上がりキッチンの方に向かう、
「カシオさん、
私も手伝う、」
シルフィードはカシオの後を追う、
「私もお手伝いします、」
アスカレイヤもそう言ってキッチンに向かう、
ユーリシアがそんなアスカレイヤを見て驚く、
王族がキッチン、
あるいは厨房に行って何かをすることが驚きであった、
しかしユーリシアの視線の先にはエプロンをしたアスカレイヤがシルフィードと一緒に笑顔で何かをしている光景だった、
「アスカレイヤ様はここではいつも料理をしているのですか?」
思わずスズリナに聞くユーリシア、
「はい、
ここに来てからあんな感じです、
ここではアスカレイヤ様ではなくアスカ様として入られます、
アスカ様はそれが居心地いいのです、」
「どういうこと?」
「ここでは姫ではなく1人の女の子として見てくれるということです、」
ユーリシアは納得した、
そして羨ましく思った、
しばらくして、
「お待たせしました、」
カシオがコップとポットを持って来た、
シルフィードはクッキーを器に入れて持って来た、
アスカレイヤはカットされたショートケーキを持って来た、
3人はそれをテーブルに置いて行った、
それぞれが初めて見るユーリシア、
珍しそうにそれぞれを見る、
「ユーリちゃんのお口に合えばいいけど、」
シルフィードは心配そうに言う、
「こ、これはなんて言う食べ物ですか?」
ユーリシアはショートケーキを指差してシルフィードに聞いた、
「ショートケーキっていう食べ物だよ、」
シルフィードはそう言いながらユーリシアにフォークを渡す、
ユーリシアはフォークを受け取りゆっくりとケーキに突き刺す、
すぐに刺さり驚くユーリシア、
すぐさま抜く、
次にフォークの側面でケーキを一口大に切る、
柔らかいためあっさりと切れる、
一口大に切れたケーキをフォークで刺して恐る恐る自分の口に運ぶ、
口に入れた瞬間、
ユーリシアが目を見開く、
「おいしい!」
その一言にシルフィードは安堵する、
ユーリシアはケーキを何回もパクつく、
口の端に生クリームをつけてもその手を止めない、
「シルフィ!
このけーき!
おいしいよ!」
「よかった、
お口にあって、」
シルフィードはそう言って椅子に座る、
カシオはコップに何かを注ぐ、
実は紅茶である、
この世界には水と酒しかないため幽霊さんがわざわざ薬草や元の世界の知識を頼りに茶葉に似た草を集めて乾燥させて作った、
初めは紅茶とは程遠い味と不味さで何度もシルフィードに多大なダメージを負わせた(味覚で)
「シルフィ!
それはなんです?」
「紅茶だよ、
飲んでみる?」
ユーリシアが頷く、
シルフィードはコップをユーリシアに渡す、
「いい香り、」
ユーリシアは紅茶から出る香りを嗅いでそう呟く、
そしてそっと紅茶を飲む、
「ちょっと苦いけどおいしいよ、」
一口飲んでそう言う、
シルフィードは嬉しくなった、
3人はクッキーをつまみながら楽しく会話をした、
楽しく会話をしていると、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
外から悲鳴が聞こえた、
それと同時に庭に何かが飛んで来た、
「シウル?」
シルフィードが庭を見た、
ユーリシアは驚いて腰を抜かしている、
シウルは口に何かを咥えている、
「ははははは離しなさい!
このケダモノ!」
イフリーナが咥えられている、
シウルはイフリーナを離した、
「きゃっ!」
地面に落ちて尻餅をつくイフリーナ、
すぐにシウルから離れる、
「シルフィードか、
おかえり、」
「ただいま、
それでどうしたの?」
「この者が家の周りをウロウロしていたから丁重にお連れした、」
「これのどこが丁重ですか!
咥えて・・・」
イフリーナが怒ったがあることに気付いて止まる、
「い、今この魔物・・・喋りませんでしたか?」
「さっきから話しておろう、
小娘よ、」
「「喋った!」」
イフリーナとユーリシアが驚く、
シルフィードはあまり気にせず、
「私の家族のシウルだよ、」
「うむ、」
シウルを紹介する、
「魔物を家族のするなんてシルフィはすごい、」
ユーリシアがそう呟いた、
「すごいの問題ではありません!
魔物がこの街にいることが問題です!」
「でも許可は取ってるよ、
学園長が取ってくれたの、」
「マクスウェル様が!」
イフリーナが信じられない顔をする、
「イフリーナさん、
あなたはなんでシルフィの家の周りをウロウロしていたのですか?」
アスカレイヤはイフリーナに質問する、
イフリーナは罰が悪そうな顔をする、
「その・・・興味本位です、
シルフィードさんの強さの秘密を知りたくて、」
「それが貴族のすることですか?」
イフリーナは更に気まずそうな顔をする、
アスカレイヤは小さく溜息をした、
「アスカちゃん、
それくらいにしよ、
リーナちゃん、
一緒に中に入ろう、」
シルフィードの言葉にイフリーナは驚いた、
「いいのですか?」
「いいよ、
私はリーナちゃんのこと友達と思ってるよ、」
「あ、ありがとうございます、」
面と向かって言われたためか頬を少し赤らめるイフリーナ、
「シウルはもう休むの?」
「うむ、
まずはこの街の住人となじまないとならんからな、」
シウルはそう言って庭で丸まって寝息を立てた、
自分は無害ですとアピールをしているつもり、
「みんな、
中に入ろ!」
シルフィードの言葉に皆が頷く、
シルフィード、
アスカレイヤ、
イフリーナの順に屋敷の中に入っていく、
「スズリナさん、
ケーキと紅茶の準備をお願いしてもいいですか?
冷蔵庫にもう1つケーキが入っていたと思うので、」
「わかりました、
シルフィお嬢様、」
スズリナに頼むシルフィード、
スズリナはゆっくりと頭を下げてキッチンに向かった、
「獣人を使用人にしているのですか?」
「使用人じゃないよ、
家族だよ、」
「家族ですか?」
イフリーナがシルフィードに聞き返す、
「私の家には奴隷や使用人はいないよ、
いるのは家族だよ、」
まっすぐにイフリーナの目を見て言うシルフィードに息を呑むイフリーナ、
そこに、
「お待たせしました、」
スズリナが戻ってきた、
手にはケーキがのった皿を持っている、
「リーナちゃん、
とりあえず椅子に座って、
食べながらお話ししよ、」
「は、はい、」
イフリーナはシルフィードに促されるまま椅子に座る、
スズリナはそれと同時にテーブルにケーキを置く、
「こ、これはなんですの?」
「ケーキです、」
「けーき?」
「美味しいです!
イフリーナさんも食べて見てください!」
ユーリシアが身を乗り出してまでそう言うためイフリーナが引いてしまった、
イフリーナは戸惑いつつもイフリーナはケーキをフォークで切って口に運ぶ、
「おいしい!」
イフリーナは一気に食べる、
食べている際スズリナが紅茶を持ってきた、
「紅茶です、」
スズリナは紅茶をテーブルに置く、
イフリーナは不思議そうに紅茶を見る、
「これは紅茶だよ、
ちょっと苦いけどおいしいよ、」
シルフィードはイフリーナに説明する、
イフリーナはカップを持って恐る恐る口をつける、
少しすすり、
「おいしい、」
そう一言言う、
その後、
イフリーナはケーキを完食して紅茶を飲みきる、
しかし物足りない顔をする、
そんな顔を見たシルフィードは、
「一緒に作る?」
そう聞く、
「わ、私がですか!?」
「うん、
私が教えるから、」
「そ、その、
一度も厨房に立ったことがありませんが、」
「私も初めはそうでした、」
アスカレイヤが話に入ってきた、
「シルフィが教えてくれて一緒に作ってくれて、
お料理の楽しさを教えてくれました、
それからはよく厨房に忍び込んでケーキを作ってみんなで食べてました、」
「アスカレイヤ様がそのようなことを、」
「想像もつきません、」
イフリーナとユーリシアが同じような言葉を口にする、
「ですがシルフィのケーキが一番美味しいです、」
「ありがとう!
アスカちゃん!」
シルフィードはアスカレイヤに抱きつく、
「シルフィ、
なんども抱きつかれたら先に進みませんよ、」
「それもそうだね、
それじゃ、
厨房に行こう!」
シルフィードの言葉にイフリーナとユーリシアが頷く、
それから、
4人はお互いに教えあい、
なんども失敗して、
そしてケーキが完成した、
初めて料理をした2人はエプロンを汚しながらも楽しく作った、
4人で作ったケーキはみんなで食べて再び厨房に立ってケーキを作った、
日が沈んで当たりが暗くなってきた、
シルフィードはイフリーナとユーリシアを送っている、
そんな2人の手には1つの箱が包まれて持っている、
2人が自分で作ったケーキとクッキーである、
自分の両親に食べてもらいたくて作った、
シルフィード達はまずユーリシアを送った、
城の入り口らしき場所について、
「シルフィ、
今日はありがとう、」
「こっちも、
よかったらまた来てね、」
そうして別れた、
最後にイフリーナの屋敷に来た、
「シルフィードさん、
今日はありがとうございます、」
「どういたしまして、
次からは普通に玄関から来てね、」
「わ、わかりましたわ、」
シウルに咥えられたのが恥ずかしいのだろう、
イフリーナが顔を赤くする、
そうして2人は別れた、
シルフィードはそのまま自分の屋敷に帰っていった、
次の投稿も未定です、
できるだけ早く投稿したいと思います、




