クラスと出会い
幽霊さんside
「師匠、
どうしたんですか?」
これは夢か?
懐かしいな、
「来たか、
今からお前に新しい技を見せてやる、」
俺が大体中学1年の時の夢か、
師匠もあの時のままだ、
あれ?
なんで戦車に使われているセラミックプレートがあるんだ?
しかも何十枚も重ねて、
「どんな技ですか?」
「ふむ、
この技は体内の気を全て使って竜の鱗をも溶かし貫く俺の必殺技だ!」
「師匠、
この世に竜なんていません、」
おぉ、
俺よ、
そんな夢のないことを、
それもそうか、
この頃は生きるために必死だったな、
そして、
近いうちに師匠達が死んでしまう、
「うぐっ!
そ、そうだ!
だがそれくらい強い技だ!」
ちょっと言い直した、
すると師匠は右手に力を入れだした、
「ググググググググ・・・」
師匠の右手に丸い球体が出てきた、
過去の俺が尻餅をついた、
「ぬぉぉぉぉ!」
師匠は目の前のセラミックプレートにその球体を押し付けた、
セラミックプレートが溶け出した!
なんて技だっけ!
そのまま師匠はセラミックプレートを貫いた、
「はあ、はあ、はあ、」
師匠は息を荒くしている、
少し思い出した、
この技は確か、
「いいか、
俺もこの技は未完成だ、
だがこの威力だ、
体内の気を全て右手に集中させているため右手に負担がかかる、
この技を使ったら当分の間は右手が使えない、」
師匠の右手がだらんとしている、
「もしこの技を使える奴がいたら気をつけろ、
この技同士ぶつかり合えば気同士が反発しあって対消滅する、」
後でおばさんに聞いたら血液型の違う者同士の血を輸血すると交わらず拒絶反応が起こす、
それに近い感じと言ってたっけ?
「し、師匠、
この技の名前ってなんですか?」
俺が師匠にそう聞いた、
「この技の名前か?
この技は・・・」
ここで夢が変わった、
いい所だったのに、
次の夢は、
メロン胸の女の子が男の子に声をかけてようとしている、
男の子は俺か?
「こんにちは!」
あのメロンは芳賀月か?
「どうも、」
この様子は高校の入学式か?
「私は芳賀月音恋、
あなたの名前は?」
「俺は茅座根凛、」
「茅座根くん?
変わった名前だね、」
「よく言われる、」
「入学式が終わったら暇かな?」
「ごめん、
ちょっと予定があって、」
確かこの時師匠と両親に入学したことを伝えに行ったんだっけ?
「そうなんだ、
それじゃあまた今度誘うね、」
「ん、
楽しみにしてる、」
ここで夢から覚めた、
俺はゆっくりと目を開けた、
基本的に睡眠が入らない俺だが時々目を瞑ると寝てしまう、
しかし、
今日から本格的にシルフィードの学園生活が始まるからなのか?
俺の昔の夢と入学式の夢を見てしまった、
しかもなぜこのタイミングで師匠のあの技が夢に出てきた、
わからん、
考えるだけ無駄か、
シルフィはアスカと一緒に寝たんだな、
ちょっくら起こしてくるか、
俺は部屋の壁をすり抜けてシルフィとアスカの部屋に向かう、
ベットの上で仲良く手を取り合いながら眠っている2人がいる、
しかし、
(2人とも、
服はちゃんと着ろよ、
アスカ、
王女だろ?
下着のまま寝るなよ、)
2人は下着の姿のままで寝ていた、
おもわずため息を吐いてしまった、
そのため息が聞こえたのかシルフィが起きた、
眠たそうに目を擦る、
(おはようございます、
師匠、)
(おはよう、
だが先に服を着なさい、
そしてアスカを起こして服を着るように言うんだ、)
(はーい、)
俺が向こうで寝ている間に何をしていたんだ?
俺はそう思いながら部屋から出て行った、
シルフィードが起きて、
アスカレイヤも起きた、
朝食をみんなで食べて2人は学園に向かう、
校門に向かうと何人かの職員と生徒が2人を見て驚き戸惑う、
その者たちは2人の模擬戦を見ていた者たちだ、
2人は気にせず学園の敷地内に入る、
そして学園の入り口近くに掲示板があり2人はそれを確認する、
クラスはFからAクラスまである、
クラスに応じて授業内容も違うとのこと、
Fクラスは基礎と基本姿勢、
基礎魔法までの基礎を教えるとのことで販売や受付などの仕事に就かせることを優先とする、
Aクラスは中級魔法の習得と上級魔法の習得、
貴族や王族に対する礼儀や言葉使いの習得、
Bランク以上の冒険者や騎士との手合わせ、
課外実習など将来優秀な騎士や魔法使い、
冒険者にするために教育すること、
またAクラスで卒業することは貴族でも大きなステータスとなるとのこと、
また、
入学から半月はクラスを変えることができる、
教師からも移動の指示がある、
人には得意不得意、
合う合わないがある、
そう言った生徒の特性を見出して正しく導くことをするのがこの学園である、
そうマクスウェルが幽霊さんに言っていた、
シルフィードとアスカレイヤは掲示板の紙を見て自分の名前を探す、
そして、
「「あった、」」
2人が声を揃えて言う、
2人はAクラスのところに名前が書いてあった、
「アスカちゃん!
同じクラスだね!」
「はい!
よろしくお願いします!」
2人は人目も気にせず喜び合った、
しばらく喜び合ってから2人はAクラスに向かった、
2人はどんな人達がいるか気になってしょうがない、
クラスの前に着くとシルフィードはゆっくりと扉を開ける、
中には数名の生徒が席に座っていたり数名のグループを作ってたむろっていた、
シルフィードは教室に入ると数名がシルフィードの方に視線を向けて驚きの顔をする、
「おいおいおい、
まさかあの子がAクラスかよ、」
「でもマクスウェル様とバーボルトを倒したんだ、
Aクラスでもおかしくないぞ、」
そのあとアスカレイヤが教室に入る、
「アスカレイヤ様!
やった!
アスカレイヤ様と同じだ!」
「アスカレイヤ様とお近づきになるチャンスだ!」
「あれ?
あの子とアスカレイヤ様の関係は?」
「しらねーよ、
だいたいあの時はたまたま一緒に戦っていたんだろ?」
「もしくは護衛か?
冒険者をしているのか?
年も近いから学園に入学させたんじゃないか?」
「バカだな、
あの戦いを見ただろう、
マクスウェル様とバーボルトは本気を出していたんだぞ、
それなのにあの子は勝ったんだ、
相当な実力者だ、」
クラス中がざわめき出す、
シルフィードは気にせず好きな席に座る、
「アスカちゃん、
こっちに座ろう、」
シルフィードがアスカちゃんと呼ぶとクラス中が驚く、
王族をそのように呼ぶからだ、
「シルフィ、
待ってください、」
アスカレイヤがシルフィードを愛称で呼ぶことに驚く、
2人の関係が気になりだした、
2人は席に着くも周りの視線は2人に向いている、
「アスカちゃん、
時間まで暇だね、」
「シルフィはこういった時は何をしているのです?」
「瞑想をしてるよ、
自分も落ち着いて魔力も増えるの、」
「シルフィの魔力の多さの秘密がわかった気がします、」
2人はそう言った会話をしたあと瞑想に入る、
突然無言になり目を瞑る2人に周りの人たちは声をかけてなかった、
しばらくして、
「ーーーーーー」
シルフィードは自分に声をかけてくる人がいると気付いた、
瞑想していて気がつかなかった、
シルフィードは目を開けると、
「聞いていますの!?
貴族である私の声を無視するなんていい度胸ですこと!」
目の前には燃えるような真紅の髪を縦ロールにした髪型のドレスを着た女の子が立っていた、
将来美人になるだろうと思われる、
「ごめんなさい、
瞑想していたら気がつかなかったの、」
シルフィードは謝るが、
「まぁよくわからない言い訳をして!
平民はよほど言い訳が好きなようね!」
あまり効果がなかった、
「ところで私に何か用があったの?」
そんなことも気にせずシルフィードは聞く、
「えぇ、
これから同じクラスになるのですのでご挨拶をと思いまして声をかけていたのです、
ですがあなたは私のご挨拶を聞くどころかそのメーソーとやらのせいにするのです!
これだから平民は!」
「そうなんだ、
私はシルフィード!
よろしくね!」
「今更ご挨拶?
まぁいいでしょう、
私はイフリーナ・フレアリング・ボルケーノ、
ボルケーノ家の長女にして炎の精霊イフリート様の名をあやかる者、
平民にこうして自己紹介をしているのです、
光栄に思いなさい!」
「そうなんだー、
よろしくね、
リーナちゃん!」
イフリーナが呼びにくいのかいきなり略したシルフィード、
「ななななっ!?
私にはちゃんとしたイフリーナと言う名前があります!
略さずにちゃんと言いなさい!」
「えぇー、
リーナちゃんの方が可愛いよ、
でもリーナちゃん自身は綺麗だよ、」
イフリーナは顔を真っ赤にする、
「かかかかかかかか可愛いですって!?
そそそそそそそそそそれに綺麗って!
どどどどどどドレスのことを言っているのであればそう言ってください!
平民にしてはいい目のつけどころではありませんか!?」
「違うよ、
リーナちゃん本人が綺麗だよ、
すっごく美人だよ!」
茹でタコのように赤くするイフリーナ、
実はイフリーナ、
家族にも綺麗と言われたことがなかった、
シルフィードはそんな彼女に純粋な言葉で綺麗と言ったのだ、
「きききききき綺麗!?
びびびびびびび美人!?
」
かなりパニクっているイフリーナ、
そして、
「おおおおおおおお覚えてらっしゃいシルフィード!
私をコケにしてタダで済むと思わないことね!」
どこぞの三流悪役なのかわからないが捨てセリフを言って出て行こうとしたイフリーナ、
しかし自分のクラスがここだと思い出してすぐさま引き返してシルフィードより後ろの席に着く、
そしてシルフィードを怖い顔で睨みつける、
その時、
「シルフィ、
どうかしました?」
アスカレイヤの瞑想が終わってシルフィードに声をかけた、
「なんでもないよ、
ただ新しいお友達ができたかも、」
「そうなんですか、
あとで紹介してください、」
シルフィードはいつまでもマイペースだった、




