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アスカレイヤとギルド

2人はギルドの前に来た、


「ここがギルドですか、」


アスカレイヤが珍しそうに扉を見ている、


「レイクリードでギルドを見たよね?」


シルフィードがレイクリードでのあの戦いの時のことを言った、


「あの時はシウル様に乗っていてそれどころではありませんでした、

それにすぐにワイバーンの群れのところに行ったのでまともに見るのは初めてです、」


強烈な体験だったのかスラスラと言うアスカレイヤ、


「そうだったね、

あれから半年が経ったんだね、

あれから街はどうなの?」


「レイクリードは特に魔族の影響はありません、

もともと城を乗っ取ってから政策していこうとしていたのでしょう、

それ以外では一時期ワイバーンの価値が暴落した程度です、」


アスカレイヤがシルフィードをジト目で見る、


シルフィードはあははと言って明後日の方向を見る、


アスカレイヤはクスリと笑う、


「それくらいなら問題ありません、

それにシルフィを責めていません、

私達を助けてくれた恩人を責めません、」


「アスカちゃーん、」


シルフィードがアスカレイヤの胸に飛び込みグリグリと顔を擦り付ける、


アスカレイヤは困ったような嬉しいような顔をしてシルフィードの頭を撫でる、


しかし、


ギルドの前でそんなことをしているから目立ってしまう、


周りの冒険者や市民がチラチラと見ている、


そんな中、


「シルフィードか、

ギルドの前でどうした?」


シルフィードを知っている冒険者のおじさんが声をかける、


「バーボルトさんに呼ばれたの、」


アスカレイヤの胸に顔を埋めながら冒険者の方に顔を向けるシルフィード、


「ギルマスにか、

シルフィードはギルマスに気に入られているな、

ところでこちらのお嬢ちゃんは?

シルフィードの友達か?」


冒険者はアスカレイヤの方を見る、


「友達のアスカちゃんだよ、

ギルドがどんなところか興味があるんだって、」


王族のことを隠すシルフィード、


それに嘘は言っていない、


「初めまして、

アスカと言います、

ギルドの前でこのようなことをしてすいません、」


アスカレイヤがシルフィードを抱きしめながら冒険者に頭を下げる、


ちゃんと王族のことを隠す、


「いやいや、

シルフィードと一緒にいる子がどんな子なのか気になっただけだ、

それにもしかしたら将来は冒険者になるかもしれないからな!」


冒険者はアスカレイヤの頭をポンポンと叩いてギルドに入っていった、


アスカレイヤは頭に手を乗せて、


「お父様やお母様以外の人に頭をポンポンされるの初めてです、」


(あの冒険者、

アスカが王族と知ったら自分のしたことに後悔するかな?)


幽霊さんが悪い笑みを浮かべている、


「アスカちゃん、

もうそろそろギルドに入ろう、」


「そうですね、

入りましょう、」


シルフィードはアスカレイヤから離れて2人はギルドの中に入っていった、






ギルドは先ほどの冒険者以外にも数名冒険者がいた、


「サーシェさん、」


シルフィードはアスカレイヤを連れて真っ先にサーシェの元に向かう、


「こんにちは、

シルフィードちゃん、」


「こんにちは、

サーシェさん、」


サーシェとシルフィードが挨拶する、


アスカレイヤは静かに頭を下げる、


サーシェはアスカレイヤに気付く、


「シルフィードちゃん、

その子はお友達?」


「はい!

友達のアスカちゃん!」


「初めまして、

アスカです、」


再び頭を下げるアスカレイヤ、


「こちらこそ初めまして、

私はサーシェ、

宜しくね、」


サーシェは手を差し出す、


アスカレイヤはその手を握り握手をする、


そこに、


「シルフィード、

それにアスカレイヤ、」


バーボルトが出てきた、


サーシェはキョトンとする、


「ギルマス、

アスカレイヤって誰のことです?」


「お前が握手している相手だ、」


バーボルトはアスカレイヤに指をさす、


サーシェはアスカレイヤを見る、


アスカレイヤはにっこりと微笑む、


「アスカレイヤ、

アスカレイヤ、

もしかしてレイクリードの王女様なのかな〜?」


サーシェは引きつった顔でアスカレイヤに聞く、


「はいそうです、

私はアスカレイヤ・ライトニング・レイクリードです、」


アスカレイヤは手を握ったままお辞儀をする、


サーシェは顔が蒼白して手が震えて体が震える、


「あああああアスカレイヤ様・・・

握手しちゃった・・・

馴れ馴れしくしちゃった・・・

不敬罪で捕まっちゃうのかな・・・」


サーシェがうわ言のようにブツブツとそう言っている、


さすがに精神が持たなくなると察したシルフィードが助け舟を出す、


「サーシェさん、

アスカちゃんはそんなことで捕まえたりしないよ、」


「しししししシルフィードちゃん!

アスカレイヤ様になんてこと言ってるの!?」


「大丈夫です、

シルフィと私は友達です、」


アスカレイヤがそう言うとサーシェは更に蒼白に顔になる、


「友達・・・

ということはシルフィードちゃんは王族・・・

王族が冒険者で冒険者が王族で・・・」


もはや何を言っているのか自分でもわからない様子、


サーシェは更にブツブツと呪文のように言う、


シルフィードの助け舟は効果がなかった、


それを見かねたバーボルトは、


「アスカレイヤ、

そろそろ手を放してやれ、

サーシェが壊れる、」


「わかりました、」


アスカレイヤはサーシェの手を放す、


今だに壊れかけているサーシェ、


壊れたラジオのように何度も同じことをブツブツと言っている、


「サーシェは後で良く言い聞かせておくから奥に行くぞ、

アスカレイヤ、

お前にも確認したいことがある、」


アスカレイヤは頷く、


3人は奥へと移動した、


ちなみに、


サーシェがブツブツと言っているそばで、


アスカレイヤの頭をポンポンと叩いた冒険者もアスカレイヤの正体を知りブツブツと呪文を唱えていた、


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