模擬戦8
シルフィードの声が響いて別の場所で戦っているアスカレイヤやバーボルトの耳にも聞こえた、
バーボルトが一度シルフィードの方を向くと驚愕の表情を浮かべる、
「なんだ、
あれは・・・」
バーボルトはE・ヒュドラを見てそう言う、
驚いている隙をついてアスカレイヤはバーボルトに斬りかかる、
バーボルトは反応が遅れたが躱す、
「バーボルト様、
今は私がお相手しています、
一瞬の隙が命取りです!」
更に斬りかかるアスカレイヤ、
バーボルトは斧で防ぐ、
そこに、
「アスカちゃん!」
シルフィードがアスカレイヤに向かってそう叫ぶ、
アスカレイヤは攻撃の手を止めてバーボルトと距離をとる、
その瞬間アスカレイヤのいた地面からの剣が飛び出てきてバーボルトに襲いかかる、
バーボルトは驚きつつも防ぐ、
アスカレイヤはバーボルトに目を向けつつシルフィードの元に行く、
「シルフィ、
これはやり過ぎでは?」
アスカレイヤの言葉にシルフィードは頭を掻く、
「あはは、
やっぱり、」
「少し反省してください、」
2人がそう話している間にもバーボルトとマクスウェルはヒュドラの猛攻を防いでいた、
「どうだった?
おじいちゃんとバーボルトさんは?」
「とてもお強いです、
城であれだけ訓練しても勝てそうにありません、
唯一苦肉の策で思いついたことも再び通用しませんでした、」
「師匠曰く、
人は常に成長するものだって、
アスカちゃんの技が通用しないのは成長の証なんだよ、
アスカちゃんも成長しているよ、
それは大きいか小さいかわからないけど確実に成長してるよ!」
人は日々成長している、
心も体も、
「はい、
私はもっと成長したいです、」
「その意気だよ!
それじゃあ、
アスカちゃんは魔法を唱えて、
最大級の魔法を、
足止めは私がするから!」
「はい!
シルフィ、
お任せします!」
アスカレイヤは詠唱に入る、
シルフィードはヒュドラの動きを止めて、
「散って!」
そう言う、
するとヒュドラが一斉にばらけて無数のセイバーに戻る、
マクスウェルとバーボルトが戸惑う、
シルフィードが空に指差す、
セイバーが空高く上がっていく、
そして、
「行っけーーーーーー!」
シルフィードが指を下まで一気に下ろす、
それと同時にセイバーも落ちてくる、
バーボルトは斧で防ぐ、
マクスウェルはアースウォールで防ぐ、
雨のように降り注ぐセイバー、
アスカレイヤの方はシルフィードがうまくコントロールしてこないようにしている、
シルフィードは走ってバーボルトの元に向かう、
バーボルトはセイバーを防ぐことに集中している、
そのためシルフィードが近づいていることに気づかない、
シルフィードがバーボルトの脇腹に双掌を行う、
バーボルトは吹き飛ばされる、
更にマクスウェルに近づいて同じく脇腹に双掌を行う、
マクスウェルも吹き飛ぶ、
吹き飛ばされた2人はいきなりのことに混乱している、
シルフィードはセイバーをコントロールして2人に向けて放つ、
2人は再び防御に入る、
その時、
「シルフィ!
準備ができました!」
アスカレイヤが声をあげる、
アスカレイヤの詠唱した魔法、
光属性上級魔法のサンシャイン、
魔法で人口太陽を作り敵を照らし焦がす魔法、
広範囲で敵に攻撃できるがその分詠唱が長い、
この魔法はシルフィードがレイクリードを発ってからアスカレイヤが父であるスレイプニルに頼んで覚えた魔法だ、
しかしまともに使うのが初めてのためうまくコントロールができない、
「アスカちゃん!
今そっち行くから!」
シルフィードは空に残っていた全てのセイバーを一気に降らせた、
地面にセイバーが刺さる、
2人がセイバーを防いでる間にもシルフィードはアスカレイヤの元に向かう、
「お待たせ!」
シルフィードはそう言ってアスカレイヤの手を握る、
「アスカちゃん、
一緒に勝つよ!」
「はい!」
シルフィードは聖属性をアスカレイヤに流す、
聖属性がアスカレイヤのサンシャインが変質する、
「シルフィはなんでもありなんですね、
魔法が変わってきています、」
「アスカちゃん、
足りない魔力は私が出すよ、
だからせーのでいくよ!」
「はい!」
2人は集中する、
呼吸もゆっくりと合わせる、
そして、
「「せーの!!」」
魔法が放たれる、
「「サンクチュアリ!!」」
光り輝く魔法が上空に昇り試合場を照らす、
見物席の人達がその光を目で追う、
その輝きは敵とみなしたものは全ての照らし襲う、
光がバーボルトとマクスウェルを襲う、
ただ照らされるだけで2人が弱っていく、
試合場に立っているシルフィードとアスカレイヤは手を繋ぎながらただただサンクチュアリを見つめている、
その光景が幻想的に映し出されている、
今、
この瞬間だけ、
この場は2人だけの、
聖域となった、
模擬戦が終わった!




