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入学3

中に入ると大ホールが出迎えた、


中には何十人もの生徒や保護者が入り身だっている、


中には先ほどの騒ぎを見ていた者もいた、


「広いね〜、」


シルフィードは周りを珍しそうに見渡す、


「そうですね、

でもお城にいたせいでしょうか、

そこまで広いと思いません、」


「確かに、

お城より狭いね、」


シルフィードはレイクリードの城のエントランスを思い出してそう言う、


そう話している2人に、


「シルフィード殿、

アスカレイヤ様、

入学おめでとうございます、」


アレクが近づいてきた、


周りに女子生徒達はアレクに視線を向けてしまっている、


「アレクさん、

ありがとう、」


「ありがとうございます、

アレク様、」


シルフィードとアスカレイヤはアレクに礼を言う、


「ここからは自分が案内します、

学園長よりお二人を案内して欲しいと言われましたので、

他の教師や職員に任せられないとのことです、」


マクスウェルはシルフィードとアスカレイヤが来ると何かに巻き込まれると思っていたためアレクに2人を任せた、


すでに巻き込まれたが、


「その申し出をお受けします、

エスコートお願いします、

アレク様、」


「お願いします、

アレクさん、」


2人の返事に微笑むアレク、


「それじゃあまずは講堂に行こう、

そこに今年の入学生が集まって学園長の話を聞くことになっている、

自分についてきてくれ、」


アレクは歩き出した、


2人はその後についていく、


女子生徒達は2人を羨ましそうに見送る、


アレクはイケメンである、


それは相手がいる女性も未亡人も目で追うほど、


嫌味はなく努力家であるため唯一幽霊さんが嫌いにならないタイプのイケメンであった、


だから修行のメニューを教えた、


その修行メニューはアレクの目指す騎士とは程遠いが確実に強くなれる修行だ、


それを受け入れたアレク、


マクスウェルを守るためでもあり、


ターニャのためでもあった、


今では毎月ターニャに手紙を出しているアレク、


マクスウェルもシルフィードもガルドも幽霊さんも気づいている、


真面目だからわかりやすい、


ターニャもアレクに好意を抱いているため嬉しく頬を赤く染めながら読む、


それにはタチアナにアリサが気づく、


アレクはシルフィードと出会った頃より見違えるほど強くなった、


修行メニューは基礎体力作りに始まり盾の使い方、


盾無しの戦い方、


剣を失った後の戦い方、


そのおかげでレイクリードでの魔族の戦いで生き残れた、


シルフィードがアレクに色々と話しかける、


特にターニャのことで、


面白いくらい反応するアレクに幽霊さんは面白くなる、


アスカレイヤもそんな2人を面白そうに見つめる、


普通ではありえない王族の目の前での無駄口、


シルフィードはそんなことを気にせずに話すためアスカレイヤは珍しく面白く見ている、


そんなこんなで講堂に着いた、


椅子が大量に並んでいる、


椅子の向いている方向に段差がありそこにステージがある、


(元の世界の体育館っぽいな、

講堂と体育館のセットって異世界にもあったのか、)


幽霊さんは元の世界の講堂とここの講堂を見比べていた、


「場所は特に決まっていないから好きな場所に座ってください、

まだかかるのでお待ちください、

何かあったら自分に言ってください、」


アレクが説明するとシルフィードは不思議そうな顔になった、


「アレクさん、

なんか他人行儀になってる、」


アレクはそれを聞いてバツが悪そうにした、


「申し訳ない、

自分もここの職員だ、

職員が生徒に馴れ馴れしく話しかけられない、

公私混同しないために、

気を悪くしたら申し訳ない、」


「仕方がありません、

1人の生徒を贔屓したらいけないことはわかっています、

アレク様が謝ることはありません、」


アスカレイヤがそう言うとアレクはホッとしたような顔になる、


「ありがとうございます、

そう言ってくれると嬉しいです、

自分は壁の方におりますので、

失礼します、」


アレクはそう言って壁際まで移動した、


2人は近くの空いていた席に座った、


座り2人で話しているとアスカレイヤと仲良くなりたい下心丸出しの生徒達が周りの席に座っていく、


下心と同時にシルフィードに嫉妬をしているがシルフィードは気にせずにアスカレイヤと話す、


会話内容はアスカレイヤの好きなケーキの話と修行内容、


初の学園生活についてである、


周りで盗み聞きしている生徒達にとって学園生活以外は全くわからない話である、


ただケーキの話になると眩しいくらい輝く笑顔のアスカレイヤ、


その顔を見て周りは男女構わず赤くする、


(あれをいつ渡そうかな、)


幽霊さんはひと月前に出来上がった浴衣をいつ渡そうかな悩んでいた、


白に色とりどりの花の刺繍を入れてある、


シルフィードの浴衣と違って足の丈は長く足首まである、


変に改良をせずにしたため裾は長く、


レイピアを使うアスカレイヤのために裾を束ね縛る紐も作ってある、


そんなこんなで時間が過ぎた、


全ての椅子が埋まってしまった、


ステージにマクスウェルが登って話をする、


どこの世界も入学式は長ったるい会話で始まる、


アスカレイヤの入学は秘匿されているわけではないらしいがマクスウェルが進んで会話しなかった、


しかし一部の貴族はどこからかそれを知ったらしい、


何人かの貴族らしい保護者がアスカレイヤをじっと見ていた、


そして、


マクスウェルの話が終わり周りの生徒は職員についていく中、


アレクが2人に近寄ってくる、


「次は試合場で生徒と先生の模擬戦をします、

ついてきてください、」


2人は頷いて立ち上がりアレクについていく、


しばらく歩いて、


広い場所に着いた、


シルフィードはそこから剣撃が聞こえて魔力の流れを感じた、


周りには複数の生徒達が剣を持って先生や職員に攻撃をしていたり魔法を放ったりしている、


ほとんどの生徒は職員に負けていた、


「ここが試合場です、

アスカレイヤ様は順番の最後になります、

シルフィード殿はその前です、

それまでの間は見学していてください、

自分はこれから生徒との模擬戦があるので失礼します、」


そう言ってアレクは2人から離れていった、


「アスカちゃん、

レイピア持ってきてる?」


「はい、

幽霊様に教わった収納魔法の中に入っています、

難しいですね、

まだレイピアしか入れることできないですから、」


アスカレイヤは少し暗い表情になった、


アスカレイヤとシルフィードの違いは魔力の量とは別に記憶力にも違いがある、


瞬間記憶能力があるシルフィードは入れたものを忘れてないためイメージはすぐにできて何個入れても忘れない、


しかしアスカレイヤはそんな能力を持っていないため入れた物のイメージに時間がかかり何を入れたかすぐに思い出せない、


更に大きものほど入れるときに大量の魔力を使う、


多くの物を入れるにもそれ相応の魔力がいる、


アスカレイヤの魔力は一般の魔術師よりはるかに多いがマクスウェルと比べるとはるかに少ない、


イメージと記憶力と魔力の3つが必要な収納魔法、


その3つの能力を持ったシルフィードしかまともに使えないだろう、


「アスカちゃん、

変に気を張らないで、

この魔法は他には漏らせない魔法なの、

師匠はアスカちゃんなら絶対に口にしないから教えたと思うから、」


「わかっています、

この魔法は便利で危険な魔法です、

その理由を聞いて身震いしました、」


「それでいいの、

アスカちゃんはいっぱい入れなくても武器を入れても緊急時に使えるようにしておけば自衛にもなるよ、」


「はい、

あとは最低限の服と食べ物が入ればいいです、」


2人はそう話しながら時間が過ぎるのを待った、

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