入学2
男は起き上がりシルフィードの背中を睨みつける、
男のプライドを傷つけられたらしい、
キレタ男は魔法を詠唱した、
雷属性初級魔法のサンダーセイバー、
威力を抑えれば感電させて相手を麻痺させることができるがキレタ男は全力のサンダーセイバーを詠唱する、
周りの人達は止めようとしなかった、
ここの職員に刃向かうと入学できないと思ったからだ、
シルフィードを見て気の毒そうな視線を送る、
キレタ男は全力のサンダーセイバーをシルフィードの背中めがけて放つ、
その顔はひどく歪んだ笑みになっている、
周りの人達はシルフィードが死んだと思った、
シルフィードは振り返る、
後ろに束ねた髪がふわりとなびく、
男からはシルフィードの目が髪に隠れて見えない、
きっと恐怖で涙を浮かべていると思っている、
しかし、
予想は違っていた、
その目は恐怖ではなく、
敵を見るような冷たい目だった、
シルフィードは手を下から上に上げて向かってくりサンダーセイバーを挟み込む、
シルフィードは魔力操作で手を魔力で覆い絶縁体の代わりにする、
周りの人達はやキレタ男は驚きの顔になる、
魔法を素手で受け止めることは今まで聞いたことがないからだ、
そのままシルフィードはその場で何回転も回転して男に向かって投げ返す、
その速さはキレタ男が放ったサンダーセイバーよりはるかに早い速度で向かってくる、
それが男の顔の横を通り過ぎる、
そして、
門にあたり消滅する、
キレタ男は唖然としたあと尻餅をつく、
喧嘩を売る相手を間違えたと今気付いた、
シルフィードはそのままアスカレイヤと手をつなぎ歩いていく、
まるで何事もなかったかのように、
2人は歩いていくと学園入り口にある人物が立っていた、
「マクスウェル様、」
「おじいちゃん?」
2人は歩みを止める、
「待っておったぞ、
2人とも、」
マクスウェルは笑顔で出迎えている、
周りの人達が何事かと見ている、
「わざわざ待っていたのですか?」
「そうじゃ、
アスカレイヤ姫を他の教員に任せられないこともあるのじゃがシルフィード殿が心配じゃったがそこはいらぬ心配じゃったかのう、」
マクスウェルは2人の後方を見た、
男が未だにへたり込んでいる、
「見ておったぞ、
サンダーセイバーを魔力で覆った素手で掴むとはのう、
また新しい発見じゃな、
今度やってみるかのう、」
「やめてください、
心臓に悪いです、」
アスカレイヤが呆れたようにそう言う、
「ほっほっほっ、
さて、
あの職員に説教でもしてくるかのう、
生徒に武器での攻撃や魔法を後ろから放つ、
クビにするかのう、」
「自業自得です、
あの方の処分はマクスウェル様にお願いします、」
「うむ、
それとだがシルフィード殿、
学園では学園長と呼んでくれぬか、
他の生徒や職員に示しがつかぬからのう、」
「えっと、
ど、努力します、」
シルフィードが返事をするとマクスウェルはキレタ男の方に歩いて行った、
「シルフィ、
後はマクスウェル様にお任せして入りましょう、」
「うん、」
アスカレイヤとシルフィードはそのまま学園の中に入っていった、




