不吉な風
かなり短いです、
シルフィードとマクスウェルが話している同時刻、
バークリートの遥か南の関所、
そこで見張りをしている兵士がつぶやく、
「なんか昨日より魔物が門に激突する、」
昨年から魔物が大量に門に向かってくる、
毎日毎日、
そのため見張りは気が気ではなかった、
いつ門が破られるか心配だった、
しかし今日まで破られなかった、
「そうだな、
何かから逃げているように見える、
だが魔族領の魔物以上に強い魔物はドラゴンや魔族くらいだろ?
魔族はともかくドラゴンが来る気配ないぞ、」
魔族領の魔物は個体がAランク相当ある、
まともに準備をしない冒険者はすぐに死んでしまうくらい強い、
そんな魔物が何かに怯えている、
兵士はそう考えながらも見張りをしている、
少しして、
「なぁ、
あの山、動かなかったか?」
もう1人の兵士がそう聞いてきた、
「何言ってんだ、
山が動くわけないだろ、」
「だってなんか場所がおかしいぞ、」
兵士がそう言って指をさす、
山々が連なっている、
「ほんの数時間前まで山と山の間隔が狭まっていたのに今は開いているんだ、」
「気のせいだろ、
疲れているんだ、
休んでろ、
最近張り詰めていたから寝れば良くなる、」
兵士は渋々中に入る、
「全く、」
兵士を見送った後、
見回りをしていた、
門に魔物が体当たりする音がいつまでも響いていた、
そして、
山奥に強大な者が目覚めていることを誰知らない、




