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再会、

更新遅れて申し訳ありません、

屋敷と奴隷の購入から3日後、


屋敷は住めるようになって庭は手入れされて、


外装もよくなった、


宿を引き払う、


奴隷達の服も3着ずつ買っている、


名前は犬耳奴隷のユウナとシーコ、


見分け方はユウナは黒いたれ耳、


シーコは白くピンとした耳、


猫耳奴隷はミーシャとカシオ、


見分け方はミーシャが白い耳、


カシオが白に茶色のまだらがある耳、


兎耳奴隷のスズリナ、


みんなに屋敷の管理を任せた、


シルフィードが買い物から戻ると、


「お嬢様、

マクスウェル様がお見えです、」


カシオが出迎えてそう言う、


「カシオさんありがとう、」


シルフィードは礼を言うと中に入る、


「シルフィード殿、

突然来てすまないのう、」


「私こそお待たせしてごめんなさい、

それでどうしたの?」


マクスウェルはシルフィードに向かって話す、


「実はのう、

2日前にスレイプから手紙が来てのう、

おそらく今日あたりにアスカレイヤ姫とシウル殿がバークリートにやってくると思うのじゃ、」


シルフィードが驚いて目を見開く、


「スレイプの手紙の内容にのう、

この手紙を出した3日後に2人はこっちに向かうと書いてあっててな、

シウル殿に乗って行くとかなりの時間短縮になると思うのじゃ、

そう思うと今日あたりになると思うのじゃ、

シルフィード殿、

門の前に迎えに行ってくれぬか?」


シルフィードは嬉しそうな顔になり、


「行く!」


シルフィードは急いで外に出ようとしたが、


「待つのじゃ、

これを持っていくのじゃ、」


マクスウェルは1枚の紙を渡す、


「これがないとシウル殿が中に入れぬ、

持っていくのじゃ、」


「ありがとう!

おじいちゃん!」


シルフィードは紙を受け取り走り出す、


「若いのう、」


マクスウェルはそう呟きながら微笑ましく見守った、




シルフィードはバークリートの門前まで移動した、


門番はシルフィードだと確認すると声をかけずに見張りを続ける、


シルフィードは道の端で待った、


たまに商人の馬車や冒険者が通り過ぎる、


シルフィードは待った、


日が傾き、


あたりが暗くなり始めた、


もう通る人がいない、


シルフィードは待ち続けた、


隅で座りながらも待つ、


そして、


あたりが真っ暗になり、


松明の炎の明かりが唯一の灯り、


少し肌寒くなり、


シルフィードはキツネ耳と尻尾を出して収納魔法で毛布を取り出す、


それを自分の体に巻く、


そのまま待つ、


どれくらい待ったのか、


シルフィードは小腹が空いたため収納魔法でパンとジャムを取り出して食べる、


パンを食べていると、


遠くから何かが走ってくる足音が聞こえた、


シルフィードのキツネ耳がピクリと動く、


シルフィードはパンを急いで口に詰め込んで毛布を片付ける、


門番はシルフィードが動き出したため目で後を追う、


シルフィードは道の真ん中に立つ、


目を閉じて、


ゆっくりと息を吐く、


足から伝わる振動がだんだん強くなる、


そして、


薄暗い中、


大きな狼が現れた、


門番は驚き思わず武器を構える、


「シウル!」


シルフィードは大きな狼に近づく、


門番は止めようとしたが大きな狼を警戒して動けなかった、


「シルフィードか?」


大きな狼が喋る、


門番が驚く、


「シルフィ?」


大きな狼の背中から少女の声が聞こえた、


すると大きな狼の背中から1人の少女が降りてきた、


「アスカちゃん!?」


シルフィードは少女に駆け寄って抱きつく、


「はい、

お久しぶりです、

シルフィ、」


アスカレイヤはゆっくりとシルフィードを抱きしめる、


シルフィードはアスカレイヤの胸に自分の顔を押し付けるように強く抱きしめる、


門番は唖然をしている、


状況が把握できていない様子、


「シルフィ、

少し苦しいです、」


「あっ、

ご、ごめんねアスカちゃん、」


シルフィードはアスカレイヤから離れる、


「アスカちゃん、

シウル、

会えて嬉しいよ、」


「私も、

シルフィに会えて嬉しいです、」


「我もだ、

待たせたな、」


2人と1匹は再会を果たした、


そこに、


「シ、シルフィード、

状況を説明してくれ?」


門番が恐る恐る聞いてくる、


するとアスカレイヤは門番の前に来て、


「夜遅く突然の訪問をして申し訳ありません、

私はアスカレイヤ・ライトニング・レイクリードと申します、」


アスカレイヤが丁重にお辞儀をする、


門番の表情が固まった、


そして、


「ここここここここれはもうしわけありません!

レイクリードの姫様とはつゆ知らず馴れ馴れしく声をかけようとして申し訳ありません!!!」


なぜか門番が土下座をする、


(久しぶりに見たな、

土下座、)


(このままそこの兵士の頭を踏みつけるんや!

アスカ!)


幽霊さんが懐かしそうに見ていると虎炎がゲスいこと言っている、


しかし、


そんな真似をしないアスカレイヤ、


「頭をあげてください、

あなたは兵士としての職務を全うしているだけです、

そんなあなたに何を怒れというのですか?

それどころか感心します、

夜遅くまで休まずに見張りをしているからこの街は平和なのです、

ありがとうございます、」


アスカレイヤが門番に向かって頭をさげる、


門番は慌てて体を起こして、


「ひひひひひひ姫様!?

私目みたいな門番に頭を下げないでください!」


感動とアスカレイヤに頭を下げさせた罪悪感で大量に涙を流している門番、


涙を流している門番を見てアスカレイヤが申し訳なさそうにする、


「すいません、

あなたを困らせるようなことをしたいわけではありません、

純粋にお礼をしたかったんです、」


その言葉を聞いて門番が更に感動の涙を流す、


姫に感謝されるとかなり嬉しいらしい、


話が進まないから幽霊さんがシルフィードに近づいて、


(とりあえず家に連れて行かないと、

話が終わらないぞ、)


シルフィードにそうつぶやく、


シルフィードは頷いてアスカレイヤに駆け寄る、


「アスカちゃん、

街に入ろう、

ガーレットさん、

これがシウルの入場許可書だよ、」


シルフィードは門番、ガーレットにマクスウェルからもらった紙を見せる、


「わかった、

だが覚えておいて欲しい、

そこの狼が何か危険なことをするとシルフィードに責任がくる、

それだけ覚えていて欲しい、」


目が赤いガーレットが鼻声ながらシルフィードとシウルにそう言う、


「承知した、

だが街を歩くのはよかろう?」


「それはいいが少しの間はシルフィードの庭で見世物になっていてくれ、

それで街の人たちが慣れたら歩いてもいいぞ、」


ガーレットがシウルに伝える、


「そうだな、

魔物が街を歩くとそうなるな、」


「それと、

できれば首輪をつけたほうがいい、

そうすれば苦し紛れだがペットとして見てくれるかもしれない、」


ガーレットが更に伝える、


「ふむ、

考えておこう、

すまぬな門番よ、」


「なんだろうか、

魔物に礼を言われる日が来ると思わなかった、

とりあえず入っていいぞ、

ようこそ、

バークリートへ、」


門番がそう言って道の端に移動する、


シルフィードを先頭に歩き出す、


ほぼ深夜のため人通りがない、


そのためシルフィードの屋敷に早く着いた、


「ただいまーー、」


シルフィードが小さな声で言うと廊下の奥から足音が聞こえてきた、


「おかえりなさいませ、

お嬢様、」


ユウナが出迎えてきた、


「ユウナさん、

先に寝てても良かったんだよ、」


「みんなお嬢様が心配で寝れませんでした、

もう少し遅くなるようでしたらみんなで探しに向かってます、」


本気の目を向けられてシルフィードはシュンとする、


それでも心配されて嬉しいと思っている、


「ところで、

後ろのお方はお嬢様のお友達ですか?」


ユウナはアスカレイヤを見てシルフィードにそうたずねる、


アスカレイヤはシルフィードの横に並び、


「挨拶が遅れて申し訳ありません、

私はアスカレイヤ・ライトニング・レイクリードと申します、」


丁重に挨拶をする、


ユウナは驚いて尻尾が立ってしまった、


「アアアアアアアアアアアアアスカレイヤ様!?

ししししししししし失礼しました!!」


ユウナが土下座をする、


(今日で2回目だな、)


幽霊さんがそう呟いた、


「頭をあげてください、

これから共にこの屋敷に住むのですからそう言うことはやめてください、」


アスカレイヤの言葉にユウナが驚く、


「ここに住む・・・とはどういった意味ですか?」


話がイマイチわかっていないユウナ、


「言葉通りの意味です、

今日から学園の卒業までこのお屋敷でお世話になります、」


アスカレイヤが再び頭をさげる、


ユウナは放心状態になるもすぐに意味がわかったようで、


「どどどどどどどうしましょう!?

私は王女様のお世話の仕方や接し方なんてわからないですよ!!

もしこちらで不手際があったら国際問題になりかねません!!」


ユウナがそう言っていると戻ってくるのが遅いため心配してきた他の獣人もやってきた、


「ユウナ、

どうしました?」


ミーシャがユウナにそうたずねる、


「ミーーーーーーシャーーーーー!!!!

私達どうしよーーーー!!」


ユウナが涙と鼻水でグシャグシャになった顔をミーシャの胸に埋めた、


「お嬢様?

これはどういう事ですか?」


スズリナがシルフィードにそう尋ねる、


「えっと、

とりあえず入っていいかな?

お話はゆっくりと座ってしよ、」


「はい、

わかりました、」


スズリナが返事をして他の獣人と戻り、


ミーシャはユウナを引きずって戻っていった、


アスカレイヤはそんな獣人達を見て面白そうにくすくすと笑う、


「シルフィの使用人ってなんか使用人らしくないですね、

なんて言うか・・・みんなで好きなように言い合っているような感じですね、」


「そうだよ、

私はみんなを家族と思っているの、

だから好きな事を言って、

相談したい事があったら聞いてあげたいの、」


「家族ですか、

素敵です、」


2人はそう言いながら屋敷の中に入っていった、


客間に集まった7人、


「それじゃあ説明するね、」


シルフィードは獣人達を見回した、


獣人達は頷く、


「この子はアスカレイヤちゃん、

レイクリードのお姫様なの、」


未だにミーシャに抱きついているユウナ以外の獣人は驚く、


アスカレイヤはそんな獣人達に挨拶をする、


「改めて、

夜遅くの突然の訪問申し訳ありません、

私はアスカレイヤ・ライトニング・レイクリードと申します、

本日からこちらで住まわせてもらいます、

不束者ですがどうか宜しくお願いします、」


アスカレイヤは丁重にお辞儀をする、


「あ、あのー、」


スズリナが恐る恐る手を挙げる、


「はい?

どうされました?」


アスカレイヤがスズリナの方を見て聞く、


「ここに住むと先ほど言われましたがそれはここに住むという事ですか?」


「はい、

本日から学園の卒業までお世話になります、」


アスカレイヤがそう答えるとユウナが涙声で言う、


「だから言ったでしょう!

どうすればいいのって!」


獣人達にとってアスカレイヤのような身分の高い人と会うのは初めてである、


作法も教えられたがそれは貴族相手にしか通じない、


王族の世話の仕方や対応は更に上を目指さないといけない、


それを教えられていない獣人達、


アスカレイヤはそんな獣人達を見て言う、


「みなさん、

私に特別な対応をしなくても大丈夫です、

いつも通りの対応をお願いします、

何か不手際があってもよほどの事ではない限り国際問題にはなりません、」


アスカレイヤが奴隷達に更に言う、


「ここでは私は王女のアスカレイヤではなくシルフィの友達のアスカです、

学園では王女として振舞いますがここでは普通の女の子になりたいのです、

シルフィだけです、

同年代で女の子として見てくれるのは、

ですのでこの屋敷ではただのアスカでいたいのです、

お願いします、」


アスカレイヤは奴隷達に頭を下げる、


王族である限り、


その肩書きがある限り、


周りの人はアスカレイヤを女の子として見ないだろう、


唯一、


シルフィードはアスカレイヤを王女としてでなく女の子の友達として見てくれた、


シルフィードの前ではただの女の子に戻れる、


「・・・わかりました、」


スズリナが口を開く、


「私たちはお嬢様のお友達のアスカさんとしてこの屋敷内せはそう接しさせていただきます、」


「スズリナ!?

いいの!」


ユウナがスズリナに言う、


まさかスズリナがそう言うとは思ってなかったのだろう、


他の奴隷達もスズリナを見た、


「ユウナ、

私は思ったの、

私たちは獣人というだけで問答無用で奴隷になる、

私も女の子として見て欲しかったわ、

アスカさんもそう、

王女というだけで周りからは女の子として見てくれない、

更に嫉妬や恨みを買うかもしれない、

酷い時には暗殺も考えられる、

お嬢様だけですね、

私たちやアスカさんを普通の女の子や女性として見てくれるのは、

はじめは戸惑いましたが正直、

嬉しかったです、

アスカさんもはじめて友達ができて嬉しかったのではないですか?」


「はい、

シルフィは私が王族と知っても態度を変えませんでした、

驚きましたが嬉しかったです、」


アスカレイヤはシルフィードと出会った事を思い出した、


「立場が違えど同じ事を悩みがあります、

私はアスカさんにも普通の女の子に戻って欲しいと思います、」


「スズリナさん、」


アスカレイヤはスズリナに頭を下げる、


「有難うございます、」


「気にしないで、

アスカさんの気持ちが少しわかるから、

でも覚悟していてください、

この屋敷ではアスカさんにも何かを手伝っていただきます、

王女アスカレイヤ様でなく、

お嬢様のお友達のアスカさんとして何か手伝っていただきます、

よろしいですね、」


アスカレイヤは頭を上げて、


「大丈夫です、

至らないところがありますがやります、

やらせてください、」


「はい、

わからないところは私たちが教えていきます、

改めてこれから宜しくお願いします、」


「こちらも宜しくお願いします、」


アスカレイヤはスズリナに手を差し出す、


スズリナは迷わずアスカレイヤの手を取る、


2人は固く握手をする、


「なんか2人だけで話を進めてるけどいいのかな?」


ユウナがミーシャの胸に顔をうずめながら言う、


「でも他の貴族や王族と違っていい子だよ、」


ミーシャがユウナの頭を撫でながら答える、


「アスカちゃん!

良かったね、」


シルフィードがそういったあと何かを忘れていることに気付いた、


「あっ、

大変!」


シルフィードは慌てて外に向かう、


カシオとシーコはシルフィードを見て首をかしげる、


しばらくして、


「シウルー、

こっちだよ、」


庭の方からシルフィードの声が聞こえた、


皆が外を見ると、


「みんな!

紹介するね、

シルバーウルフのシウル!

今日からここに住むもう1人の友達だよ、」


シルフィードがそう言うと横から大きなシルバーウルフが歩いてきた、


奴隷達は口を開けて唖然としている、


「ごめんなさいシウル、」


「我は気にしてはおらん、

ただいつあそこに人が通るか気が気ではなかった、」


「シウル、

私もごめんなさい、」


「アスカレイヤ、

シルフィードにも言ったが気にしていない、」


奴隷達の思考が停止している、


「あれ?

どうしたの、

みんな?」


奴隷達が静かすぎたためシルフィードはそう口にした、


しかし返事はない、


たd・・・


「はっ!?

すいません!

私たちの予想の斜め上のことが目の前で繰り広げられたので思考が追いつきませんでした!」


スズリナが早口で言う、


「それが当たり前の反応だ、

獣人よ、

気にするでない、」


「は、話せるんですね、」


「さっきも話していたがな、」


そう軽口を叩くシウル、


そのあとシウルの事を説明するシルフィード、


奴隷達は納得した、


そしてもう遅いから寝ようと思った矢先、


アスカレイヤが一言言った、


「でも、

シルフィが獣人の奴隷を買うなんて意外ね、」


同意するかのようにシウルも言う、


「確かに、

買うとしても獣人以外と思っていた、」


「だって可愛いもん!

かっこいいもん!」


「シルフィだもんね、

でもシルフィも一応獣人だよね?」


アスカレイヤの一言は奴隷達に衝撃を走らせる、


「でも私は人間だよ、

ちょっと変わってるだけだよ、」


そう言ってキツネ耳と尻尾を出した、


奴隷達はその耳と尻尾を見て土下座した、


「えぇ!?」


シルフィードは驚く、


(2度あることは3度ある、

まさしくこのことだな、)


幽霊さんはぼそりとそう言う、


「あ、あの、

スズリナさん?」


シルフィードは恐る恐るそう言うと、


「ななななななな何でしょうか!

獣人の神様!」


「えっ!

私は神様じゃないよ!」


戸惑うシルフィード、


しかしスズリナは更に言う、


「その耳!

その9本の尻尾!

まさしく獣人の神様です!

神様に買っていただけて光栄です!」


シルフィードは若干引いてしまった、


「シルフィ、

自分のことを説明してなかったんだね、」


アスカレイヤは少し呆れていた、


「うん、

ちょっと忘れてた、」


瞬間記憶能力を持つものが言うセリフではない、


「スズリナさん、

私の耳と尻尾はある人からもらった力なの、

だから私は神様じゃないよ、

これまでと同じように接して欲しいの、」


「し、しかし、」


「お願いします、」


シルフィードは頭を下げる、


「わかりました、

これまで通りにお嬢様として接します、」


「ありがとう!」


シルフィードはスズリナに抱きつく、


嬉しそうにするスズリナ、


アスカレイヤとシウルはその光景を微笑ましく思った、

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