春の時期、
春の時期、
サクラもどきがバークリートの街の中で舞っている中、
白いワンピースを来た少女が走っていた、
髪は腰まで伸びているが体型は幼女体系、
身長は1センチも伸びていない、
その少女は他の人には視認されないほどの速さで走っている、
シルフィード、
少女の名前だ、
レイクリードから帰ってきてから半年以上過ぎた、
一時的にワイバーンの相場が崩れたが今は平和的に過ごしている、
シルフィードが向かっている先は冒険者ギルド、
シルフィードはギルド前で止まり中に入った、
「おはようございまーす!」
元気なシルフィードの声がギルド内に響く、
昼過ぎだが他の冒険者がいる、
シルフィードの声が聞こえると自分の子供のように見る冒険者が数名、
シルフィードを知らない冒険者が数名、
シルフィードはすぐに受付に行く、
「サーシェさん、
荷物運びの依頼をしてもいいですか?」
シルフィードが受付を見上げるようにして向こう側にいる受付嬢のサーシェに声をかけた、
サーシェはシルフィードの声掛けに持っていた緑色の冊子を開いた、
サーシェが開いた緑色の冊子はシルフィード専用の冊子である、
中身はシルフィードを指名依頼してきた人達の依頼書である、
「今日はこれくらいかな?」
サーシェはそう言ってシルフィードに冊子を渡す、
シルフィードを知らない冒険者が驚く、
依頼書の束の分厚さが魔物図鑑ぐらいの分厚さだからだ、
「わかりました!
行ってきまーす!」
シルフィードはその冊子を受け取り颯爽に駆け出した、
後に残るのは冒険者達とサーシェと他の受付嬢、
1人の冒険者がサーシェに近づく、
この冒険者はシルフィードを知らない、
「おい、
あの子はなんなんだ?
いきなり大きな声で入ってきて荷物運びの依頼を山ほど受けるなんて、」
サーシェはそんな冒険者にこう答える、
「あの子のことを知らないってことはあなたはこの街の冒険者ではないのですね、
あの子はシルフィードちゃん、
Bランクの冒険者よ、」
それを聞いた冒険者は驚く、
この冒険者のランクはCランク、
シルフィードが自分よりもランクが高いと思わなかったからだ、
「あの子に喧嘩を売らない方がいいわよ、
あの子の実力はギルマスとマクスウェルが証明してるわ、
強いわよ、
あの子、」
サーシェが更に言う、
冒険者は半信半疑だった、
シルフィードがそこまで強いと思わなかったからだ、
そこに、
「今戻った、」
1組の冒険者達が入ってきた、
すると一部の冒険者が騒ぎ出す、
「あれはAランク以上の冒険者だけで作られたパーティー、
確かパーティー名はデュランダルだったな、」
「この目で見られるなんて思わなかった、
この街で活動しているのか?」
デュランダルのパーティーは気にせず歩き出す、
「今回の依頼達成書とすまないが治癒魔法を使えるやつを紹介してくれ、
1人大怪我していてな、」
パーティーの1人が後ろを指差した、
1人の男が腕や足、
頭にも包帯を巻いてある、
「応急処置は済ませてある、
だが俺たちは明日の朝一に次の町に向かわないといけない、
今から誰かをパーティーに入れたくない、
だからってこいつを置いていくと大きく戦力が落ちる、
頼む、」
パーティー全員が頭をさげる、
周りの冒険者達が驚く、
名高い冒険者パーティー全員が頭を下げているからだ、
「わかりました、
しばらく待っていればあの子が帰ってくるからそれまで座って待っていてください、」
サーシェが椅子の方に手を向ける、
「あの子ってあの子か?」
パーティーの1人に男が聞いてくる、
「はい、
お昼までには戻ってくると思います、」
「あの子か、
それなら安心だな、
よかったなグレッグ、」
「あぁ、
あの子に足を向けて寝れんな、」
「そうそう、
私たちがAランクになれたにはあの子のおかげだからね、」
デュランダルのメンバーが気になることを言うため他の冒険者が気になりだした、
あの子とは誰か、
それを聞こうとしたら、
「ただいま戻りました!」
シルフィードが戻ってきた、
「おかえり、
さっそくで悪いけど治癒魔法で怪我を治して欲しい人がいるの、」
サーシェは視線をデュランダルのメンバーに向ける、
「あれ?
ディノンさん?
それにグレッグさんにキャルロットさん、
ベルシアさんまで、
いつの間に戻ってきたんですか?」
このパーティー、
シルフィードがオーガキングを成り行きで討伐した後にシルフィードに声をかけた冒険者パーティーである、
当時はBランクのパーティーだった、
荷物持ちとして呼んだデュランダルのメンバーはシルフィードに全ての荷物をもたせた、
そのままオークの群れに立ち向かおうとしたがシルフィードの魔法で一掃された、
更にそこに現れたオークキングに逃げ出そうとしたデュランダルのメンバーだがシルフィードの魔法で一瞬にしてオークキングは殺された、
全てのオークとオークキングを収納したシルフィードはデュランダルのメンバーを見て首をかしげていた、
なぜならシルフィードの魔法が次元が違いすぎて思考が追いついていなかったからだ、
そんなこんなで終わったオーク討伐、
報酬はいらないというシルフィードに罪悪感を抱くデュランダルのメンバー、
そしてデュランダルのメンバーはAランク冒険者になった、
しかし罪悪感があるデュランダルのメンバーはシルフィードのランク昇格をバーボルトに提案した、
先ほどの依頼のことを説明した、
バーボルトはそれを聞いてシルフィードのランクを昇格することに決めた、
シルフィードのランクの昇格後も時々デュランダルのメンバーと交流した、
時に食事をしたり、
時に依頼を一緒に行ったりと、
シルフィードが疑問をディノンに聞くと、
「さっき戻ってきた、
それよりシルフィード、
すまないがグレッグに治癒魔法をかけてくれないか?」
「いいよ、」
シルフィードは相当してからキツネ耳と尻尾を出す、
シルフィードを知らない冒険者が驚く、
少女にキツネの耳と尻尾が出てきたからだ、
シルフィードはグレッグに近寄り治癒魔法をかける、
一瞬のうちにグレッグの体についた傷が消えていく、
「これでいいよグレッグさん、」
シルフィードが治癒魔法を終えるとグレッグは包帯を外す、
傷が消えていた、
「ありがとうシルフィード、
これで明日からの依頼に行ける!」
「俺からも礼を言う、
ありがとう、」
ディノンや他のメンバーも感謝の言葉を言う、
「大したことしてないよ、
それじゃあ私は行くね、」
シルフィードはそう言ってサーシェの元に向かう、
「サーシェさん、
終わりました、」
シルフィードは緑色の冊子をサーシェに渡す、
「いつもありがとね、
待ってて、
今報酬を渡すから、」
サーシェは受付から離れる、
その間にディノンがシルフィードのところにくる、
「シルフィード、
あのことはやっぱり無理か?」
「うん、
私はどこのパーティーにも入らないよ、」
ディノンはレイクリードから戻ってきたシルフィードをよく自分のパーティーに誘っている、
実力もあり、
信頼している、
そう言った理由で誘っている、
「そうか、
だが他のパーティーもシルフィードを誘うと思う、
無理やりくるかもしれないから気をつけて欲しい、」
「ディノンさん、
ありがとうございます、」
シルフィードが礼を言うとディノンは離れていった、
それと同時にサーシェが戻ってきた、
「お待たせ、
これが今回の報酬ね、」
サーシェは白金貨を2枚渡す、
「ありがとうございます、」
シルフィードは収納魔法で白金貨をしまう、
そのあとシルフィードはサーシェに別のところに行くと言ってギルドを後にした、




