シルフィードVSワイバーンの群れ 1
お待たせしました、
老婆は腕組みをしてアスカレイヤを見る、
ここに姫がいる時点でただ事ではないのだから、
老婆がシルフィードに視線を移そうとしたらシウルがくわえている鎖が目に入った、
老婆は鎖の先を見ると6人の男が縛られていることに気付く、
「シルフィード、
この男どもはなんだ?」
老婆は男達に指を差しながらシルフィードにそう聞く、
「アスカちゃんを攫おうとした人達です、
とりあえず気絶させました、」
老婆は男達に近づいて顔を確認する、
「・・・誰かこの者達に見覚えはないか?」
老婆が周りの冒険者に聞く、
冒険者は互いを見ては首を横に振る、
誰も知らないようだ、
「シルフィード、
この男達を起こしてくれぬか?」
老婆はシルフィードに言うとシルフィードは頷いて男の1人の頬を軽く叩く、
男は小さく呻きながら目を開ける、
途端、
「何がどうなっている?」
そう言った、
老婆は男に近づいて、
「なぜ縛られているかわかっておるな、」
「ギルドマスター!?」
男は驚く、
老婆は気にせず続ける、
「さて、
なぜアスカレイヤ姫を攫おうとした?」
男は何も言わない、
シルフィードは考えている、
なぜアスカレイヤ姫が城から抜け出したことを知っているのか、
考えられることは1つ、
幽霊さんと話した事と今自分が考えたことをまとめて口にする、
「お城の中に情報を漏らしている人がいる、」
シルフィードの言葉は老婆にも届いていた、
「どういうことだいシルフィード?」
「アスカちゃんがお城の中から抜け出した際にも思ったの、
兵士さんに見つからずに抜け出せるものなのかなって、
お城に入った時に兵士さんの見取り図を見せてもらったの、
巡回経路も書かれてたけどその時の兵士さんは巡回経路にいなかったの、
まるでアスカちゃんをわざとお城から抜け出させるために、」
老婆は難しい顔をする、
アスカレイヤは驚きの顔をする、
「私がお城を抜け出すことが作られたことなのですか?」
「うん、
その証拠にこの人達はお城の近くから私達の後をつけてたの、」
男は驚く、
後をつけていたことがばれていたことに、
「きっとアスカちゃんが受けだしとことを確認した兵士さんが外にいたこの人達に何かしら合図を送ったと思うの、
だからお城から私達の後をつけれた、」
シルフィードは男の前に再び立つ、
「教えて、
アスカちゃんの誘拐を依頼したのは誰?」
男は口を開かない、
シルフィードは脅しをすることに慣れていないためどうすればいいか困っていた時に、
(シルフィ、)
突然念話が届いた、
(お待たせ、
だいたいの会話は氷龍から聞いた、
こいつの口を割らせるのは俺に任せてくれ、)
(はい、
お願いします、
師匠、)
幽霊さんはシルフィードの口に取り憑いた、
「喋らない・・・か、
ならこっちが一方的に喋らせてもらう、」
シルフィードの喋り方が変わったため周りの人が少し動揺する、
「あんたに依頼を出したやつは国王の側近の者だろ?
しかも国王の実印付きで、」
男は驚きの顔をしてシルフィードを見る、
アスカレイヤも驚愕の顔をしてしまい頭を混乱させてしまう、
「だがな、
実はその時の国王とその側近は偽物だ、」
「何馬鹿なことを!」
「本当さ、
だいたい実の娘を簡単に、
しかも偶然を装い奴隷商人に攫わせる用意周到な父親がどこにいる?」
男は何かを言いたそうな顔をするが幽霊さんは続ける、
「側近の顔を見たか?
声を聞いたか?
全身鎧で包まれていただろう?
おまけに顔も隠してた、」
男は思い出しているようだ、
幽霊さんは少し待つ、
そして、
「その通りだ、
そいつは全身鎧で包まれていた、
顔も隠していた、
声も聞いていない、
いきなり紙を渡された、」
「だろうな、
なんてったってそいつは人じゃない、
魔族だからさ、」
男もアスカレイヤも老婆も周りの冒険者も、
そしてシルフィードも全員驚愕の顔をする、
「おそらく魔族はこの国を乗っ取るために国王をどこかに監禁、
王妃は病に見せかけて呪いを施して、
アスカレイヤを誘拐に見せかけてこの国から排除しようとした、」
幽霊さんは城で魔族が話していた内容を簡単に話した、
男は驚きの顔から一転、
悔しそうに唇を強く噛む、
「俺は魔族に利用されたのか、」
「そうだ、
奴隷商人として、
アスカレイヤを攫わせるためには丁度いいからな、」
幽霊さんがそこまで言うとシルフィードから離れた、
(師匠、
今の話は本当ですか?)
シルフィードが幽霊さんの方を向いてそう聞いてくる、
(あぁ、
そして、
おそらくその魔族とマクスウェルは戦っている、)
シルフィードはそれを聞いて大きく深呼吸をした、
そして、
「アスカちゃん!」
「は、はい!?」
シルフィードはアスカレイヤを呼ぶ、
突然呼ばれたアスカレイヤは声を裏返しながら返事をする、
「今からお城に戻るけどアスカちゃんはギルドの人に保護してもらって、」
「それは、
どういうことです?」
「今からマクスウェルおじいちゃんを助けに行くの、
だからアスカちゃんは安全なところで待っていて欲しいの、
向こうに行くと戦いになる、」
「でもシルフィは行くのですね?」
「うん、
私は冒険者だから、」
「でしたら私も行きます、
お父様が囚われているのでしたら私はその娘としてお父様を助けたいです、」
「私的には待っていて欲しいんだけど、」
シルフィードは頬を掻く、
「シルフィ、
もし置いていっても私はここを抜け出します、」
シルフィードはアスカレイヤの行動力を思い出してため息を吐く、
「わかったよ、
でもアスカちゃんは私のそばから離れないでね、」
「はい、」
2人が話し終えたことを見計らい老婆が声をかける、
「シルフィード、
わしらも行くぞ、
ついでに国王にでも借りを作ろうではないか、」
ある意味いい根性をしている老婆、
するとシウルがシルフィードに声をかけた、
「シルフィード、」
まさかシルバーウルフが喋るとは思わなかったのだろう、
老婆や周りの冒険者が驚く、
そんな周りを無視してシウルは続ける、
「外で待っている間に北から飛んできた鳥が言っていた、
ワイバーンの群れがこっちに来ると、」
シウルの会話を聞いていた老婆が渋い顔をする、
「シルバーウルフ殿、
申し訳ないがワイバーンの数を教えてくれぬかの?」
「詳しい数は聞いてはおらん、
その鳥はそう言いながら飛んで行ったのでな、
シルフィードが魔族の話をしたからもしかしたらと思い今話した、」
「魔族がワイバーンを使役していると?」
「そういう事だご老体、」
シウルが言い終わるとシルフィードが言う、
「私がワイバーンのところに行って倒してくる、」
冒険者達は呆れる、
ワイバーンの群れはAランク以上の脅威がある、
少女が簡単に倒せるやつではないからだ、
しかし老婆は、
「行ってくれるかえ?」
「うん、
みんなはお城の正面から行くんだよね、
私たちは高いところでワイバーンを倒した後別の入り口から入るね、」
シルフィードはアスカレイヤの手を引いてシウルに乗せて自分もシウルにまたがる、
「高い所ってどこです?」
「着いてからのお楽しみ!」
今からワイバーンを倒しに行くような雰囲気ではないシルフィード、
シウルは2人が乗った事を確認するとギルドの屋根に飛び乗る、
そのまま屋根から屋根へと渡り走る、
「行ったのう、」
老婆はシルフィード達を見送る、
「行かせて良かったのですか?」
「大丈夫じゃ、
あの子の目を見ていてわかったのじゃ、
あの子なら絶対にやれるとな、」
老婆はギルドに向かって歩く、
「野郎ども!
今から城に乗り込むぞ!
あたしが準備し終わるまでにお前らも準備を終わらせておけ!
いいな!?」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
冒険者達が一斉に返事をして準備に取り掛かる、
老婆は鼻歌交じりで装備を整えた。
今月もリアルでいろいろあるので更新が遅れるかもしれません、
ご迷惑をおかけします、




