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Bランクへ、

グダグダになった、

オーガ騒動から1ヶ月


春の風が吹いている頃、


シルフィードは今日も走っていた、


シルフィードにくる配達の指名依頼を終わらせるために、


また、採取の依頼もシルフィード指名の依頼が出てきた、


そのほとんどは半日以上かかる依頼だがシルフィードの場合わずか1時間弱しかかからない、


そのため緊急時の薬草切れなどによく指名される、


また、治癒魔法も使えるからEランクの治療院の手伝いにも行っている、


初めは子供でキツネ耳を出したシルフィードに疑惑の視線を送っていたそこの先生も無詠唱で治癒魔法を使い続けるシルフィードに尊敬の視線を向けている、


オーガ騒動のあと、


冒険者達はシルフィードの見る目が変わり時たま討伐の同行の声がかかる、


シルフィードはたまに一緒に行く、


そして必ず最速でシルフィードのパーティーは帰ってくる、


収納魔法を見せてからシルフィードは惜しみなく使っている、


そのため荷物はシルフィードが全て管理、


魔物もシルフィードが大方全滅させる、


傷ついたらシルフィードが治したり魔力を献上する、


冒険者達は何もしてないのにお金が入るため罪悪感がくる、


討伐した魔物もシルフィードはいらないと言うから更に罪悪感がくる、


お金に困っていないシルフィードはいらないとしか言えない、


オーガ騒動の時に入った討伐金とオーガ達の素材で白金貨15枚入ったがいまだに使っていない、


宿代と料理の研究をするための材料費しかかからない、


それに学園に入学してからどれくらい払えばいいかわからないため変に使えないのだ、


これまで貯めた金額はオーガ騒動の分を抜いて白金貨1枚と金貨3枚程しか貯まっていない、


それでもシルフィードは満足だった、


自分が頑張れば誰かが喜んでくれるから、


シルフィードは大体の仕事を終えてギルドに戻った、


ギルドに入ると受付越しにサーシェが声をかけてきた、


「シルフィードちゃん、

おかえり、」


「ただいまサーシェさん、」


シルフィードはサーシェに完了書を渡す、


その枚数はかなりの量だ、


「いつもありがとね、」


サーシェは完了書を受け取り確認をする、


サーシェの確認が終わるまでシルフィードはサーシェと話す、


2人は楽しそうに会話をしていると奥からバーボルトがやってきた、


「シルフィード、

ちょうどよかった、」


シルフィードが首をかしげる、


「それが終わったら来てくれ、」


バーボルトはそう言って奥へ戻っていった、


シルフィードとサーシェはお互いに首を傾げた、


サーシェの確認が終わるとシルフィードはサーシェとともにバーボルトの元まで向かう、


執務室の前まで行くとサーシェは戻っていく、


シルフィードはサーシェを見送ると扉をノックする、


「入れ、」


バーボルトがそう言うとシルフィードは扉を開ける、


「失礼します、」


そう言い部屋の中に入るシルフィード、


扉を閉めてバーボルトの近くまで行く、


「お前を呼んだのはランクについてだ、

お前をBランクにあげようと思う、」


シルフィードは首を傾げる、


幽霊さんも首をかしげる、


冒険者ギルドに登録してから低ランクの仕事しかしていない、


他の冒険者との同行についても評価はされない、


上がる理由がわからない、


「お前の昇格は他の冒険者とギルド職員が勧めてきている、

お前は知らなかっただろうが何回かBランク以上の討伐依頼に同行していたんだ、

その依頼を受けた冒険者達が口を揃えてお前がほとんど倒したと言っている、

戦利品もいらない、

慈善事業と言っていいだろう、

お前と組んだパーティーは罪悪感を受けていたぞ、

職員も雑務の仕事をほとんどはお前にやらせてしまっていいか悩んでいる、

お前は頑張りすぎだ、」


バーボルトは小さくため息を吐いた、


「お前自身頑張っているつもりはないだろう、

しかしお前の仕事量は大人顔負けだ、

正直言ってお前の仕事量と報酬が割りに合わん、

だから昇格をしようとお前を呼んだ、」


シルフィードは少し悩んでから言う、


「ショーカクのお話はお断りしてもいいですか?」


「・・・理由を聞いていいか、」


バーボルトはその答えが返ってくることを予想していたかのように冷静に質問する、


「師匠の言いつけです、

欲張るのはよくないと、

冒険者になれただけで幸福なのに更にランクも上がるのはおこがましいと私は思います、

私は今のままで十分です、」


子供らしかぬ答えにバーボルトは少し驚く、


「そうか、

だがこう考えればいいではないか、

もらえるものはもらっておこうと、」


バーボルトは少しニヤッと唇を釣り上げる、


「それにこの話は俺だけでなくて他の者の頼みでもあるんだ、

それにこれを受けてくれないと俺が後でみんなにとやかく言われる、

だから素直に受け取ってくれないか?」


バーボルトはシルフィードを見つめる、


(地味に脅しがかかっていますね、)


氷龍がボソリとつぶやく、


シルフィードは負けましたと言わんばかりの顔をする、


「わかりました、

ショーカクのお話を受けます、」


「ありがとう、

シルフィード、」


バーボルトは勝ったと言わんばかりの顔をしている、


シルフィードは苦笑いを浮かべていた、


バーボルトが手続きをしている間シルフィードは受付に戻っていた、


シルフィードは掲示板を見ているとバーボルトがやってきた、


「これがBランクのカードだ、

Bランクだからと言って何もしなくていいからな、

今まで通り仕事をしていけばいい、」


バーボルトはシルフィードの頭を撫でる、


ゴツゴツの手のひらがシルフィードには少し痛かったが少し嬉しく感じる、


その時にギルドの扉が開いた、


「バーボルトよ、

いるかの?」


マクスウェルがきた、


「ここにいます、」


バーボルトはマクスウェルの元に行った、


「すまないが指名依頼を出したいのじゃがいいかの?」


「大丈夫です、

内容を教えてください、」


バーボルトは紙と筆を取りに行く、


「護衛の仕事じゃ、

シルフィード殿を指名する、

時期は夏の日じゃ、」


シルフィードは顔をのぞかせる、


「夏の日、

学園の夏季休暇の時ですか?」


「そうじゃ、

隣国のレイクリードの王に会いに行こうと思ってのう、

それで毎回何人も冒険者を雇うのも嫌じゃからアレクの他に信頼していてわしよりも強いシルフィード殿に依頼を頼もうと思ってのう、」


マクスウェルはホッホッホッと笑う、


「そうですね、

シルフィードなら安心です、

子供に頼むことではないがシルフィードなら大丈夫だろう、

それでいいか、

シルフィード、」


バーボルトはシルフィードのいる方向を見て声をかける、


シルフィードは身を乗り出す、


「シルフィード殿もおったのかの、

聞いてのとおりじゃ、

なかなか他の国に行くことはないじゃろう、

シルフィード殿にとっては社会見学をしに行けば良い、

わしらは安全な旅をしたいからのう、」


シルフィードはまだ知らぬ国に行けることを知り目を輝かせる、


「シルフィード、

護衛の仕事を一度体験しておけばいい、

これからお前が色々な仕事をしていくだろう、

その一歩だ、」


バーボルトの言葉はシルフィードの胸にきた、


「わかりました、

その依頼を受けます!」


シルフィードは2人に元気よく言う、


2人は嬉しそうに微笑んでいた、


(レイクリード、

光の国か?)


幽霊さんはポツリとつぶやいた、

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