速さが売りです
冒険者登録から1週間、
シルフィードは走っていた、
理由はこの1週間にある、
その翌日から仕事を始めたシルフィードは幽霊さんと相談して一番したのランクのFランクの仕事から手をつけ始めた、
初めての仕事のため簡単な物から始めるよう幽霊さんは勧めた、
シルフィードが選んだのは荷物運びと猫探しだった、
この二つの仕事をして街の地理を覚える、
当分の間ここを拠点とするからだ、
地図に載っていない裏道や抜け道を探すことで逃走ルートを把握しておく、
ギルドに来た時に初日にいなかった冒険者と鉢合わせになりからかわれた、
しかしCランクとわかった瞬間受付嬢に猛抗議をした、
自分よりも弱そうな少女が自分よりもランクの高い人物だと納得がいかなかったんだろう、
受付嬢はシルフィードについて淡々と説明した、
今シルフィードのことを話している受付嬢はシルフィード専用の受付嬢となっている、
初日のことで負い目を感じているのかバーボルトの指示なのかわからないがシルフィードが受付するときはこの受付嬢となっている、
ちなみにこの受付嬢の名前はサーシェという、
サーシェの説明を聞いても納得のいかない冒険者はサーシェに掴みかかろうとするとシルフィードが止めに入る、
その騒ぎを聞きつけてバーボルトが出てきて冒険者に説明する、
バーボルトとマクスウェルの名前が出ると気まずそうな顔をする、
シルフィードに喧嘩を売ることはバーボルトとマクスウェルに喧嘩を売ることと同じなのだ、
引き下がろうとした冒険者にバーボルトは一言声をかける、
「一度シルフィードと戦ってみろ、」
冒険者は驚きの顔をしたが次第にニヤける、
バーボルトはシルフィードを見るとシルフィードは頷いた、
シルフィードと冒険者が奥に連れて行かれるとなぜかまた他の冒険者もぞろぞろとついていく、
そのあとはすぐに終わった、
試合開始と同時にシルフィードは冒険者の背後に回り首トンで気絶させた、
その時間わずか2秒、
バーボルトは周りにいた他の冒険者に気絶した冒険者を運ぶように指示する、
シルフィードは何事もなかったかのように仕事をしに行く、
なお、試合中周りの冒険者達はシルフィードが何秒で倒せるかという賭け事をしていた、
予想を上回る速さで倒したため誰も当たらなかった、
シルフィードが初めにした仕事は荷物運びだ、
依頼主のところに行くと初めは訝しんでいた、
荷物は樽には入った果物、
それを酒場まで届ける仕事、
シルフィードが子供だからできないと思った依頼主は少し不安そうだったがシルフィードは片手で樽を運び出した、
それを見た依頼主は口を開けたまま放心状態だった、
シルフィードはそんなことを気にせず酒場まで走り出した、
道中いろんな人がシルフィードを見たが皆が驚きの顔をする、
酒場まで着きドアを開けると皆が一斉にシルフィードを見て驚きの顔をする、
シルフィードは気にせずに酒場の店主に樽の置き場を聞くが店主も驚きすぎて放心状態だった、
放心状態から治った店主はシルフィードに樽の置き場を教えて依頼完了書をもらいシルフィードは出て行った、
シルフィードが出て行った後、
依頼主が慌ててきたが酒場はかなり静まり返っていたためうろたえていた、
猫探しの依頼主はシルフィードと同じ少女だった、
黒猫がいなくなったとのことで探して欲しいとのこと、
シルフィードは足から伝わってくる振動で猫を探そうとしたが幽霊さんはそれを止めた、
猫は足音が他の動物より小さい、
また伝わってくる振動も小さいため人の歩く振動でかき消される、
シルフィードは屋根に駆け上り見下ろすように黒猫を探した、
一通り探してから次は地上に降りて探す、
地上に降りた時に周りの人たちに驚かれたがシルフィードは気付かなかった、
塀の上から穴の開いた木の壁、
下水管まで探してようやく見つけた、
木の上に登っていて降りれなかったらしい、
シルフィードは飛んで猫を捕まえる、
猫は少し衰弱していたため魚の切り身とミルクを与えた、
その後少女の元の行き黒猫を引き渡して依頼を終わらせた、
その後ギルドに戻り報告、
お金を受け取るとまた荷物運びを受ける、
それを1週間行う、
なぜかシルフィードに対する指名の依頼が荷物運び限定でくるようになった、
理由として大人が両手で抱えるくらいの量の荷物を片手で運び更にすぐに目的地までつくからだ、
割れ物でもキツネ耳と尻尾を出して収納魔法を使って運ぶため傷一つつかない、
そんな安全で速いシルフィードの荷物運びはすぐに有名になり指名されるくらいになった、
さらにシルフィードの容姿が可愛らしいため声援を送る人も増えた、
他の冒険者からは荷物運びしかできないと馬鹿にされるがギルド職員からは溜まっていた雑務が減っていって密かに感謝されていた、
シルフィードは荷物運びの最中いろいろな抜け道を見つけて頭に記憶した、
更に時間ができたら家の草むしりから買い出しの代行まで手を広げていく、
壁の修理に関して魔法を使う際にキツネ耳と尻尾を出して驚かれたが修復された壁を見て予想以上の強度と美しさから驚きを忘れられて感謝された、
この1週間はそんな感じで動いていた、
他の冒険者からは陰口を叩かれるがギルド職員からはものすごく感謝をされた、
バーボルトもなぜか感謝していた、
後でわかったがFランクの仕事がたまりすぎるとギルド職員が出てそれらをするとのこと、
だが仕事が減らず増えていく一方だったためシルフィードが仕事をしてくれて心の底から感謝をしている、
それからまた1週間、
シルフィードはまた走っていた、
シルフィード指名の依頼が大量にありそれを全て消化させるためである、
午前中に全て終わらせてギルドに戻る、
大量の完了書を持って来たシルフィードにサーシェはニコニコ顔であった、
この2週間で溜まった金額は金貨3枚程、
雑務はそれだけ人気がないのだ、
次の仕事は幽霊さんの希望で街の外に出る仕事にした、
Eランクの仕事で薬草の採取があったためそれをすることになった、
薬草に関してサーシェに聞き図鑑で形と色を確認、
またサーシェにどこらへんに生息しているか確認する、
シルフィードはそれらを全て頭に叩き込み街の外に出て行く、
その時に慌てて誰かが街に入って行ったがシルフィードは気にしなかった、
少ししてギルド内に慌てて入る男の姿を目撃する、
サーシェは急いで駆けつけると男はこう言った、
「近くの森にオーガの群れを目撃した!」
サーシェはその言葉を聞いて急いでバーボルトの元に行きそのことを伝える、
バーボルトはすぐに全冒険者を招集した、
その時にサーシェは思い出したような顔をした、
シルフィードが向かったところとオーガの群れ場所が同じところだと、
オーガはいわば鬼、
討伐ランクはCランクと意外と高い、
群れとなるとBランク相当になる、
サーシェは急いでバーボルトにシルフィードのことを話すもバーボルトは何も言わなかった、
1人の少女より街の人の命が重いからだ、
冒険者たちが揃うとバーボルトを先頭に街の門まで移動を始める、
そして皆が門までくると突然遠くの方から大きな竜巻が見えた、
バーボルトたちは驚き立ち止まる
竜巻が消えると静寂が辺りを包む、
バーボルト達は再び動き出した、
門をくぐると空から何かが降ってきた、
ビチャッっという生々しい音が響く、
バーボルトは恐る恐る落ちてきたものに近づくとそいつはオーガだった、
全身血まみれですでに息絶えていて、
竜巻が現れるちょっと前
シルフィードが走っているとオーガの群れに正面から遭遇、
オーガはシルフィードを見つけるとニヤけたように口元を歪めてシルフィードに掴みかかる、
シルフィードは自分の身長の3〜4倍あるオーガに向かって走り出す、
そして大きく跳びドロップキックをオーガの胸にお見舞いする、
オーガはドロップキックをくらい胸骨を砕かれて心臓に骨が刺さり息絶える、
シルフィードは地面に着地してキツネ耳と尻尾を出して風魔法のサイクロンを無詠唱で使い竜巻を発生させる、
だが魔力を大きく使いサイクロンがかなり大きくなった、
オーガは後ずさりするもサイクロンが高速で迫ってきて逃げることができなかった、
オーガは次々に飛ばされて行ってシルフィードはその間にサイクロンを免れたオーガの首を真空波で切っていく、
ボトボトと落ちていくオーガの首、
飛ばされて落ちて体がグチャグチャになるオーガ、
大体の数が減り残りのオーガが降参するかのように土下座する、
シルフィードはオーガに近づいて言う、
「私は襲うものを殺すけど襲わないものは殺さないよ、
でも次はないよ、」
言葉が通じたのか残りのオーガ達は一目散に逃げて行った、
大体3割もいかないくらいの数になったオーガはそれ以降バークリートを襲わなくなった、
だが今のシルフィードは知らなかった、
オーガが降参した理由は最後に首を落としたオーガがオーガキングだからであると、
シルフィードはオーガ達を収納魔法で収納していく、
そのあと薬草の生息場所まで走った、
バークリートの門ではバーボルト達が落ちてきたオーガの死体を見て硬直していた、
少ししてバーボルトが偵察を冒険者に依頼する、
数人の冒険者が前に出て走ろうとすると前からキツネ耳の少女が走ってきた、
バーボルトは冒険者に止まるよう指示する、
バーボルトが前に出る、
キツネ耳の少女がバーボルトの前に止まる、
「シルフィードか?」
「はい、
そうです、」
シルフィードが耳をピクリと動かす、
「向こうにオーガの群れがいたと思うんだが見なかったか、」
シルフィードは首をかしげると思い出したこのような顔をする、
「もしかして・・・この魔物ですか?」
シルフィードは隣にオーガの死体の山を出した、
バーボルト達は驚きの顔をする、
数が多すぎる事と1人で倒したことに、
バーボルトはオーガの死体の中に一際目立つ死体があった、
他のオーガとは違い大きい、
バーボルトはその死体の頭部を探した、
そして見つけて驚く、
「オーガキング・・・」
バーボルトの言葉に冒険者達が驚く、
オーガキング、
オーガの王、
大きさも力も速さもオーガとは格段違う、
ランクはAランク相当になる、
それが首を切られて死んでいた、
「シルフィード、
全部お前が倒したのか?」
「うん、
いきなり襲われたから返り討ちにしたの、
そしたら他の魔物は降参して逃げて行ったの、」
冒険者達が唖然とする、
「・・・そうか、
このオーガ達はこちらで買い取るがいいか?」
バーボルトがシルフィードに言う、
「いいですよ、
それじゃあギルドに持っていきますね、」
シルフィードはオーガをしまい街の中に入って行った、
バーボルト達は静かに見送った、
ギルドに入ったシルフィードはサーシェに抱きつかれた、
シルフィードは訳が分からず抱きしめられている、
サーシェが落ち着いてシルフィードは薬草を渡した、
サーシェは驚いた、
早く薬草を取りに行ったからだ、
「私の売りは速さだもん、」
シルフィードは笑顔で答えた、




