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盗賊

残酷描写が含まれています!

街を出て2日目


シルフィード一行は中央王国バークリートに向かっている最中である、


魔法学園の学園長のマクスウェル・メーテル・ホールと見習い騎士のアレク、


3人はバークリートの途中にある小さな村に立ち寄り物資の補給をしてシルフィードの収納魔法で収納している、


買い物はマクスウェルとアレクに任せてシルフィードはその後ろについていく感じで歩いている、


シルフィードの住んでいた街には無い色々な物が売られていてシルフィードの興味が尽きない、


幽霊さんはその間あたりを散策してこのあたりの情報収集している(盗み聞き)


ある噂好きの主婦からはここからバークリートに向かう街道には盗賊が出て、


ここに向かっていた商人が襲われたとのこと、


数はわからないが商人の護衛の雇われた冒険者数名が重症、


残りの冒険者は軽症だが数日は活動ができない状態、


酒場にいた冒険者からバークリート周辺に大きな狼の魔物の目撃情報があったと、


被害は出ていないがバークリートは周囲を警戒しているようだと、


街の衛兵からは最近バークリートから遥か南、


早馬で1カ月くらいの場所に関所がありその関所の向こう側から魔族領となっている、


その魔族領から大量の魔物が押し寄せてきたとのこと、


幸いその関所は強固でそれくらいではびくともしなかったとのこと、


しかしなぜいきなり大量に押し寄せたか謎とのこと、


大体の情報を手にして3人と合流した、


盗賊以外は特に注意することは無いとマクスウェルは言う、


そのまま3人はその村にある宿屋に泊まった、


翌日


村を出て行こうとしたところ商人と冒険者に声をかけられた、


なんでもこの商人は前回盗賊に襲われたとの商人とのこと、


マクスウェルがこの街にいる情報を手に入れて声をかけたのだろう、


冒険者は女3人男3人といったパーティであった、


冒険者もまだ包帯を巻いていて痛そうにしていたためシルフィードはアレクの影に隠れてキツネ耳と尻尾を出して瞬時に冒険者の背後に移動する、


そのまま治癒魔法をしする、


冒険者は背後で気配を感じたため振り向きシルフィードを見て驚く、


いつの間に背後にいたのか、


なぜ狐族がいるのか、


そのような目をしていた、


他の冒険者も背後を見て驚く、


冒険者の傷が全て治ってからすぐにマクスウェルの元に戻る、


商人はキツネ耳のシルフィードを見て驚く、


そしていやらしくニヤついた、


シルフィードが売れると思ったのだろう、


獣人は問答無用で奴隷になってしまうこの世界、


狐族はかなり珍しく狐族の里は見つかってない、


シルフィードはかなりの金になると思われている、


マクスウェルは商人に対してきつい目つきになり言う、


「わしらはこの子に恩があるのじゃ、

もしこの子に何かしてみるがよい、

わしのすべての力を使ってお主を地獄より恐ろしい目に合わせてやるぞ、」


そう言いマクスウェルは魔力を周囲に出して商人を威圧する、


アレクも剣に手をかけて抜刀の準備をする、


商人は顔を真っ青になり尻餅をつく、


冒険者達もマクスウェルの魔力量に何もできなくなる、


「わしらに何もしなければそなたの護衛を引き受けよう、

しかし少しでも妙なことをすると・・・わかっておるな?」


商人は激しく首を縦にふる、


マクスウェルは魔力を抑えてにっこりと微笑む、


シルフィードは馬車に乗り込む、


アレクは馬を操り、


マクスウェルは商人に一礼をして馬車に乗り込む、


商人は急いで冒険者に馬車と馬を取りに行かせた、


商人の準備ができた頃アレクは馬を走らせた、


商人も馬を走らせる、


しかし荷物を大量に乗せている商人と最低限しか載せていないシルフィード達では馬の進む速度が違う、


アレクは馬にゆっくり進むように指示する、


シルフィードはその間アレクに話しかけていた、


主にターニャのことを、


アレクは正面を向いていて興味無いふりをしているが聞き漏れが無いようにしている、


3時間くらい走って昼食にした、


シルフィードがすぐに火を起こしてスープと肉と野菜のサンドイッチを作る、


幽霊さんはあたりを見回っている、


商人の方は水と干し肉といった寂しいものだったためシルフィードは冒険者と商人の分のサンドイッチを作り渡した、


初めは驚いていた商人もサンドイッチを一口食べれば勢いよく口に頬張る、


冒険者達も一気に食べ尽くした、


幽霊さんは帰ってきて特に怪しいものはあたりにいなかったことをマクスウェルに報告する、


少ししてシルフィードは火を消して跡かたずけをする、


そしてまた移動する、


ずっと座っていられなくなったシルフィードは馬車の横に降りて走り出した、


走るたびに尻尾が揺れてスカートがめくり上がる、


夜まで何もなかった、


夜は幽霊さんと3人の誰かという形で行うことになった、


向こうは冒険者が2人で見張って1人ずつ交代といった形になっている、


ついでにアレクは幽霊さんが見えないので異常に気が付いたらシルフィードに憑依して知らせるようにしている、、


その夜は何もなかった、


次の日、


シルフィードが朝早くから朝食を作っている、


それを見ている女の冒険者達、


シルフィードの作る料理が珍しいようだ、


朝食はオムレツとサンドイッチ、


女の冒険者が食い入るように見るためシルフィードは少し小さめだがオムレツとサンドイッチを作ってあげるとすごく喜ばれた、


馬を走らせること数時間、


幽霊さんはマクスウェルに耳打ちをする、


(左側に数人の人がいる、

気をつけてくれ、)


マクスウェルは頷いてアレクとシルフィードに言う、


シルフィードは後ろについてくる商人と冒険者にそのことを伝える、


商人は険しい顔をして頷く、


冒険者は武器を手に取り備える、


シルフィードは自分の馬車に戻ってマクスウェルに聞く、


「おじいちゃん、

もし盗賊が来たら殺しちゃっても大丈夫なの?」


マクスウェルは少し悩んでから答えた、


「そうじゃな、

馬車を襲う時点でそのものは罪を犯したことになるからのう、

殺しても構わんができれば数人生け捕りしてにほしいのう、

その盗賊に尋問しないといけないからのう、」


シルフィードは頷いた、


その途端、


馬車が急に泊まった、


マクスウェルは窓から顔を出して馬車の前方を見る、


数人の男と1人の女性が立っていた、


後方からは剣撃が聞こえる、


どうやら挟み撃ちにあったようだ、


「そこの馬車!

今すぐすべての荷物と女を置いていけ!」


女性がシルフィード達に向かってそう叫ぶ、


幽霊さんは現状を把握するために上空に飛び現状を把握する、


後方に2人の盗賊らしき人物が冒険者を襲っている、


どうやら冒険者を主力と考えて後方に誘い出して残りの多数勢力でシルフィード達を人質にする作戦のようだ、


盗賊のブレインはあの女らしい、


しかも後ろの盗賊は意外と強いらしい、


冒険者5人で未だに倒せないみたいだ、


マクスウェルは馬車から降りた、


アレクも降りた、


「もう1人、

狐族の少女もだ!」


シルフィードはすぐには降りなかった、


ワンピースの下に鎖を巻いていた、


「早く出てこい!」


女は怒鳴るように言う、


シルフィードはゆっくりと馬車から降りた、


盗賊の数を確認、


女1人、


男5人、


「姉御!

本当に狐族の小娘でっせ!」


盗賊の1人が女に言う、


「早まるんじゃないよ、

まずはあのイケメンとじじいをやるよ、

その後にあの小娘を生け捕りにしようじゃないか、」


向こうはそう言っている、


幽霊さんはシルフィードに近づいて、


(シルフィ、

今から殺しの手本を見せる、)


シルフィードにだけ聞こえるように言う、


シルフィードの耳がピクリと震える、


(苦しめて殺すことは外道のやることだ、

殺す時は一瞬で殺せ、

それが殺す側にできる最大の慈悲だ!、)


シルフィードはゆっくりと頷く、


幽霊さんはシルフィードの手足に取り憑き手の指を曲げ伸ばしする、


(女の方は殺すな、

気絶させるだけでいい、

男2人は俺が殺る、

後は自分で殺ってみろ、

殺す感覚はこの瞬間に掴め、

命の重さも尊さもこの瞬間に全て知るんだ、

行くぞ!)


幽霊さんは走る、


その速度は一瞬で一番遠くの男の懐にいた、


幽霊さんは右手の掌をピンと伸ばして手刀を作る、


そして一瞬にして男の首に手刀を縦に突き立てる、


そのまま指を曲げて骨に引っ掛けてそのまま引き抜く、


その動作を一瞬で行う、


骨が砕けて男は口から血を吐く、


他の男達は気付いていない、


幽霊さんは次に近くにいた男の背後に移動して氷龍の力で氷の台を作る、


男の顔に手が届くような高さになると右手を男の顔の前を通るようにして左耳の穴に入れて、


左手を男の後頭部を通るようにして右耳にいれる、


そして、


勢いよく右手を右側に、


左手を左側に引っ張る、


骨の折れる音が響き、


男の顔が時計回りに90度以上回る、


男の死ぬ瞬間の顔は下卑た笑みだった、


(ここからはシルフィ、

1人で殺るんだ、)


シルフィードは頷くと幽霊さんはシルフィードから離れた、


周りの男達は気付いた、


しかしシルフィードの方が早く動く、


スカート下から鎖を伸ばして一番近くの男の首に正面から巻きつける、


鎖が男の首に巻きついたことを確認、


そのまま男の後ろに跳んで回りこむ、


鎖を強く引き足を男の肩あたりに置き横から見たらトの字のような状態になる、


シルフィードは首の後ろを思いっきり踏みつける、


骨が砕けるような音が響きわたる、


男は後ろに倒れこむ、


残りの男達が動き出した、


正直遅すぎる、


鎖を緩めて男の首から外す、


シルフィードは近くにいた男の前に移動、


鳩尾を殴る、


男は体をくの字に曲げて口が開き二酸化炭素が吐き出される、


シルフィードは上顎と下顎に手を添えて思いっきり上下に開く、


あご骨と首辺りの骨が砕ける音と唇あたりの肉が裂ける音がする、


シルフィードは正面から男の血を浴びる、


最後の1人の男はナイフでシルフィードを襲おうと向かってこようとしている、


シルフィードはその男を指差して指を横に振る、


その瞬間男の首が飛び体は地面に倒れる、


風魔法で真空波を作り男の首を狩ったのだ、


女は尻餅をつき震えている、


後方の馬車からまだ剣撃が聞こえるためシルフィードは瞬間的に移動して無力化してくる、


冒険者は驚き唖然とする、


幽霊さんが突っ込んでからシルフィードが後方の盗賊を無力化するまでその時間は20秒もかかっていない、


「な、なんだってんだい?

何が起こったっていうんだい?」


女は震えながらボソボソとそう呟く、


シルフィードは女の後ろに周りの首トンで気絶させる、


シルフィードは水魔法で自分の頭上に水球を作りそのまま自分に頭から落とす、


体や服についた血が少し落ちた、


シルフィードは気絶させた女を抱えて馬車に戻る、


「終わりました、」


いつものように言うシルフィードだがマクスウェルとアレクの反応はかなり違っていた、


アレクからしたら少女が一瞬で大人の男を殺したことに恐怖を覚えている、


マクスウェルは幽霊さんが教えた殺しの仕方が無慈悲で残酷に見えたのだ、


(マクスウェル、)


幽霊さんはマクスウェルに声をかけるとマクスウェルは少し遅れて反応する、


(俺の師匠の教えでな、

殺す時は一瞬で殺せと言われた、

苦しませながら殺すことは命をもてあそぶようなものだと言われた、

残酷な殺し方かもしれないがこれが苦しませずに殺すということなんだ、

それが殺す側の最大の慈悲なんだ、)


幽霊さんの言葉はマクスウェルに響いた、


命をもてあそぶ、


シルフィードは命をもてあそんだか?


真剣に相手を苦しませずに殺した、


幽霊さんの言葉をちゃんと守り殺しを楽しんでいない、


(もし軽蔑するならシルフィじゃなく俺を軽蔑しろ、

俺が殺し方を教えたんだ、

シルフィはそれに従って行ったんだ、)


幽霊さんが言うがマクスウェルはそんなことしないというように首を横に振る、


「幽霊殿、

一瞬でもお主を軽蔑したわしを許してほしい、

お主はシルフィード殿にこの世で生きていくために殺しを教えた、

それは間違ってはおらぬ、

わしも教えていたであろう、

だからお主を軽蔑するなどということは恥と言うものだ、」


マクスウェルは幽霊さんに小さく頭をさげる、


幽霊さんはその言葉を受け止める、


そしてシルフィードを見た、


(シルフィ、

何を知った?)


シルフィードは女を地面にゆっくりと下ろして幽霊さんの方を見る、


「・・・人は簡単に死んじゃうことです、

命は簡単に壊れることです、」


シルフィードの声が震えてくる、


「命を壊したらもう治すことができないことです、

その人の残りの生活を終わらせることです、

その人の幸せを奪うことです、

その人の・・・」


シルフィードの目から涙が溢れて顔をうつむかせてしまう、


「・・・その人の・・・生きたいって・・・気持ちが・・・死にたくないって気持ちが・・・私に伝わってくることです、」


シルフィードはそこまで言うと本格的に泣いてしまいマクスウェルに抱きつく、


幽霊さんは抱きしめてやれない自分の体を恨む、


マクスウェルは優しく頭を撫でている、


アレクはシルフィードに近づいて頭をさげる、


「すまない、

本当は私が戦わなければならないはずが何もできず、

シルフィード殿に恐怖を覚えてしまった、

シルフィード殿は私たちを守ったはずなのに感謝すらしなかった、

だからすまない!」


自分より強い少女が初めて人を殺した、


圧倒的で一瞬に殺したことに覚えた恐怖は今はなく今あるものは後悔だ、


初めてシルフィードと会ってから守られてばかりだからだ、


シルフィードは涙を拭きアレクを見てまだくしゃくしゃの顔で頑張って笑って見せた、


「アレクさん、

ありがとうございます、」


アレクはその言葉を聞いて少し救われたような気分になった、


その光景を冒険者達と商人が困惑の顔で見ていた。

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