〜 番外編 〜 最後の日常
番外編です
1年目記念に書きました、
幽霊さんが異世界に行くその日の出来事を書きました、
これからも宜しくお願いします
このお話は幽霊さんがまだ彼だった頃のお話
彼side
いつものように授業を受けてつまらない会話を聞いている、
それが当たり前になっている日常、
俺は寝ていた、
理由は眠いからだ、
それ以外何がある、
先生は注意をしない、
別に問題児ってわけでは無い、
その理由は俺の成績がいいからだ、
ぶっちゃけ小学校の授業を受けているみたいだ、
師匠達からここまでの範囲を小学校在住に覚えさせられた、
それをもう一度聞くのは忘れていない限り意味が無い、
更に、
この教師の教え方が師匠より下手だから、
俺は寝続けた、
気の抜けるチャイムがなり俺は机から身を起こす、
たゆんたゆん
「ちー」
変な効果音とよくわからん女の声が聞こえた気がしたため辺りを見渡す、
たゆんたゆん
「ざー」
どうやら背後から聞こえてくる、
机を避けているためか変な効果音が更に拍車をかける、
たゆんたゆんたゆんたゆん
「ねー」
俺は体を後ろに向けながら思わず小さいため息を吐いた、
たゆんたゆんたゆんたゆん
「くん!」
俺が振り向いたと同時に女の声が俺の目の前から聞こえてきた、
真っ先に目に入ったのは制服越しでもわかるくらいの巨乳、
大きさはメロンを超えているだろう、
「茅座根くん!
お昼一緒に食べよ!」
女の声に思わず思った
「もう昼か、」
俺は教室の時計を確認した、
うん、長針と短針が12を指している、
「ね、ね、
一緒に食べよ!」
女は、
いや、年齢的には女の子か、
体はグラビア顔負けだけど、
長い黒髪、
大和撫子を連想させる、
そのくせ顔は綺麗より可愛いときた、
頭の中は今日もお花畑らしいが
女の子は俺を昼食に誘っている、
いや、女の子って呼んでいると失礼だな、
この子にも名前はある、
「芳賀月、
そう急かさんでも食うから落ち着け、」
この巨乳は芳賀月音恋
ネコの名前とは裏腹にやたら俺にすり寄ってくる、
無駄に後ろから抱きついてきたり、
腕に胸を押し付けたり、
先に言っておく、
俺と芳賀月は高校で会うのが初めてだ、
昔っからの幼馴染とか
お隣さんとかじゃ無いからな、
芳賀月とはこの高校に入学した直後からこんな感じだ、
正直、今でも戸惑っている
「うん、行こ行こ!」
芳賀月はそう言い俺の手を引っ張って教室から引っ張り出す、
芳賀月は気付いてないかもしれないが芳賀月が俺の手を引っ張った時、
手が胸に押し付けられとったぞ、
ポーカーフェイスを保ち
手の指を動かさなかった俺を褒めてやりたい、
芳賀月に引っ張られた俺は食堂に着いた、
「茅座根くん!
座って座って!」
芳賀月は俺を食堂の席に着けさせる、
ついでに、
茅座根って言うのは俺の偽名だ、
茅座根凛
この偽名はある、
ついでにチザネリンは薬の名前、
効果は筋肉の運動に関係している脳・脊髄にはたらきかけて、神経の過度な興奮を鎮め、筋肉の痛み、こわばり、緊張を解消する薬、
だったかな?
俺は席に着いた、
芳賀月は俺の隣に座る、
「ふっ、ふっ、ふっ、
茅座根くん!
今日こそ美味しいと言わせてやるんだから!」
そう言って芳賀月はどこからか二つの可愛らしい布の包みで包まれた物体を取り出した、
想像できているだろうが弁当だ、
芳賀月は二つの包みを開けた、
更に弁当の蓋も開ける、
中には色とりどりの料理が入っている、
「さぁ!
食べて食べて!」
芳賀月は箸を渡す、
俺は手を合わせてから箸を取り弁当の中身を食べる、
隣で箸を持ったままの芳賀月が俺を心配そうに見ている、
そして、
「・・・普通、」
それを聞いた芳賀月は
「むー!
今回は結構自信作だったんだよ!」
そう言って自分の分の弁当を食べ始めた、
実際は初めて渡された時よりかなりうまくなった、
しかし、
それを口にすると芳賀月はそれで満足してしまい更に上へと行く努力をしないと思うからあえて口にしなかった、
芳賀月は美味しそうに食べている、
すごく幸せそうな顔だ、
俺は残りを食べようとしたが、
「おー音恋、
ここにいたか、」
背後から爽やかな印象の男の声が聞こえた、
俺と芳賀月は振り返るとイケメンがいた、
それも笑顔で、
なんだろう、
ものすごくあの顔を殴りたい、
「あれ?
山里くん、
どうしたの?」
芳賀月がこのイケメンにそう聞いていた、
このイケメン、
山里隼
このイケメンフェイスでいくつもの女を堕としてきた、
告白された回数は俺の知っている限りではここに入学してから50回を超えている
短髪黒髪、
日本人だから当たり前か、
「どうしたって音恋を探していたんだ、
ここで食べないで向こうで食べよう、」
山里は食堂の隅を指差す、
俺と芳賀月はその方向を見た、
うん、女だらけだ、
しかもかなりの綺麗所だ、
思い出した、
どうでも良すぎて忘れていたけど、
山里の家は大手企業の社長の父と、
人気女優の母がいた、
ついでに言うなら金持ち、
裏では女癖が悪く手が早い、
更に芳賀月と昔からの付き合いらしい、
いわゆる幼馴染ってヤツだ、
「なんで?」
芳賀月は首をかしげる、
俺もそう言われたら首をかしげるだろう、
「なんでって俺が誘っているんだぞ、」
山里がおかしなことを言う、
頭がいい癖にかなりの自己中、
今の会話は翻訳すると、
俺が誘っているから来るのは当たり前、
ということになる、
どれだけ甘やかされたのか、
「どういう意味?」
芳賀月は意味がわからないって顔をしている、
こいつ本当に芳賀月の幼馴染か?
1年しか経ってないけど芳賀月の性格は俺でもだいたいわかったぞ、
ここは、「音恋と食べたいからこっちに来てくれ」と言わないと伝わらんぞ、
山里は俺に鋭く嫉妬の視線を向ける、
この程度の視線、
熊より強くないぞ、
山里はその後、俺の手元にある芳賀月の弁当に向けられた、
その後いやらしい笑みを浮かべる、
「茅座根、その弁当うまそうだな、
くれないか?」
そう言って懐から諭吉の紙が1枚出てきた、
俺は山里を見た後弁当を一気に食った、
「なっ!?」
山里は驚いている、
そして醜く顔を歪める、
ぶっちゃけ、
野郎と間接キスしたくないぞ、
それに芳賀月と諭吉を天秤にかけると芳賀月の方がいいだろ、
「おい!
お前、
音恋の弁当を普通と言っといてなんで食うんだ!?」
さっきの会話を聞いてたのか、
更にどういう理由で突っかかってくるんだ、
まぁいいか、
俺は全部食べた後弁当箱を芳賀月に返して山里に向かって言う、
「普通だからだよ、
別にまずいわけじゃないんだから食っても問題ないだろ、
芳賀月、
あんがとな、」
芳賀月は嬉しそうに笑顔になる、
その笑顔を見た山里は悔しそうに歯を食いしばり女だらけの席に戻る、
俺は食堂を後にした、
しかし、
山里があこまで絡んで来るのは珍しいな、
芳賀月のことが好きならあんなことせずに直接言えばいいのに、
そもそも女遊びをするなよ、
(ぼけたんかいなマスター、)
いきなり虎炎が話し出した、
何がだよ、
(マスター、
私も虎炎と同じ事を思っています、)
氷龍まで、
一体なんの話だ?
(それを思い出すんはマスターの仕事や、)
(芳賀月さんがなんでここまでするか思い出してください、)
あれ?
俺って責められている?
どうやっても思い出せない、
それに芳賀月とはここに入学してから出会った、
そのような子とは出会った事がない、
ムラムラした気持ちのまま放課後になった、
さてと、
今夜学校に忍び込むか
俺は家に戻った、
あんな事に巻き込まれるとは思いもしないだろう、
更に
俺は知らなかった、
1週間後
この学校で集団失踪事件があることに、




