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祭りの最中に、

雪が溶けてきた頃に、


酒場は夜にもかかわらず静かであった、


そしてその中では、


「みんな、

今日は集まっていただき有難うございます!」


シルフィードが皆に手を振りながら言う、


「私は明後日この街を出ます!

たまに戻ってきますが実質この街とはお別れです!」


シルフィード!達者でな!


元気でいてね!


寂しくなるぞ!


などと気の早いお別れの言葉をお客が言う、


そのお客は机を囲むようにしていてその机の上には色とりどりの料理が乗っている、


「ここで働くのも今日で最後になると思います!

それで最後に私の今までの料理で皆さんをおもてなししたいと思います!」


ウオーーーーーーーーーーーーー!!


なぜか歓喜の雄叫びが上がる、


「皆さん!

最後まで楽しんでいってください!」


シルフィードの言葉を合図に皆の手が料理に伸びた、


皆が味わうように食べる、


シルフィードはゆっくりと厨房に行き料理をする、


今回のお別れパーティーを考えたのはシルフィードだ、


今までお世話になった人達にお礼がしたいといった思いで今回のパーティーを行った、


それをガルドに相談したらここを使えと言ったため材料費はシルフィードが全て持つ条件で貸切になった、


参加費は家族で500ジェム、


銀貨5枚で参加できるようにした、


料理はバイキング形式で行う、


料理はシルフィードとガルドとターニャが作る、


配膳はタチアナとリグトルと愉快な仲間達がしている、


皆が料理を食べている、


子供連れでくる人もいれば恋人を連れてくる人もいる、


マクスウェルとアレクも食べに来ている、


更にオルソンとメリア、


カリンとフィンも来ている、


皆が美味しいと言って食べてくれている、


明後日からいなくなるシルフィードのために多くの人が来てくれた、


シルフィードは嬉しかった、


皆が喜んでくれるから、


パーティーは夜遅くまで行われた、


後片付けをしたら朝日が見え始めていた、


シルフィードはガルドの家の客間で熟睡した、


その顔は幸せそうに微笑んでいた、







幽霊さんside


シルフィが酒場でパーティーをしている最中俺と氷龍、虎炎はシルフィの部屋にいた、


(シルフィードは今頃送別会っぽいのしてるかな?)


俺は窓から外を見てつぶやく、


シルフィが自分で言ったため俺は何一つ助言をしなかった、


こうやって1人でやっていけるようになっていけば独り立ちも早くなる、


(それで、

マスターはなぜ私達をここに残すように言ったのですか?)


氷龍がいきなり本題に入ってきた、


シルフィに頼んで2人を置いて行ってもらった、


これはシルフィに聞かせるべきかわからないからだ、


(そうだな、

本題に入ろう、

氷龍、

そして虎炎、

お前らはこの世界のものだろ?)


俺は氷龍と虎炎に向かって言う、


2人は何も言わない、


俺は続けることにした、


(少しおかしいと思った、

俺が目覚める5年前に来たと言っていたがこの世界のことに少し詳しすぎる、

この家のことはこの街にいればわかるとして他の領に関して詳しかった、

教会にそのような噂話をしにくるところでは無い、

冒険者は教会に入ることはほぼ無い、

領主も教会に行ってない、

神父もシスターもそのような話をしない、

なぜウインディア領以外の領に詳しかったか、)


俺に説明してくれたときに気づくべきだった、


話が脱線しすぎて気づかなかった、


俺が来るまでずっと教会にいた2人がなぜ外の事を知っているか、


しかし、もう一つある


(もう一つあるぞ、

シルフが聖魔法の事を言ったときにお前らは驚かなかった、

俺に属性の事を話したのは2人だ、

俺はこう仮定した、

聖魔法の事を話しても使うことは無いと、

治癒魔法しか伝達してない事を知っていたから、)


なぜ聖属性の事を言わなかったかわかっている、


シルフィが2人をっ持った時、


聖属性に適合しなかったのだろう、


他属性は微かに適性があったのだろう、


それがわかったから話さなかったのだろう、


未だに沈黙を守っている2人、


虎炎が話さないとなぜか調子が狂いそう、


そう思っていると氷龍が口を開いた(口は無いけど)


(意外と鋭いのですね、

では私らが何者かわかったのですか?)


なぜか挑発するような言葉、


でもその言葉の回答も持ち合わせている、


(大体な、

師匠が言っていた、

最高傑作だって、

となると師匠達もこの世界の人、

しかも世界をまたぐことができる人物、

更に意思と人格のある物を作れるもの、

神様だ、

何の神様かわからんが物作りと武術の神様だろう、

氷龍と虎炎はいわば神の使者みたいなものだ、

それともう1人、

あのおばさんも神様だろう、)


白ひげのおじさんと黒ひげのおじさんの他にも白髪のおばさんがいた、


男ばかりの家の唯一の華?だった、


料理と裁縫はおばさんから教わった、


今昔の事を思い返すと神様っぽかった、


白ひげのおじさんの扱う鉱石はやけに固そうだったり近づきにくいような鉱石だったり、


黒ひげのおじさんは軽々と鉄の鉄板から戦車の装甲まで拳で貫くし、


おばさんの服や靴もいくら使っても綻びや破れがなくナイフすらも通さず、


更に何か力が湧いて出るようなものだった、


3人に聞いたら修行の賜物と言われた、


(正解です、

さすがグランドマスター達が育てた弟子ですね、

気付くのがまだ遅いと思っていました、

しかし私たちが神の使者とは格をあげすぎです、

言っていましたよね、

最高傑作だって、

私たちは所詮ただの傑作品です、

ですがグランドマスター達には人として見てくれました、

無論あなたも見てくれました、

マスターの言う通りグランドマスター達は神です、

武神、鍛治神、慈愛神です、)


氷龍の言葉使いが少し変わった気がする、


少し柔らかくなっているような感じだ、


(グランドマスター達は残り1000年の寿命を有意義に過ごすためにマスターの世界にやってきました、

先に言っておきます神にも寿命があります、

億単位ではありますが寿命があり私達も何度か神の死を見てきています、

グランドマスター達は残り1000年を異世界旅行としてマスターの世界に行きました

温泉で有名な世界ですので他の神も余命が少なくなるとよく利用します、)


俺の世界というより日本が温泉の国だからな、


人気なんだ温泉って、


神様が温泉ってなんかシュールすぎる、


(そして余命10年前にマスターと出会いました、

グランドマスター達にとっては暇つぶしの一つとしてマスターを保護しました、

しかし神同士は子供を産みません、

神は魂の輪廻転生して体を作られ魂と体が融合して生まれるからです、

まれに神が降りてきて人と交わり子をなすことがありますがその場合は子は神になることはなく類い稀な能力を持った子として人に育てられます、

いわば神童です、

グランドマスター達は自分の孫のようにマスターを育ててました、

いわばマスターは神に育てられた子です、)


氷龍がここまで話すのが久しぶりな気がする、


師匠の事が好きなんだな、


(グランドマスター達の最期は他の神とは違い幸せそうでした、

血が繋がっていないとはいえ自分の孫のように育てたマスターに看取られたのです、

グランドマスター達と念話で幸せそうにマスターとの出会いからその日までのことを走馬灯の様に言ってました、)


それを聞いて俺は嬉しかった、


師匠を幸せにできて、


(だいたいわかりましたか?)


(あぁ、

ところでなぜ虎炎は一言も喋らないんだ、

いつもならところどころ口出ししてくるのに、)


ずっと氷龍が話してるからさっきから疑問になっていた、


(大事な話の最中余計なことを言われたく無いのでかなり圧力をかけました、

こればっかりは脱線したく無いので、)


確かに、


虎炎が話すとかなり脱線してしまう、


すると、


(こらー!

うちをKYみたいに言うなー!

うちも大切な話の時はちゃんと真面目に言うわ!)


おぉ!


いきなり会話に参加して来やがった、


(マスター、

さっきの話の続きみたいなもんやけどな、

漫画や小説の様に召喚されて魔王など倒せと言われてないんや、

シルフィ育てながら元の世界に帰れる様ように頑張ろうな!)


なぜだろう、


虎炎が無理やり会話に入って最後の締めを持っていったような気がする、


氷龍もひっそりとため息をしたような気がする、


だが虎炎の言う通り、


魔王を倒せとか言われてないしゆっくり元の世界に帰れるように頑張るか、


師匠の墓参りやあいつとの約束を守らないとな、


俺は外を見ながらそう思った、

次で1章の最後です、

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