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大人の嘘

ガルドside


シルフィードを見送った俺は1人店内に残っていた、


カウンター内に入った俺はそこまで高くない酒を一本手に取りコップに注ぐ、


コップの中の酒を上から見つめてから一気に飲む、


胃の中に酒が入り体を一気に熱くさせる、


「フッ、」


思わず笑みを浮かべてしまった、


家族以外で笑みを見せたのはあいつだけだろう、


「俺らしくないな、」


臭いセリフを言ったものだ、


舌を噛んで死にたくなる、


ふと、昔の事を思い出してしまった、


俺はある村の庶民の出だった、


子供の頃は騎士になる事を夢見た事もある、


その村には巡礼騎士が月に2、3回くる、


その時に俺たち子供はその騎士に戦い方を教えてもらった、


子供の頃はそれが楽しみだった、


しばらくして転機が訪れた、


村がゴブリンの群れに襲われた、


魔王の脅威は無くなっても魔物の脅威は消えてなかった、


村の男たちは戦いに向かったが戦い方を知らない為に苦戦していた、


俺は両親に連れられて避難していたがその時にゴブリンが襲いかかってきた、


俺は手に持っていた木剣で応戦、


戦い方を知っていた為苦戦する事なく倒した、


その後、


両親を避難させた後、


俺も戦いに参加した、


特に苦戦はしなかった、


何人かの犠牲を出して戦いが終わった、


巡礼騎士が村に来たのはその戦いが終わった後であった、


騎士は村の惨状を見て青い顔をしていた、


村人の手当てと村の復興を手伝ってくれた、


その後、


村人の話を聞いたのだろう、


俺を騎士団に誘ったのだ、


だが子供の俺がすぐに騎士団に入れない為、


入隊年齢の15歳になるまで鍛えておいて欲しいと言われた、


子供の俺は疑う事なくそれを承諾した、


15歳、


俺は巡礼騎士に連れられてある城の騎士団に入団した、


はじめは腕試しだった、


先輩騎士との戦いだった、


あっさりと勝ってしまった、


その後、次々と先輩騎士と戦い続けてついには騎士団長にも勝ってしまった、


そこからが俺にとっての地獄だった、


新参者の俺が気に食わないのだろうか、


それとも新人に負けたのが悔しかったのだろうか、


理由は未だにわからないがいびりが始まった、


俺だけ訓練が異常になったり、


無謀な討伐を一人でさせられたり、


今数えたらきりがない、


ついには給金も他の新人騎士より大幅減らされていた、


俺は俺をここまで連れてきた巡礼騎士にその事を伝えに向かった、


巡礼騎士の部屋に団長がいた、


何やら大切な話をしていた、


そこで俺は知った、


俺は都合のいい存在だって事に、


ここの騎士団は他国の騎士団よりはるかに弱いらしい、


それは腕試しでわかっていた、


それでは魔物の討伐ですらまともに出来ない、


そんな騎士が他国の騎士に攻め込まれたら手も足も出ないだろう、


俺は戦力的に一人で騎士小隊分の戦力があると言っていた、


更に庶民の出だった為か捨て駒扱いだった、


当然ながらこんなところにいられなかった俺は辞任を出したが騎士団がそれを簡単には許さないだろう、


役に立つ駒兼いびりの対象がいなくなるのは腐った奴らにしたら面白くないのだろう、


辞任に条件がつけられた、


中隊分の騎士と試合をして無事に戦い抜いたら辞任を認めるとの内容だった、


負ければ奴隷契約をして一生この騎士団で飼い殺すとの事、


はっきり言ったら無謀な条件だったがそれを飲む以外の道がなかった、


俺は試合を行う事になった、


試合ははっきり言って俺の圧勝だった、


村を襲ったゴブリンの方がもっと強かったと思う、


俺は騎士を無事に止める事ができた、


すぐに冒険者ギルドに行き登録をした、


そこから地道に依頼をこなしたりパーティーと一緒に大型の魔物を討伐したりと充実していた、


強さを妬む者もいなかった、


4年半にはBランク冒険者になっていた、


冒険者にはランクがありFからSまである、


ついでにCランクから二つ名が付けられる事がある、


俺は『荒熊のガルド』だったな、


この体格が原因だったか?


恥ずかしい二つ名だ、


また笑みを浮かべそうになった時、


店の奥から足音が聞こえた、


「あなた、珍しいですねお店のお酒を飲んでいらっしゃるなんて、」


アリサが来た、


少し冷える様なのかショールを羽織っている、


「たまにはな、

それより、敬語をもうやめてくれ、」


「いいではないですか、

それに私はあなたの奴隷ですよ、」


「表面上はな、」


側から見たら爆弾発言をしているアリサ、


しかしこれには訳がある、


先ほどシルフィードにしてやった話が嘘になる程、


俺が20歳の時、


ギルドに突然依頼が舞い込んだ、


大規模の盗賊団が街を襲ったとの情報だった、


10、20の規模ではない、


50、


もしかしたら100を超えていたかもしれない、


ギルドでは名の売れた冒険者達を集合させて作戦会議をするほどだった、


その会議に俺も参加していた、


特に意見を言わずに終わった、


言う暇がなかったと言うべきか?


盗賊団のアジトは小さな砦みたいになっていた、


ただ、砦といっても木でできている者の為作りが大雑把なところがあった、


それも数カ所もある、


分かりにくいなら簡単に言おう、


ちょっと押せば壁が外れる、


それが何箇所もある、


そんな感じだ、


作戦はこう、


まずは砦正面に冒険者の大多数が暴れる、


盗賊は正面に向かう、


砦のあちこちが手薄になる、


その隙に大雑把なところから潜入、


挟み撃ちしたり残存勢力を制圧したりする、


俺は潜入、制圧に回された、


作戦が決まればあとは適当に役を決められた、


俺は適当な方がいいがこれは向いてないと思っていた、


制圧はともかく潜入ができなかったかもしれないからだ、


あの時はそれを心配していた、


事実空いた隙間を少し拡張したからだ、


中に潜入してからは簡単だった、


ただ盗賊を倒していけばいいからだ、


大方制圧を終えた俺は最後の部屋へ向かう、

中には1人の少女が壁際に座り込みながら震える手でナイフを俺に向けていた、


男の盗賊に交じっていたのか?


歳は16から18くらいだろう、


容姿は綺麗であった、


恐らくほとんどの男性が見惚れるだろう、


髪は赤く肩まである、


だが手入れをできていないのだろうか所々跳ねたりしていた、


少女の目は涙を流しながら俺を捉えて睨んでいた、


俺を化け物と勘違いしているのか、


まぁ、盗賊を無力化してきたからな、


この少女は俺との力の差はわかっているはずだ、


俺らはにらみ合ったまま時だけが過ぎていく、


先に行動を起こしたのは少女の方だ、


ナイフを自分の首に当てようと腕を動かした、


だが俺の方が早く動いた、


これが素人と冒険者の差だろうか、


少女が首を切ろうとしたところ俺がナイフの刃を握り止めた、


とっさの事だったため刃を握ってしまって少し痛かった記憶がある、


盗賊は捕まると罪がどれだけあるか調べられる、


罪の量に関係なく一つでもあれば即奴隷に落とされる、


奴隷になるくらいなら死んだ方がいいと考えている、


この少女もそう考えているのだろう、


そのあとは仲間の冒険者達が入ってきて完全制圧をした、


生き残った盗賊は連れて行かれた、


無論あの少女もだ、


取り調べは次の日に回された、


その夜、


俺は少女が気になりギルドの地下牢に向かった、


なぜあの様な少女が盗賊になったのか、


地下牢には盗賊を4つに分けて入れられてた、


少女は一番奥で一人入れられていた、


男と一緒に入れられると男の欲のはけ口になってしまう、


俺は少女の牢の前まできた、


少女は俺と会った時と同じ様に壁際で座り込んで顔をうつむかせていた、


違うとしたらナイフがないだけだ、


少女は俺に気付いたらしく俺の方に顔を向けた、


驚いた顔をしていた、


そのあとは無言が続いた、


気になって来ただけだから特に話すことはない、


俺は牢に背を預けて座った、


立っていたら疲れた、


後ろで動く気配がした、


少女が俺に近づいてきているのだろう、


もし俺の首を閉めようとしても返り討ちに出来る、


動きが止まった、


少女の吐息が俺の首筋に当たる、


それほど近い距離に少女がいる、


正直くすぐったい、


俺に復讐出来る距離、


どれくらいの時間が経ったのだろうか、


少女が先に動き出した、


首を締めるのかと思い警戒をしていたが違った、


俺の手、ナイフを握った手に触れてきた、


手は止血のため布を巻いている、


少女は優しく包み込む様に両手で俺の手を握る、


訳がわからなかった、


手を握られる事をした覚えがない、


すると少女の両手から暖かな光が発せられる、


治癒魔法、


この目で見るのは初めてだった、


そもそも魔法をできない様に封魔の道具をつけさせるのでは?と思った、


なぜ俺にこんな事をするのかわからない、


そう考えていると治癒魔法が終わった、


俺は手の布を取った、


傷がふさがっている、


思わず少女の方を見てしまった、


無表情に俺を見つめている、


考えるのはやめよう、


その時そう思った、


俺は再び牢に背を預けた、


少女の方にも動きがあった、


そっと後ろを見ると俺と同じ様に牢に背を預けてうずくまっている、


それだけならいいがなぜか俺の手を握っている、


訳がわからない、


しばらく私たちはこのままいた、


次の日、


盗賊達の取り調べが行われた、


俺もその場に同行した、


次々と奴隷に落とされていくのを見ていたら少女の番になった、


どんな罪を犯したか待っている、


だが何も起きない、


審問官も戸惑っている、


取り調べを偽る魔法具はこの世にない、


この少女は罪を犯してないと言うことになる、


審問官もこんな事例は無いのかすごく戸惑っている、


だがまずいことになっている、


盗賊は罪を犯している、


盗み、殺し、性的暴行、


何かをしていると皆は思っているだろう、


だがこの少女は罪を犯していないどころか治癒魔法による慈善事業をしている功績がある、


なぜ様なその少女が盗賊のなったのか、


審問官が聞いた、


ここに来て初めて喋ったであろう、


聞くところによると少女の家は小さな貴族の家で家族全員が治癒魔法を使えるとのこと、


たまに小さな農村に行き怪我の治療、


魔物との戦いで負傷した冒険者、騎士、農民の手当てをしていった、


少女もその手伝いをしていた、


なぜ盗賊といたのか、


家族からとある貴族との縁談が来た、


自分より10歳年上で自分より格の高い貴族、


当然ながら自分に拒否権が無い、


少女は縁談をすることになった、


しかし、


その縁談相手がひどい男だったらしい、


女をただの道具としか思っていないらしい、


その情報を相手の使用人から聞いた、


その人は結婚5回目らしく、


それまでに結婚した女性は皆廃人になった、


それを使用人が見たらしくそれを少女に伝えた、


少女は両親に相談したが相手にされなかった、


少女はそれで家出を決心した、


決心してすぐに行動、


両親に内緒で家出したらしい、


家出したはいいが行くあてが無い、


そんな時に傷を負った盗賊を治癒魔法で助けた、


本人は盗賊とわからなかったらしい、


そのあとは盗賊のアジトに案内されて盗賊の治療を始めた、


そこで俺たちの制圧が始まった、


少女はどうやら俺たちを盗賊か敵と思っていたらしい、


俺と会った時は恐らく盗賊に捕まって利用されるくらいならって感じで自害を選ぶ、


覚悟はいいらしい、


するとなんだ、


昨日の夜のあれは盗賊と間違えたことと自分のことで傷ついてしまったための負い目でしたことなのか?


罪の無い少女は奴隷に落とせ無い、


しかし、


世間はなぜ奴隷に落とさ無いか追求されて叩かれる、


審問官が、


無言がこの部屋から流れる、


この無言が耐えきれなくなった、


俺は初めてここで発言した、


「俺に買わせてくれ無いか?」


みんなが俺の方を向く、


なぜって顔をしている、


俺は説明した、


奴隷として共に過ごしてもらう、


だが、首輪は偽物を使う、


表面上の奴隷として暮らす、


奴隷は最低限の人権しか無いがある処置がされる、


奴隷を主人以外が暴行などをしたら緊急措置として首輪が暴行をしている人に激痛を与える魔法を発動する、


また、主人も行き過ぎた対応をするとそうなる、


発動すると各ギルドのギルドマスターに通達されて暴行を加えた人は逮捕、


主人は一度は注意され、


二度目で奴隷を取り上げるといった措置がされる、


行くあてが無いならどこかで保護されなければいけない少女、


世間帯を気にしてしまう審問官、


その二つが俺の提案で解決出来る、


審問官は世間帯に気にされなければなんだっていいのだろう、


俺の提案に乗ってきた、


少女の方も奴隷になれば婚約もなくなると喜んでいた、


肝が据わっているな、


俺は契約書と金を払い少女は表面上俺の奴隷となった、


審問官に金を払うことは無いと言うも最低限の手続きと称して金を取られた、


意地汚いな、


あとはほとぼりが冷めたら奴隷解除の契約書を書けばいい、


それまで少女に俺の身の回りの世話をしてもらう、


とりあえず少女を連れて宿に戻り1人部屋から2人部屋に変えた、


宿のおばちゃんに好奇心の目を向けられてしまった、


次に少女に金を使ってしまったため依頼を受けるためにギルドに向かった、


その間少女には部屋で待ってもらう、


夕方まで仕事が長引いた、


討伐と採取を同時にしたのがいけなかったのか、


宿に戻るとなんかの人だかりができていた、


その中心を俺は見た、


少女が冒険者の治療をしていた、


宿のサービスだろうと冒険者は思っているのか、


それとも少女に治療してもらいたいのか、


邪な気持ちで少女に近づいたのか、


ほとんどが後者だろう、


俺は近くの席に座り終わるまで待った、


治癒魔法を使って癒している時の顔が生き生きしている、


だいたい終わるまでかなりの時間がかかった、


夜中までかかっていたと思う、


少女は俺に気づくと申し訳なさそうな顔をした、


今まで俺が戻ってきたことに気づかなかったのだろう、


少しショックだった、


俺と少女は遅い夕食を取った、


そんなこんなで1ヶ月がたった、


半月ほどで少女の名前がわかった、


アリサ、


少女の名前はアリサと言うらしい、


アリサはこの1ヶ月、


宿の手伝い、


治療を繰り返していた、


そろそろ奴隷解除の契約書を準備しなければいけないかもしれない、


そう考えつつダラダラと日々を過ごしていた、


そしてさらに1ヶ月、


俺はアリサに奴隷解除の契約書を見せた、


アリサはこの宿で働いてもらう、


この2ヶ月の働きぶりはここの女将も褒めている、


ここがダメなら治療院を紹介するつもりだ、


俺がこの町で世話になっているところだ、


彼女ならそこでもやっていけれる、


俺はそう思っていた、


俺は無言で契約書にサインをした、


あとはアリサの名前を本人が書くだけだ、


俺はアリサの前に契約書と羽根ペンを置いた、


これで俺の役目が終わる、


そう思っていた、


俺は目を閉じてアリサがサインをするのを待つ、


サインをすればアリサは自由の身だ、


誰にも束縛せずに自由に生きられる、


俺は羽根ペンをはしらせる音を待った、


しかし、


待っていたのは思いもよらない音だった、


突然紙が破れる音がした、


俺は初めはなんの音かわからなかった、


目を開けると映ったのはアリサと破れた契約書だ、


驚いた、


自由になるチャンスを自分の手で壊したのだから、


俺はアリサの顔を見た、


怒ったような悲しいような顔をしている、


何を考えているのかわからない、


何も言わずに時間が過ぎていく、


俺はアリサの考えが聞きたい、


なぜこんなことをしたのか?


するとアリサが口を開いた、


「私、役立たずですか?」


何を言っている?


アリサが役立たず?


そう考えていると


「ご主人様は私が入らなくなったんですか?」


ご主人様、


そう呼ばれると寒気がしていたためアリサに呼ばせないようにしていた、


しかし今まで呼ばなかった言葉をアリサが言った、


俺は奴隷が欲しいわけではないからだ、


なら何が欲しい、


そんなの決まっている、


だから俺は言う、


「俺は奴隷はいらない、」


その言葉にアリサはショックを受けたような顔になる、


俺は続けて言う、


「欲しいのはアリサだ、」


アリサは一瞬目を丸くしたが次の瞬間顔を真っ赤にした、


俺は更に続ける、


「アリサ、奴隷ではなく仲間として俺と一緒に来てくれ、」


アリサは真っ赤な顔から少し残念な顔に変わるが直ぐに笑顔になる、


「はい!よろしくお願いします!」


俺はアリサの頭を撫でた、


くすぐったそうに、そして嬉しそうな顔をしている、


その次の日から俺たちは次の街へと移動した、


ゆっくりとした旅、悪くないと思った、


それから1年、


アリサと2人での旅は何もなく順調だった、


そう、何もなかった、


普通の冒険者は男女2人では色々あるはずだが俺たちは何もなかった、


アリサに戦い方を教えて料理、野営、俺の全てを教えた、


それでも何もなかった、


そう、


あの日までは、


ある町で宿をとったあとだった、


夜だった為俺とアリサは直ぐに就寝した、


同じ部屋の為お互いの小さな音でも聞こえる、


なかなか寝付けない俺は天井を眺めていた、


すると隣のベットから小さな物音がした、


俺はゆっくりと隣のベットを見た、


アリサが頭まで布団をかぶってもぞもぞと動いている、


それだけなら大したことはない、


だが次に聞こえてきた音が問題だった、


小さい水音に何か抑えるような声、


それが何を意味するか男の俺には想像ができた、


俺はそっとベットから降りてアリサのベットまでゆっくり近づく、


アリサは俺に気付かずもぞもぞしている、


俺はアリサの布団をゆっくりとめくった、


「あ、」


そこには息を荒げて頬が紅潮したアリサが潤んだ瞳を俺に向けた、


衣服は乱れていて胸の谷間や太ももが見えている、


俺も男だ、


俺はアリサのベットに乗りアリサに馬乗りする、


特に抵抗はない、


それどころか期待の眼差しを送っている、


だったら期待に応えようじゃないか、


俺はアリサの頭を優しく撫でたあとアリサの頬に手を添えた、


俺はアリサに体重をかけないように覆いかぶさるように口付けをした、


そこからのことは恥ずかしい為言いたくない、


終わった時には朝だった、


アリサは俺の腕を掴み寝ている、


その時は思わなかったが今思い返すとやり過ぎた、


そこまで溜まっていたのか俺は、


その日から俺たちは宿で泊まるたびに男女の営みをした、


お互い嫌ではなかった、


ただ無計画過ぎた、


あの夜から約半年後、


アリサの様子が変だった、


食欲がないのか食べる量が減ったり朝起きるのが遅かったり寝るのが早かったり、


アリサは何ともないと言うが時折青い顔をしている、


俺たちは近場の街まで行き宿に泊まる、


原因は分からないがアリサは苦しんでいる、


直感だがそう思った、


俺はその町の医者に行こうと言うがアリサは断った無理に連れて行っても抵抗されたらアリサに負担がくる、


俺はその日は諦めて次の日に無理にでも連れて行こう、


その日の夜、


物音で目が覚めた、


職業柄か小さな音でも目が覚めてしまう、


俺はアリサの寝ているベットを見た、


いない、


俺は起き上がった、


さっきの物音はアリサが出て行った音なのか、


俺はアリサを探しに出た、


トイレとか水を飲みに行ったとかかもしれないが昼間のアレを見ていると嫌な予感しかない、


外に出ると少ししたところにアリサが歩いていた、


寝る為の服ではなく旅をする為の服を着て、


俺はアリサに向かって走った、


アリサは足音に気付いたのか振り返る、


俺を見て驚いた顔をする、


俺は追いつき息を整える、


そしてアリサと向き合う、


お互い何も言わずに見つめ合う、


そして、


「・・・できたの」


アリサが先に口を開いた、小さいが聞こえた、


「何ができたんだ?」


俺は聞き返す、


「赤ちゃん・・・できたの、」


アリサの言葉がすぐに理解できなかった、


妊娠した、


なぜアリサがそれをわかったのか、


しかし今は関係ない、


「何で出て行こうとした?」


それがわからなかった、


妊娠したからっていなくなる理由にはならない、


アリサはうつむき言う、


「迷惑かけちゃうから、」


意味がわからない、


なぜ俺に迷惑がかかる、


「わたし、足手まといになっちゃうから、

わたしがいなくなればご主人様が余計な足かせがなく自由でいられると思ったから、」


本当に何を言っているんだ、


「好きな人に迷惑をかけたくないから、」


好きな人、


俺の事か、


そういえばあの夜も抵抗なく俺を受け入れた、


いつの間に好きになったのかは今はどうでもいい


それに俺も覚悟を決めていたからな、


「アリサ、

俺はあの時言ったはずだ、

仲間として一緒にいたいと、」


仲間と言う言葉が邪魔をしているならその言葉を捨てる、


「でも、これも今日までだ、」


アリサは何を言っているのかわからないらしい、


俺も端から聞いたらわからないだろう、


俺は言葉を続ける、


「アリサ、俺の妻になれ、」


おそらく俺の顔は真っ赤だろう、


俺は続ける


「2人で幸せになろう、」


それを言った途端アリサは泣き出した、


そして抱きついてきた、


これが答えと思っていいだろう、


俺はアリサを抱き返した、


数日後


そこからはわかったことは、


アリサが自分の体に異変を感じた為治癒魔法の一つをかけたところ妊娠が発覚、


俺に迷惑がかかるから堕ろしたかった、


だが好きな人とできた子は産み育てたい、


それが今回の事件の発端だった、


それから俺は冒険者をやめてウィンディア領に来て酒場を始めた、


ギルドマスターからはかなり引き止められたがそれでもやめた、


「それよりいいのか?

シルフィードから言われているだろう、

体を冷やすとお腹の子にも影響があると、」


「ちょっとだけですから大丈夫です、

それにあなたが遅いので少し様子を見にきました、」


どうやら俺が悪いらしい、


「わかった、戻ろう、」


アリサは俺の言葉を聞くと微笑み部屋の方に向かって歩き出す、


俺は立ち上がり部屋に戻ろうとすると


(ありがとう、)


俺は振り返った、


そこには闇に溶け込むような長い黒髪を馬の尻尾のように結んだ少年が入り口付近に立っていた、


ターニャと同じ年だろうか、


(あの子の相談に乗ってくれてありがとう、)


あの子、シルフィードのことだろうか?


あの子の関係者か?


そう思っていると


「あなた?どうされました?」


アリサが戻ってきた、


俺はアリサの方を向く、


「いや、ちょっと人と話していて、」


俺はそう言いながら少年の方を向くと誰もいなかった、


扉が開いた音もなかった、


「人ですか?

あなた1人でお話しされてましたよ、」


アリサがそんなとんでもないことを言う、


だが確かにいた、


幻でも見ていたのだろうか、


やめよう、


考えるのは俺の性に合わない、


それに、


また会えそうな気がする


俺はアリサと共に部屋へ戻った、

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