7話
遅くなりました。
第七話です。
〜後日、喫茶店にて〜
『まさか、あの真面目を絵にかいたようだった坂上が、
不良になってるとはなぁ。
本当にびっくりしたぜ。』
『中野君こそ、そんな感じだったっけ?もっと大人しいイメージだったような…』
『まぁ俺もいろいろあってな。俗にいう反抗期って奴かな(笑)』
あれから、坊主の男の人
の所に連れていかれ、
色々聞きたいことはあるけど、
今日はもう帰れと言われ、
中野君に駅まで送ってもらい帰路についた。
そして電話番号の書いたメモを受け取り、後日話を聞いてもらうことになったのだが…
『そういえば先輩は?』
『知り合いなんだからお前に任すって言ったけどおそらく逃げたんだよ。
先輩めんどがりだし。』
『それにしてもお前本当にドジだよなぁー。
よりによってあんな治安が悪いところで迷うなんて。』
エラいところで迷っちゃったんだー…
まぁなにもなくてよかった。本当に。
『でも、先輩言ってたよ。あんな礼儀正しい不良少女は珍しいって』
『私、やっぱりエセ不良だし…でもみんなからは、
不良だと本気で思われてるせいで友達できないし、
でも自分を変えたいと思って家飛び出してきちゃったから、
簡単には戻りたくないし…
このままじゃいけないのわかってるんだけど…
どうしたらいいと思う?』
『坂上もいろいろ悩んでるんだなぁ。
でもそんなに悩んだりする必要はないんじゃないかな。
やっぱり自分を偽らずに、自分らしく普通に接するのが一番だと思うよ。』
『自分らしく普通にって言われてもなぁ。どうしたらいいか分からないや。
』
『そりゃお前にとって、優等生も不良も仮面なんだから、
本当に普通にしてたらいいと思うよ。
後は自分をさらけ出す勇気かなぁ…』
『そっかぁ…
努力してみるよ』
と言ったものの
なかなか難しそうだよね…
まぁちょっと行動してみるか…
『そういえばあの悠っていう先輩とはいつ知り合ったの?』
『それは…
俺が入学早々、急いで学校に向かってたとき先輩とぶつかっちゃって、
それから、生意気だって言われちゃって
殴る蹴るの暴行食らってる時に、
悠先輩が不良ボコボコにして。
それ見て本当に憧れちゃって…それから、先輩の舎弟みたいに…
卒業してからも一緒にいることになるとは思わなかったが…
そういやそれから強くなろうと思って剣道始めたんだっけ。』
『そういえば中野君団体県ベスト8の剣道部の主将だったよね。』
『で、その先輩って私も知ってる?』
『知ってると思うよ。
あの西山の破壊神と呼ばれてた、西山中史上最大の問題児と呼ばれてた篠宮先輩だから』
篠宮先輩…私も名前だけは知ってる。
絶対に関わっててはいけないと聞いたことがあるよ。
『そんな怖い先輩となんで夜一緒にいたの?』
『それは恩人の悠先輩が心配だからだよ。
あの人一人でチンピラ狩りみたいなことやってるから心配で心配で…』
『そういえば先輩、チンピラから制裁者って呼ばれてたなぁ。』
『そうなんだよ。
これ以上名前売れて、本当に怖い奴らから痛め付けられないか本当に心配なんだよ。
俺が止めても全然話聞かないからさ、最近は放ってるフリをしてるけどやっぱり心配なんだ。
いつもついてきてるから厄介者扱いされてるけどさ…』
『じゃあそろそろバイトの時間だし、俺は帰るよ。でも、お前心配だしメルアド交換したいんだけど。』
『私お金ないし必要もないからさ。携帯持ってないんだよ…だからこの前も、家から電話したんだよ。』
『そうだったのか…
今時携帯持ってないと、世界から置いてかれるぜ。
今度俺が携帯買うの手伝ってやるよ。
都合が良い日後で電話で教えろよ。
じゃあな。』
携帯かぁ…
そろそろ知り合いもできたし必要かもなぁ…
とりあえず自分を変えるためにどうしたらいいかなぁ…
また見た目から入ってみようかなぁ。
〜沙希はドラッグストアで黒染めを買って店を出たのであった〜
次回からまた新章に入ります。学校のシーンが増えると思います。