5話
この話から新章的な感じです。新しい登場人物が二人ほど登場します。
小説を書くのにも慣れてきたので今回は少し長めです。
後念のためR15にしました。
これからもこの作品をよろしくお願いします。
〜悠said〜
俺の名前は篠宮悠。
訳あって高校を中退して、今は建設現場等のバイトをやって生活している。
いわゆるフリーターって奴。
年は17。
今も高校に通っていたら、高2の代といったところだ。
『先輩、今日もバイト終りましたし、いつものゴミ掃除行きましょうよ。』
『そだな。そろそろいつもの時間だな。トイレ行ったら行くぞ。てか、良太お前わざわざ付いてこなくていいんだぞ、お前俺みたいに喧嘩強くねーし、何かあって俺みたいに高校やめなきゃいけないような事になっても責任取れねーぞ。後、体に悪いし、見つかったら面倒だから、タバコはいい加減止めた方がいいぞ。』
今話しかけてきた、タバコをくわえた茶髪のチャラそうな奴は、俺の中学の一つ下の後輩で、俺の事を今でも慕ってる中野良太って奴。
こいつとは高校も同じだったしバイトも一緒だ。
やたらと俺にくっついてくるが、別に特に害は無いのでスルーしている。ただ少しうざったい部分を感じてはいるが。
ちなみに、ゴミ掃除とは、この街に巣食うタチの悪いチンピラどもに制裁を加える事だ。
制裁という名の暴力という手段を、使わなければいけないような、クズ共の相手をするわけだから、危険が伴うし、警察に見つかれば厄介だ、現にこの間、たまたま通りがかった奴が喧嘩を見て、警察に通報したため警察沙汰になった、しかし俺が未成年だったのと、相手が前科持ちで警察に全く信用されていなかっため、俺の正当防衛の主張が通り、不起訴処分で済んだ。だがしかし、俺は元々素行が悪く学校側の印象が悪いのと、相手に大怪我を負わせたのを重く見たのもあって、学校側から退学処分を食らう羽目になった。
ただ、そうまでしてでも、この青ヶ丘町繁華街の外れにある、俺らのたまり場である、5丁目通りの裏路地を守らなければならない。
この裏路地の南側(通り側)は特に犯罪が多く、治安が悪い。
だから、近隣からの苦情も多く、これ以上何かあれば、裏路地全体に再開発が計画されるという噂までたっている。
そうなると悠達はたまり場を失う事になる。
悠達のたまり場は北側(悠が住んでいるアパート街側)だが、南側のせいでここが無くなるのは嫌なので、悠は、治安維持を目的として、治安を悪くするチンピラ共を、自分で退治しようとしているのである。
警察も時々この地区をパトロールはするが、警察も基本は忙しく人手不足なため、野放しに近いのが現状なため、悠は警察はあてにならないと考えている。
例え警察が動いたとしても、俺みたいに力で恐怖心を相手に植え付けなければ、またあいつらは、同じことをするだけだと考えている。
だから俺は今日もパトロールに向かう。
良太も一緒だけどな…
〜沙希side〜
繁華街に着いた私はテンションが上がっていた。
最初は誰か繁華街にいる人と、一緒に遊ぼうかと思ったが、みんなグループ同士で来ていて、なおかつ楽しそうだったので邪魔せず、一人でゲーセンやデパート等の施設を楽しんだ。
一人ぼっちだったが、この街の雰囲気を味わえて十分楽しかった。
少しは、この街に相応しい人間になれたんじゃないかなと思う。
さて、そろそろ帰るか…
ってここどこだろ?
どうやらあちこち歩き回っているうちに、広い繁華街で迷ってしまったようだ。
気がついたら日もくれていて随分暗い。
この辺りはメインストリートで無いため、街灯も少ないのだろう。
携帯も時計も持っていないので時間が分からないが、恐らく8時過ぎぐらいだろう。
と私が、今の状況を整理していた時後ろから声がしました。
『そこのお嬢ちゃん、俺達とこれから一緒に遊ばない?』
どうやらヤバそうな二人組に絡まれてしまったようです。
逃げようにも一本道で、この二人組が私を挟んで立っているので逃げられないそうにない。
極度の緊張で声が出せそうにないので、私に出来た抵抗は、無言で相手を睨み付けることぐらいでした。
これでなんとか…
なり…ませんでした。
『それで睨んでるつもりか?目が怯えてるぜ。
これ以上抵抗しない方がいいぜ。生意気なガキにはお仕置きしないといけないな。こっちにはこれがあるんだよ。』
と言い、おもむろに二人組の片方がポケットからナイフを取り出し、私の首元に当ててきた。
もう抵抗できない…
『やっと大人しくなったようだな。
兄貴。こいつどうします?』
『どうもなにもいつも通りアジトに連れて帰って、抵抗できないように薬漬けにして、好きなだけ犯してからヤクザに売り飛ばすだけだろ。そうすれば金にもなるし文句でねーだろ。』
『よく見たらお前可愛いな。たっぷりと可愛がってやるから楽しみにしとけよ?』
なんだか怖いこと言ってます…
私、どうなっちゃうんだろう…
そう思って私が、あたふたしていたときでした。
後ろでバコン!という大きな音がしたのは。