3話
学校が終わった沙希は帰宅部なので、早々と電車に乗って家へ帰る。
これもいつもの日常である。
だが…
何よアイツ私の格好じろじろ見て。変態め。
沙希は変態にじろじろ見られていたようだ。
やっぱり私こんな格好だし、そういう目で見られちゃうんだなぁ。
そう思ってにらみ返すとアイツは目を反らした。
この見た目を活かして、思いきり相手を睨み付けたら、男だろうが一瞬で怯んでしまう。
つり目気味だし余計怖いのであろう。
私ってみんなからそんな怖く見えてるのかしら。
通りで軽薄なナンパ師しか寄り付かないのかと、沙希は再確認したのであった。
〜これが沙希の武器であるが本人は複雑なようだ〜
そうこうしているうちに、電車を降り家に着いた私は、まず家の電話を確認する。
何故なら私は携帯を持っていないので、バイト先等からの連絡は全て自宅の電話に入るからだ。
電話が無いことを確認した後、今日はバイトまでまだ時間が少しあるので、好きな本を読んでいる。
私は読書が好きだ。
何故なら周りから遮断されて、自分の世界に入り込めるからである。
ちなみに私は最近ミステリー系の小説にはまっている。
不良が読書趣味かよと思うかも知れないが、私は携帯を持ってなく、家にはテレビもパソコンも無いので、娯楽は読書ぐらいしか無いから、当然読書しているか学校の宿題をしているかしかすることがないのである。
おっともうこんな時間だ。本を読んでいると時間がたつのが早く感じてしまう。
沙希は制服からラフな服装に着替えて、バイト先の家の近くのコンビニに向かったのであった。
ちなみに青ヶ丘第一高校はバイト禁止ではないが、許可が必要である。
だが、めんどくさいので沙希は許可を取っていない。
しかし、学校から電車で30分ぐらいの場所と離れているうえ、繁華街や沙希の出身中学からも離れており、今までに沙希の知っている人が店に来たこともない。
「今日も坂上さんお疲れ様ー。本当に見た目に反して君はよくやってくれてるよ。
後売れ残った弁当ここ置いとくよー。」
沙希は店長から貰った弁当を持ち家に帰った。
そして沙希は色々な事を考えながら眠りについた。
〜これで沙希の毎日代わり映えしない、とある平日の長い一日が終ったのであった〜