第一話「出会い」
今回は早く更新できましたが、最初に言った通りで、更新速度は一ヶ月に一度ぐらいになります。
あと、誤字などがありましたら教えてくれるとありがたいです
では、どうぞ!
気が付くと俺、アイデット・クラウザーは見晴らしのいい平野に立っていた。
「今回は普通の所に出れたな。」
前に他の世界に入った時は噴火寸前の火山の頂上のあたりに出ていて死にかけた覚えがある。
「しかし毎回世界に入る時に意識を失うのはどうにかできんのか......。」
他の世界に入る時は何故だか絶対に意識を失ってしまう。何故なのかは俺も分からないがもう他の世界に入る事はないと思うからいいけどな。
きっとこの世界にアイツがいるはずだ。今度こそきっと.....。
と、俺が真剣に考えていると後ろの方から、
「熱い熱い燃える燃える〜〜!!!」
と若い男の叫び声が聞こえる。
なんだ一体?とりあえず叫び声のする方に向かった。するとそこには右腕が燃えて、もがき苦しんでいる若い男がいた。しかも右腕は白い炎で燃えていた。
「白い炎だと......。」
白い炎を使えるのは俺が知っている中では二人しかいない。だがその若い男はそのどちらでもなかった。
近くにその二人のどちらかがいるのかと思い、周りを見たが、その男の周りには誰も居なかった。
つまり、この若い男が白い炎を出した事になる。
一体何者なんだこいつは。男はなんとか白い炎を消して、
「ふぅ、危なかったぜ。俺に炎の耐性が無かったら右腕が塵となっていた所だぜぇ。」
と一人呟いていた。
よく見ると、右腕には火傷の後が一つも無かった。
どんな炎の使い手でもあんな風に燃えるとさすがに少しは火傷をするものだ。
まぁ、例外が一人はいたがな。そいつも白い炎の使い手で、炎の使い方なら右に出る者はいない程の男だった。
そいつの名前はクリール・バリクス、俺のかつての仲間の一人だ。
そういえばこいつ顔がクリールの昔の頃の顔にそっくりだな....まさかな....。すると若い男はこちらに気が付いたらしく、
「あれ、さっきの見ていましたか?いや〜恥ずかしいな〜〜。まだ力を扱いきれてないんですよ俺。」
と話しかけてきた。何か馴れ馴れしく感じた俺はとりあえず一発殴っておく。
ガスッ!
「あぐわぁ!」
いいリアクションをしてくれた。こいつは殴りがいのあるやつだぞ。
「い、いきなりなんですか!」
「いや、何となく馴れ馴れしく感じたからとりあえずな....。」
「それ、よく言われます。そんなに馴れ馴れしいかな俺って......。」
あ、やべ。こいつ泣きそうだ。可哀想だからこれ以上いじめてはいけないな。
いい加減に本題に入ろう。
「まぁそれはいいとして。お前、何故白い炎を使えるんだ?白い炎を使える力を持つ者は二人だけのはずだ。」
俺はそこが一番気になっていた、何故こいつがあの二人しか使えなかった白い炎を使えるのかが。
すると若い男は半泣き状態で、
「あ、父さんが白い炎を使えるんですけど、僕何も力を持っていなかったんで、その力を受け継いだんです。そのせいで父さん全然力使えなくなりましたけどね。」
父さんだと....いや、それよりも、
「お前見た所テンペルスだろ。なぜ力を使えなかったんだ?」
テンペルスとは人の姿をしているが人とは違う存在の事だ。まず、人と違う所は寿命が人の数十倍長い所と、特殊な力を使える所だ。テンペルスか人かを判断するには基本目の色を見れば分かる。テンペルスは人と違う目の色をしている。逆に言えばそれぐらいしか見た目が違う所がない。それと、テンペルスには下位クラスと上位クラスそして最上位クラスが存在する。テンペルスが持っている特殊な能力の強さによってクラスが違う。
簡単に言えば下位クラスは相手を少し傷つけるぐらいの強さで、上位クラスは人一人を殺せるぐらいの強さで、最上位クラスが町一つを破壊できるぐらいの強さを持っている。
いくら下位クラスの力が微弱だとしても力が使えない事はないはずなんだが.......。すると突然こんな事を聞かれた。
「えっ、分からないんですか?あ、もしかして他の世界からきたテンペルスですか?」
何だ?この世界のテンペルスは普通は知っていないとおかしい事なのか?
「まあな....。」
「ですよね。この世界の住人だったらすぐに分かるはずですもんね。じゃあ説明してあげます。」
何かまた馴れ馴れしく感じてしまった。とりあえずもう一発.....
「ちょっと待ってくださいな、殴らないで!ごめんなさい!馴れ馴れしくってごめんなさい!どうか許してください!!」
若い男は俺が殴ろうとしているのに気が付いたらしく、土下座しながら謝ってきた。
「チッ!」
俺だってそこまで悪人じゃないし、土下座までされたら殴れないじゃないか。
「俺にさっさと教えろ。おっと、説明する前にちゃんと俺に向かって説明させていただきます我が主よと言うんだぞ。」
「そ、そんな!いえなんでもないです.....。」
若い男はまた半泣き状態になった。
こいつ本当にサイコーだな。俺のS心をくすぐってくるわ。
「で、では説明させていただきます我が主よ....。まずこの世界の人間はテンペルスに近い力が使えるんですけど.....。」
「に、人間に俺達に近い力が使えるだと!?」
「ハイ、そうなんですよ。この世界の人間は使えるんですよ。て言っても、使える人はそんなに居ませんけどね。」
そうなのか....。でも、人間が俺達に近い力を使えるなんてな。俺はいろんな世界を旅したがそんな奴を1人も見たことがない。確かに能力を使うだけの奴はいた。でも俺達、テンペルスに近い能力を使う奴はいなかった。
まぁ、不老不死の吸血鬼は居たけどな。
「なのでテンペルス達は差別される事が無くって、存在を受け入れられたんですよ。そういう事もあって交流も深まりましてですね、テンペルスと人間が結婚する様になったりしたんですよ。」
「に、人間とテンペルスが結婚だと!?」
あ、ありえない....。結婚だなんて.....。
「で、僕はテンペルスの父と人間の母の間に産まれたんです。でも僕は人間の血を濃く引き継いだんですけど、僕の母はそういう能力は使えなかったんです。なので僕は全く力が使えなかったんですよ。」
「そ、そうなのか....。」
お、驚いたな....。ますますこの世界は俺とアイツが望んだ世界じゃないか......。
「あの.....ところでお名前は?」
若い男は申し訳なさそうに名前を聞いてきた。俺は仕方がないから名前を教えてやる。
「俺はアイデット・クラウザーだ。お前は?」
「僕はストラウド・バリクスと言います。て、アイデット・クラウザーって言いました!?」
ストラウド・バリクスと名乗る若い男はもの凄く驚いた様子だ。
何だこいつ?ていうかこいつ、バリクスって言ったなやっぱりクリールの........。
「ぼ、僕貴方の話は父からよく聞きました!もの凄い人だったって!!」
「その父の名前は....?」
「クリール・バリクスです!」
や、やっぱりか......。
やっぱりクリールの息子だったか.....。
まぁ、ちょうどいい。アイツに聞きたい事もあるしな。こいつにクリールの所まで連れていってもらうか。
「急で悪いんだが、クリールの所まで連れていってくれないか?アイツに聞きたい事があるんでな。」
するとストラウドはもの凄く元気よく、
「はい!いいですよ!」
と了承してくれた。いい奴だな。でも何か鬱陶しいからとりあえず....
バコンッ!
「うぎゃあ!?」
殴っておく。ストラウドは泣きながら「と、父さんの言った通りの人だ....。」とか言っていた気がするが気にしないでおこう。
「もう、あんまり殴らないでくださいよ....。まぁいいや......。じゃあ行きましょうアイデットさん!」
「ああ、じゃあ道案内よろしく頼む......。」
これが俺がこの世界......『最後の楽園』で初めて出会った男、ストラウド・バリクスとの出会いだった...........。
どうでしたか?
僕は文才がないのでつまらなかったり、内容がよく分からないという事があると思いますが、よろしくお願いしますm(__)m
あと、こんな風にしたらいいとかの意見がありましたらバンバン言ってください!