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16 伝わらないとわかっていても言いたい時もある

総合評価100Pを超えました! ありがとうございます

\(^o^)/

 俺は純潔。心身はどちらも綺麗……いや、どうだろう? 正直、心が綺麗だと自分で言うのは、たとえ本当にそうだったとしても、ちょっと危ない人認定されないだろうか? 少なくとも、俺は胡散臭いなあ、と思う。かといって、心が汚いと自分で言うのもちょっと嫌だ。そこまでは汚くないと思う。だったら、薄汚れている、はどうだろうか? ……それも嫌だな。まあ、心の方はいいか。0か100で表せられるものではない。


 今重要なのは体の方。俺はほられて……尻の純潔は守った。だから純潔のまま。それが大事。うん。大事。だから、俺は今日も生きていける。


 そんなこんなで純潔を守った日から数日が経った。それでいくつか問題というか気付いたことがある。


 まず、狩りを行う際に、角ウサギに対してだけは殺意が強まるようになってしまった。本能的な部分なのでどうしようもない。角ウサギに関してだけは、見つけ次第絶対殺す! と少し好戦的になってしまう。仕方ないと受け入れた。これはまあ、まだ軽い方だ。どうしようもない。


 それ以外でいくつか気付いたことの一つに、ハサミウサギが厄介になったことがある。別にハサミウサギ自体が強くなった訳ではない。上位種が出て統率力が上がったとかでもない。でも、厄介になった理由と原因はわかる。


 理由は、ハサミウサギがハサミで切ろうとしてきた際に狙いがどこかわからなくなったこと。


 原因は、服を着たことで俺の俺が隠れて見えなくなったこと。


 実際に、黒ズボンを脱いで弱点丸出し状態なら俺の俺だけを的確に狙ってきたので間違いない。


 ただ、ハサミウサギに言いたいことがある。言っても理解しないだろうが。俺の俺が見えなくなったことで別の場所を切ろうとしてきたのはわかるのだが……ハサミウサギよ。


 隠した場合、何故迷うことなく指を切ろうとしてきた? 俺の俺はそんなに細くて短くないぞ。


 隠した場合、何故一回首を傾げてから腕を切ろうとしてきた? 確かに、俺の俺はそこまで太くて長くないが。


 いや、確かに個体差はあるけども! 振れ幅が大き過ぎるというか、これも0か100だけではないから! 言ってもわからないだろうけど!


 ………………。

 ………………。

 ともかく、ハサミウサギと対する際は黒ズボンがない方がいいというか、何も隠さずに曝け出した方が、狙いが絞れて対処しやすい、ということがわかった。


 その時に、一つ気付いたというか判明したことがある。ハサミウサギに切られる訳にはいかないと、咄嗟に時を止める魔法を放ったがハサミウサギは止まらなかったのだ。魔法が失敗したのかと思ったが、そうではない。魔法発動の感覚はあるが、抵抗が強過ぎたというか、弾かれたというか……とにかく無理だとわかった。でも、抵抗があるということは、それを突破できる方法があるかもしれない。今はまだ無理、としておこう。


 まだ気付いたことはある。いや、これについては当然と言えば当然なのだが……推定魔物を倒して肉を確保したのち、魔法で時を止めて――こっちは普通にできた――長期保存できる、というところまでは良かったのだが……それは千貫ができないのだ。何しろ、全体を止めているのである。そりゃ、血も流れ出ない。抜くことができない。確保して拠点に転移しても、結局川に転移して魔法を解いて血抜きする、という行為はなくならなかった。まあ、それでも血抜きして時を止めれば変わらず長期保存できるだけマシなのは確かだが。でも、なんかこう……手間が増えたのか減ったの変わっていないのか、よくわからない状態でモヤモヤする。


 なんとかできないものかと考えもした。たとえば、時を止めたとして、血管というか血液だけ対象外にするとか。……う~む……感覚的に無理。無理無理。今は無理でも将来はもしかしたら、とかのレベルというか話ではない感じがする。いや、この魔法に一生を費やせばあるいは……。


 でも、そこまでする気は微塵も思わなかったのでやらない。


 まあ、俺には無理だけど、他の人ならできる、なんてことはありそうなので絶対ではないが………………そうか。そうだよ。そうだよな。自分にはできないけれど他の誰かならできる、ということはある。


 ………………。

 ………………。

 でも、できるかな? 正直首を傾げるが、もしそんな人が居るのなら仲良くしようと思う。敵にしてはいけない部類なのは間違いない。


 ともかく、時を止めて長期保存はできるのだから、それで良しとしておこう。


 そして、これで衣食住の内、衣食が揃った訳だ。……まあ、どちらも薄氷の上といか、服は今着ているのしかないし、そもそも下着もなく、食事も充実どころか足りないものばかりで一歩前進したばかりで、このままだと栄養の偏りが、となるので改善していかなければならないが、それでもないよりはマシで揃ったのは事実である。


 よって、次は住だ。


 ………………。

 ………………。

 それができれば衣食住が揃って一息吐ける……はず。それまで頑張れ、俺。


 誰も居ないので、自分で自分を励ましておいた。

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