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Last Transmission
これを読む誰かに、届いているだろうか。
もしかしたら、誰にも届かず、ただ闇に溶けていくのかもしれない。
それでも私は、祈るように記す。
どうか、あなたがこれを見つけてくれることを。
私たちはここで、生きた。
名もなく、意味もなく、それでも確かに、息をして、手を取り合って、生きた。
笑って、怒って、傷つけて、守って、壊れて、愛して——
そんな日々が、たしかにここにあった。
もう何も残らないかもしれない。
だけど、たった一人でいい。
私たちがいたことを、知っていてほしい。
あなたに、この声が、届きますように。