第一部第一話
こんな少しなのに一ヶ月もかかってしまってすみません。
実はまだ世界設定が完全に決まってません。小説のタイトルにかかわる話に入るのはもうちょっと先になりそうです。おかしな点がありましたらご指摘ください。
ふと、寝心地のいいベッドと薬のにおいが気になり目を覚ますと
「……知らない天井だ」
はじめてみる天井が目に入ってきました。
第一章第一話
はじめてみる天井を見上げながら私は自分の状況を考えていた。なにがどうなったのだろうか、と。
確か私は、ぎっくり腰になった教授がいく予定だった坑道の調査を代わりにしていたはずだ。それなのになぜ知らない場所で眠り込んでいたんだろう?
……記憶に少し混乱が感じられる。落ち着け。落ち着いて何があったのか思い出そう。まず確実に調査は開始した。ここまでははっきりしている。その後どうなった?確か削岩機を借りて豪快にってそうだ思い出した。坑道が崩落したんだ。ということはその後掘り起こされて運ばれて、ここは病院か?
ズキッ!
くっ、頭痛が…。 いや、ちがう。崩落が終わった後も少し意識があったはずだ。たしかその後、何かが出てきたような
ズキッ!
あぁぁ、頭が痛い。 でも思い出した。 光るまっくろくろすけだ。そいつが出てきて、謝罪されて、漫才して、異世界で…
イセカイ?
異世界か。そういえばあいつ、ここが、この世界は私が元いた世界とは別の世界だって言っていたな。でもそんなことがありえるのだろうか。 確かに光るまっくろくろすけが言っていた理由もわからなくはない。 いや、わかりたくはないが反論する材料がない。それにしても少し人間離れしているからって世界がたった一人の人間を危険視して、さらに異世界へと排除するなんてどこぞの小説の設定か(←この小説の設定ですがなにかby作者)…今なんか変なのが入った気もするが気のせいだ。
そして、来てしまったからには、この世界で生活していかなければならない。この世界のことは何一つわからないが、こうして運ばれてベッドで寝かされている以上誰か親切な人がいるはずだ。その人には申しわかないが頼らせてもらおう。何をするにもそれからだ。
とりあえず100%ではないだろうがあったことは思い出せたし、これからどうするかも決まった。
少しだるい体を起こす。体の鈍り具合から2日ほど寝ていたようだ。伸びをして、腕を回していると自分の物とはちがう服を着ていることに気がつく。少し茶色がかった白い無地のズボンとシャツ。生地は…綿、かな。結構しっかりしているがとても滑らかで肌触りがいい。そしてとても軽い。こんな素材はあったっけと思考しかけ、いや、世界がちがうのだからわからなくても当然か、と思い直す。
筋を伸ばしながら部屋を見回す。広さは大体6畳くらいか。フローリングの床に壁はレンガ。窓から見える空の明るさから今は午前10時くらい。まあもとの世界と同じ環境ならば、だが。 あ、壁に私が着ていた服が掛けてある。でも、かなり前衛的にダメージ加工されている。右袖はないし、胸から腹に掛けて見事に裂けている。ズボンも同じくらいボロボロ。しかも洗っていないようで(ここまでひどいと洗ったらただのぼろきれになりかねない)全体的に赤黒く染まって固まり、土砂もついたままだ。これはもう使えない。というよりよくのこしておいたな。
ぼろきれ寸前の服が掛けてある近くの作り付けの棚に目を向ける。そこにはいろんなものが並んでいた。薬草やなんかの液体が入ったビンもある。目を覚ました原因のにおいはこれだろう。その隣には羊皮紙が大量においてある。その一枚を見てみるとそこには薬草の調合の仕方が細かくイラスト付で書いてあって、どうやら傷薬の調合について書いてあるようだが聞いたことのない名前が並んでいる。とそこでおかしな点に気がつく。何でこの世界の文字がわかるのだろうかと。 その羊皮紙に書いてあったのはもちろん日本語ではない。というより見たことがない。 そしてなぜか読めるその文字の形の雰囲気はローマ字、でも使い方は日本語に近く感じられた。
そういえば光るまっくろくろすけが謝罪ついでに言葉と文字くらいはわかるようにしとくと言っていたような……。 どうせくれるならこの世界の情報とか常識もくれればよかったのにと思いながら部屋の観察を続行する。といってももうこの部屋にはそれ以外のものがなく、あとあるのは部屋の隅においてある大きめの木箱ぐらいだ。部屋の隅にほこりがたまっているからたぶんこの部屋はあまり使われていない物置かなっかなのだろう。
部屋に興味がなくなった私は、今度は自分の体の状況について考える。 部屋に掛けてあるぼろきれ寸前の服についている血を見る限り、かなりのけがを、それも致命傷になりかねないけがをしたはずだ。だが、さっき体を見たところ怪我どころか傷があった痕もない。もともと異常な身体能力と同じようにけがの治りも早かったが、ここまで以上ではなかった。 そこで思い出されるのは意識が飛びかけた状態で聞いた光るまっくろくろすけがぶつぶつと言って?いたことだ。
『あなたがもといた世界がかけていたこのほとんどの身体能力を封じてるリミッターを解除』
だったか。ちゃんとした詳しい意味や効果はわからないが、たぶん私がこの世界に放り出される原因になった異常な体がさらにパワーアップしたのだろう。いや、もしかしたら今の状態が本来の常態なのかもしれない。詳しいことはまたこんど光るまっくろくろすけにあったら聞いてみよう。それに、元の世界で異常だったこの体も、もしかしたらこの世界では普通なのかもしれない。
まあ体に何の問題もないのはいいことだ。もし怪我が治ってなくて重傷で動けないままだったら拾ってくれた人にさらに迷惑を掛けることになる。
そこで次の問題を思い出した。私を拾ってくれた人にはこの状況をなんて説明したらいいのだろうか。正直に異世界から来ました、と言っても信じてもらえるとはあまり思えない。だからといってちょうどいい言い訳を思いつくでもないし、それ以前にここまで運んでくれてベッドや服を用意してくれた人に嘘をつくなんてことはしたくない。 やっぱりここは頭の状態を心配される覚悟で本当の事を言うしかないか。
その後、どんな説明をするか、いや、どんな説明をしたら頭の心配をされずにすむか、とわりと真剣に考えていて窓から入ってくる日の光がオレンジ色になってきたころ、ドアの方から近づいてくる足音が聞こえてきた。この世界に来てから初めて会う人だ。どんな人が来るのかとドアが開くのを楽しみに待っていた。
……今回せりふが一言だった。次回はもうちょっと会話を増やします。
実はこの小説を書き始めたとき、起承転結の『き』の一画目の横棒程度しか考えてないうちにプロローグを書いて投稿してしまいました。そしたら二、三日で十数人のお気に入り登録と千件近くのアクセスが・・・。これは大変と世界設定から考え始めたしだいです。現在世界設定が大体決まり、人物設定に入りました。でも人の名前を決めるって難しいですね。考えて出てきた名前もどっかで聞いたことがあるようなのばかりですし・・・。他の作家さんはどうやって登場人物の名前を決めているのでしょうか?もしかして僕が難しく考えすぎているだけ?
出来るだけがんばって次の更新をしたいと思います。