プロローグ?01
はじめまして、小武内真人です。
このたび、以前から書いてみたいなーと思っていたので小説を書いてみました。
はっきり行って作者の文才はランクF-ですので、期待しないでください。
誤字脱字、表現が変なところはどんどん突っ込んでください。
とある山中、それなりに広いが舗装されていない砂利道を走っている古いオフロード車が一台。やがてその車は砂利道の最終地点、あまり大きくはない坑道の前で止まった。
「…さん、姉崎さん、起きてください。着きましたよ。今回依頼した調査対象の鉱脈がある坑道です。」
「ん?んぅ~!!・・・・・・――着いたか。」
そう言って私は乗ってきたオフロード車を降りた。この車が悪いのか、はたまた運転していたこいつが悪いのか、寝心地が災厄だった。異常に揺れるし、振動がもろにくる。でも、私にかかればこんなこんな環境でもなんともなく普通に寝れる。こういうとき、寝れるときはどこでも寝れる自分の性格が便利だ。
さてみなさん、始めまして。この物語の主人公をやらせてもらっている姉崎アルト(22歳・女性)です。現在、ある大学の金属工学科の4年生です。この物語は大体私目線で進行します。詳しいことはまた後でするとして、現在のことを話そう。
今、私の目の前には何とか坑道(詳しいことは忘れた)と言う小さな坑道がある。今は開いているが、だいぶ昔に一度閉鎖していたそうで、入り口には錆びた扉、足元には朽ちかけたレールがあった。本来、関係者ぐらいしか立ち入ることができないこんなところに女子大生である私なんかがなぜいるのかというと、あるあきれた理由がある。
そもそも、ことの始まりは約一週間前、この坑道の管理・調査に来た作業員が崩れた壁面の奥に金属っぽい物質を発見。そのとき調査を担当していた主任がうちの大学の、私が支持している教授(この人は『金属が恋人です!』と言い切るほどの人で、実は私もどちらかというと恋よりも金属だ)のいる学科のOBだったというつながりで、調査依頼として持ち込んだ。
その金属はうちの教授をしても不純物がかなり多く詳しく解明できなかったが、純粋ならばかなり硬いくせに粘りがあり、軽量でさびにくいなど、実用化できればかなり“使える”金属になるかもしれないという結果が出た。
そこで、教授が直接現場に行って調査すると言い出し、その手配を済ませたのだが、二日前、不幸にもぎっくり腰により教授は行動不可能となり、今日暇だった私が行く事になった、と言うわけだ。
それにしても未知の金属か~…。自他共に認める、教授と同類の金属大好き人間(他にも合金とか鉱物とか、あと武器も好き。友達には『変人』と認識されている)である私は今回の調査はヨダ…もといやる気がいつも以上にでる。なにせこの金属が実用化されれば常識が変わる。もしかしたら私の夢がかなうかもしれない。それに、こういった所で堂々と行動できることなんかめったにない。まさに福眼、である。
そんなことを考えていると
「あの・・・、姉崎さん?もしかしてまだ夢の中ですか?早く妄想から目を覚まして、はい、ヘッルメットかぶって。現場に行きますよ。」
・・・私の祝福の時を見事に壊された。まあ、ここにいても始まらないか、と思い渡されたヘルメットをかぶり、調査道具一式を背負う。ちなみに、先ほど人の祝福を壊してくれたのがこの坑道の現場主任で今回の調査の依頼主であり、私が通っている学科のOBである新山さん(下の名前は忘れた)27歳。彼は基本的にやさしくて有能で、誰に対してもだいたい敬語を使うのだが、空気を読んで話を面白い方向に持っていったり、人をおちょくったり、時には言葉に毒が混じるという癖がある。他人の幸福に横槍を入れるのもその一環だそうだ。本人曰く、「やり過ぎないようにしているから大丈夫。」らしい。
そんな変人である新山さん(以下主任)と一緒に作業員に案内されながら坑道の中を歩く。ちなみに現在は8月、外は周りが木に覆われてるといえども30度近くあって暑かったが、坑道の中はまさに適温適湿、逆にちょっと肌寒いぐらいである。まあ、作業着を着ているからちょうどいいくらいか。
作業員のおっちゃんに案内されながら薄暗い作業灯の明かりの中30分ほど歩く。それにしてもやっぱりこの作業灯によって出来る影とか、足元に伸びるレールとか、むき出しの岩盤とか、何度見ても顔がにやけてしまう(注:一般人には理解不可能な世界)。
ただ歩いていてもつまらないので、現場に着くまで、今回の調査対象の鉱物について現在わかっていることを思い返してみた。サンプルは鈍い銀色で、不純物が多すぎて詳しくはわからなかったが、純粋ならきれいな銀色に近い色で、今のところ開発されている合金などの切断用の歯に使えるほど硬く、鋼鉄と同じくらいの温度で溶解する。比重が軽く、酸化や金属疲労しにくいことから、かなり「使える」金属になるのではないかと、教授がとても興奮していた。それはもう前に書いたようにぎっくり腰になるほど。かく言う私も、そのことを聞いたときはテンションがあがって、大学の研究室で教授と二人で夜通し語り明かした。次の日の朝、友達に変な目で見られたのがちょっとショックだったが・・・。
そんなことを思い返しながら歩いていると、
「それにしても姉崎さん。相変わらずこういった所に来たときは近寄りたくないくらいやばい顔をしてますよ。」
…また主任に人の祝福を邪魔された。
「む、失礼な。こんな美人さんが微笑んでいるんだからむしろ見惚れなさい。」
「いや~。たしかにこうキリッとしているときはかっこいいんですが、さっきの顔はたとえるならば本物のBLを生で目撃した腐女子か、幼女を前にしたロリコンなみの顔でしたよ。さすがに目が血走ったりはしてませんでしたがよだれたらしてましたし。」
くっ・・・反撃したいがよだれをたらしてしまっていたのは事実だ。これからは気をつけないと。だが、今のように自分の好きなものに囲まれていたら顔がにやけてくるのはしょうがないと思うんだが…。そのうち今度はこいつの弱点を探して反撃してやろ。
そんな少々レベルの低めな会話をして歩いていると、少し前を歩いていた案内の作業員のおっちゃんが立ち止まって振り返り、
「主任、姉崎さん。つきました。あそこらへん一帯が現場です。」
そういって奥の突き当りを指差した。
その採掘現場は、なんと言うか幻想的?だった。突き当たりの一部が最近崩されましたといわんばかりの土質で、その中からサンプルと同じような色をした鉱物の壁が、作業灯の明かりを反射して鈍い銀色に輝いていたのだから。
一瞬、ぼぉっと見とれてしまった。それは珍しくいつも隙がない主任も同じようで、ほうけた顔をしていた。
ま、いつまでもほうけていてもしょうがないと思い、持ってきた作業道具一式を近くに置き、中からカメラを出して撮る。ちなみに私は、研究や調査といったことをしだすと、たとえ好きな物の前でもとたんに上がりきっていたテンションが下がり、冷血な研究者の顔になる(と友達によく言われる)。どうも集中すると、テンションをあげるなどといったことには気が行かなくなるらしい。
周りに落ちていた鉱物をサンプルとして採取し、ちょっと惜しい気がしたけど壁から純度の高そうな所を探し、サンプルを採るために鏨をあてハンマーで叩く、が・・・。
「なにこれ、鏨の刃が負けた。ここまで硬いとは・・・。」
そう、いままでいろんな現場でともに戦ってきた(おおげさ)鏨の刃が見事につぶれたのだ。
それでもこの部分のサンプルが欲しかったので、何とかならないかと考えてると、
「その鉱物はそんなんじゃ削れんよ。もし削りたいならそこの削岩機を使うといい。」
と後ろから案内してくれた作業員のおっちゃんの声がかけられた。
削岩機なら何とかなるかもしれないな、と思った私は、お礼を言おうと思い振り返ると、そこでは主任と作業員のおっちゃんがシートを広げ、のんきにお茶してやがった。
くそ、うらやましいな。つか、あの荷物どこに持ってたんだろう。二人とも手ぶらだったのに。
お茶は後でたかるとして、ヘルメットと保護めがねをかけ、おいてあった削岩機を持つ。余談だが、この削岩機って結構重い。ところが、私の体の便利なところのひとつである、女子どころか少々人間離れしかけている筋力(でも見た目は細い)はこれを片手で軽く振り回すことを可能としている。これが回りに知れ渡ったとき、大学のすべての運動系サークルが勧誘大作戦を決行した。かなり過激なものであったが(普通勧誘するだけなら“罠”とかは使わない)、それらをすべて撃退したことにより、変体のほかにバーサーカーとか呼ばれていた時期があった。はっきり言って忘れてしまいたい過去だ。
そんなことを思いながら削岩機を動かす。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ・・・
むぅ、やっぱりかなり硬い。それほど純度が高くないのにこの硬さ。純度が高かったらそれこそ手も足も出なかっただろう。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ・・・
くそ、まじめに硬い。あ、でも少し削れてきた。やっぱり機械って便利だよね。
――ふと、頬を、暖かい風がなでた気がした。・・・このときは気にならなかったが。
ガガガガガガガガガッ ガコン!・・・ピキッ!ピシピシピシ・・・
突然、削岩機の刃を当てていたところにいきなりヒビが入り、そのまま貫通してしまった。が、そこを見ると、貫通したところを中心にヒビができ、そのヒビが壁一面に一気に広がり、あっという間に坑道の床や天井に広がり――
「姉崎さん!危ない。早くこちらに――」
ドン!っという音とともに明かりが消え、おそらく主任であろう声が途切れる。
とっさに身をかがめて、冷静なところが無駄だといっているが来るであろう衝撃に耐えようとした、のだが・・・。
「!!?」
衝撃がこない。いや、それどころか浮遊感、というよりも落下しているきがする。
一瞬、自然に出来た室にでも落ちているのかとも思ったが、それにしては落ちている時間が長いし、落下速度が異常に遅い。
そんなことを考えていると、また、暖かい風が吹いた気がした。その瞬間、
ドサ!・・・ズルズル・・・べチャ!
いきなりいままで感じられなかった重力が戻ってきて、受身を取るどころか、覚悟も出きづに何かに叩きつけられた。そして、まわりの土砂と一緒に少し流され、あー、どっかに落ちたんだな、と鈍くなった頭で理解したときに、流されついた地面に漫画のような効果音とともに落下した。
くそ、いくらなんでも今の衝撃はやばい、と、さすがに意識が薄れてきた。脳内にアドレナリンでも大量に出ているのか痛みは感じなかったが、このままではまづいなーと思いっていると、目の前が光りだした。
「あー、こんなシーンをなんかのゲームで見たね。」
それは、直径5センチくらいの大きさの光球になると、近寄ってきて、
『すまない。この世界のものを引き戻す際に、ついでに引きずってきてしまったようだ。』
などとほざいた。
どうでしたか?こんな駄文で本当にごめんなさい。
まだプロローグなんでつまんないですね。
ちなみにこの物語はまだこの先どんな風に展開していくか決まってないので期待せずにお願いします。