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太陽が照りつける中、ロレンとアイリスは再び敵と対峙していた。敵の数は彼らに比べて圧倒的に多い。彼らの中でも、リーダーと思しき男が再び一歩前に踏み出した。
「まだ渡す気はないのか?」と彼は傲慢な笑顔で挑発した。
アイリスは、深く息を吸い込んだ。彼女の胸の中には過去の記憶やロレンとの絆、そして運命の石の意味が鮮明に浮かんでいた。彼女は石を高く掲げ、その力を全身に呼び込み始めた。空気が震え、遺跡の壁には神秘的な模様が映し出される。
ロレンもアイリスを守るため、剣を構え、準備を整えた。彼の剣は太陽の光を反射し、眩しい輝きを放っていた。
戦いが始まった。
残った闘士たちは、再び波のように二人に襲いかかった。ロレンはその剣の腕前を見せつけ、次々と敵を打ち倒していった。彼の動きは瞬時に判断されるもので、それを前に敵たちは次第に恐れを抱くようになった。
アイリスも負けてはいなかった。彼女は運命の石の力を利用して、石から放たれる光で敵を捉え、動きを封じていった。その光は純粋で力強く、一度その中に取り込まれると動けなくなる。
数分の間、闘士たちの多くがアイリスやロレンの前に倒れていった。しかし、リーダー格の男はまだ、彼らを睨みつけていた。
「運命の石の力、興味深い...」と、彼は冷ややかな笑みを浮かべながら、アイリスに襲い掛かった。彼の動きは他の闘士とは異なり、非常に速かった。
アイリスは石の力をさらに増幅させた。リーダーの男との間で、光と闇の戦いが繰り広げられていた。その間、ロレンは他の闘士たちを食い止めていた。
アイリスは一層集中し、運命の石からさらなる力を引き出した。強力な光がリーダーの男を包み込み、彼を遺跡の外へと吹き飛ばした。
戦いが終わり、遺跡の中には静寂が広がった。アイリスは運命の石の力を一時的に使い果たし、疲れきって膝をついた。ロレンは彼女の側へと駆け寄り、彼女を支えた。
「大丈夫か?」と彼が心配そうに尋ねると、アイリスは微笑んで「ありがとう、ロレン。」と答えた。
二人は改めて、運命の石の力とその重要性を実感した。そして、それを守るためにはどんな困難も乗り越えられるという確信を得たのであった。




