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遺跡の深部に進むにつれ、二人の胸の鼓動が重くなっていった。空気の重み、湿度の高さ、そして歴史の圧迫感が、その先に何か大きなものが待っていることを予感させていた。


突然、アイリスの足元に柔らかな光が差し込んだ。ロレンもその変化に気づき、足を止め、目を細めた。彼らの目の前には、巨大な扉が佇んでいた。その扉にも、アイリスの手の印と似た模様が描かれていた。アイリスの目がその模様に引き寄せられた瞬間、彼女の左手に刻まれた紋様と酷似していることに気づいた。


「これは…!」アイリスの声は驚きと興奮で震えていた。


ロレンもその紋様を凝視した。「アイリス、それはお前の手にある模様だな。」


アイリスは、迷いなく自らの左手にある紋様をその模様の上に合わせた。すると、扉は微かに振動し始め、静かな轟音とともにゆっくりと開いていった。扉の先には、圧倒的な光に包まれた部屋が広がっていた。その部屋の中心には、小さな台座があり、その上に一つの輝く石が安置されていた。その石は紫の光を放っており、まるで星のようにきらきらと輝いていた。


アイリスはその石に夢中になり、足を運んだ。彼女の足取りは軽やかで、まるで運命の石との出会いを待ち焦がれていたかのようだった。


石に手を伸ばした瞬間、アイリスの身体は強烈な光に包まれた。彼女の頭の中には、先祖の記憶、ファローネアの歴史、そして運命の石との絆が次々と流れ込んできた。」先祖の記憶、ファローネアの歴史、そして運命の石との絆。その情報の量と質にアイリスは圧倒され、一度膝をついてしまった。


ロレンはすぐさま彼女の側へと駆け寄り、彼女を支えた。「アイリス、大丈夫か?」


アイリスはゆっくりと目を開き、ロレンに微笑んだ。「こんなにも多くのことを知らされるとは思わなかった。でも、今、私は自分の役割やこの運命の石との深い関連を理解した。」


ロレンは彼女を強く抱きしめ、安堵の息をついた。「これからは、私たちがその運命を継ぎ、ファローネアを守る番だ。」


アイリスは頷き、新たなる冒険の始まりを感じていた。運命の石と共に、彼女はこれからの未来へと一歩を踏み出した。


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