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二人の足音が遺跡の石の間に響いていた。彼らの足跡は、古代の遺跡の狭い通路に響き渡り、長い時間を経て風化してきた彫像や壁画と対照的に鮮明であった。その奥には、多くの伝説が語られる運命の石が眠っていると言われている場所、遺跡の中心部へと続いていた。
アイリスの瞳には興奮が宿っていた。彼女の胸は期待で高鳴り.その石に隠された秘密や彼女自身の運命についての答えを求めていた。一方、ロレンは冷静に周囲を警戒していた。彼の剣は手元にしっかりと握られ、どんな突然の襲撃にも備えている様子だった。
「ロレン、そこだ!」アイリスが指を指す先には、大きな扉が立ちはだかっていた。その扉には、アイリスの手の印と酷似した模様が彫り込まれていた。
ロレンは瞬時にアイリスの手を掴み、その模様に合わせて手を当てた。一瞬、何も起こらないかと思ったが、少しずつ扉が開き始めた。その向こうに広がるのは、床から天井まで光り輝く宝石が埋め込まれた部屋と、その中心に祭壇のような場所が存在していた。
アイリスは祭壇の上にある小さな石を目にした。「これが…運命の石…?」
その石からは、彼女の魔法の能力を強めるような不思議な波動が感じられた。アイリスはゆっくりとその石に手を伸ばし、触れた瞬間、彼女の頭の中に数々の映像や情報が流れ込んできた。
彼女の家族の歴史、運命の石の起源、そして彼女の故郷ファローネアとの深いつながり。全てが一瞬にして明らかになった。アイリスはその真実に圧倒され、ひざをついてしまった。
ロレンがすぐに彼女の元へと駆け寄り、心配そうに声をかけた。「アイリス!大丈夫か?」
アイリスは深呼吸をして、立ち上がった。「ロレン…私の家族、私の運命、そしてこの運命の石の秘密。全てが繋がっていたんだ。」
彼女の目には新たな決意が宿っていた。運命の石を守り、ファローネアの未来を守るために、彼女は戦い続けることを誓った。
ロレンはアイリスの肩に手を置き、彼女を励ました。「私も君と一緒に戦う。私たちの使命はまだ終わっていない。」
アイリスはロレンに感謝の笑顔を向けた。「ありがとう、ロレン。私たちの冒険はこれからだ。」




