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新たな扉を通り、アイリスとロレンは遺跡の広い中庭のような場所へと足を踏み入れた。庭には緑があふれ、古代の彫刻や彫像が点在していた。静寂が広がり、二人の息遣いだけが響く。
「ここは…あまりにも広大だ。」アイリスが驚きの声を上げたとき、急に遠くから足音と物音が聞こえてきた。
「気をつけて、アイリス。あれは…」ロレンはすぐにアイリスの背後を取り、警戒の姿勢をとった。
数十人の兵士が、彼らの方へと急速に接近してきた。彼らは遺跡の入口から入ってきたようだった。先頭に立つ男は、アイリスとロレンをにらみつけながら言った。「運命の石を持っているなら、今すぐ渡せ。」
ロレンは「そんなもの、私たちが持っていると思うか?」と返した。
男はにっこりと笑い、「あの石碑の扉を開けるのは、あなたたちだけではない。君たちがどこに隠したのか、我々にはわからない。だが、君たちを捕らえることはできる。」
アイリスはその言葉に反発して、力強く言った。「私たちは何も隠していません。しかしあなたたちのような者たちに、運命の石を渡すわけにはいかない。」
その瞬間、兵士たちは二人に向かって突進してきた。ロレンは剣を抜き、アイリスの側で戦い始めた。アイリスも自らの魔法の能力を使い、兵士たちを撃退していく。
戦いの中で、アイリスは自分の中に新しい力が湧き上がるのを感じた。彼女の手の印が光り始め、彼女の周りに強烈な光の壁が出現した。それは彼女を守り、同時に敵を撃退する力となった。
ロレンもその光を見て驚き、「アイリス、それは…!」
「私の新しい能力…これまでの冒険を通じて、私の中に湧き上がった新たな魔法の力かもしれない。」アイリスは光の中で、自分の力と運命を確信し、敵に立ち向かう決意を固めた。
その強烈な光の力により、兵士たちは一時的に撤退した。アイリスとロレンはその隙に遺跡の奥へと逃げ込むことにした。
ロレンはアイリスの手を取り、「素晴らしい力だ、アイリス。しかし、今はこの場から逃げることが先決だ。」
アイリスはうなずき、「ありがとう、ロレン。でも、運命の石を守るため、戦わざるを得ない時がくるかもしれない。」
二人は息を切らしながら、遺跡の奥へと駆けていった。




