14
森の中、落ち葉が積もった地面に二人の旅人が落ち着いていた。月明かりが木々の間から差し込み、静かな光景の中、火の炎が揺らめいていた。アイリスとロレン、二人はそれぞれの思いに沈んでいた。
アイリスはペンダントを火の光で照らして眺めていた。ロレンが彼女の横に座り、燃える火の温かさに手を伸ばした。しばらくの沈黙の後、彼は言葉を綴り始めた。
「アイリス、君はどんな場所で育ったのだろうか？」
アイリスは驚きの目を向けることなく、静かに答えた。「小さな村で、山と川に囲まれた場所。母と父、それに妹と共に暮らしていた。」
ロレンは微笑んだ。「それは素晴らしい。私は都市の中、石畳の道と高い建物の間で育った。君の話を聞くと、自然と共に生きるというのは魅力的だな。」
アイリスは頷いて、懐かしそうに語り始めた。「私の村には古い伝説があって、それが私をここに導いたのかもしれない。」
「伝説？」ロレンの目が輝いた。
「運命の石に関するもの。」アイリスが続けた。「このペンダントを受け継ぐ者は、大きな力を持つと言われている。私は信じていなかったけど…」
ロレンは深く息を吸って、「私たちが今ここにいること、そしてアイリスがその石を持っていること、すべては運命だったのかもしれない。」
アイリスは目を閉じ、「だとしたら、私たちの夢や願いはどうなるのだろう？」と小さくつぶやいた。
「私は平和な世界を願っている。」ロレンが答えた。「そして、私たち二人なら、この混乱の世界に変革をもたらすことができるだろう。」」
アイリスはロレンの手を握り、「私も同じことを願っている。私たちの力を組み合わせれば、必ずや新しい世界を築くことができるはずだ。」
二人は火を囲んで、それぞれの過去や夢、願いを共有し合った。その夜、彼らの心は一つになり、新たな冒険と挑戦に向けての準備が始まったのだった。
