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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第2章 高校1年夏
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第2-39話 剛速球

2回裏の稲川実業の攻撃


4番の松原からの攻撃


準決勝では散々な内容であった松原だが、この試合では息を吹き返してくれているのだろうか?


松原のバッティングに注目が集まる。


一方バックネット裏のスタンドでは、準々決勝、準決勝を観戦したメンバーに、美希と近藤も加わり6人が観戦していた。


スタンドが観客で埋め尽くされているので、男子3人と女子3人が別々の場所に座って観戦した。


耕太「やっぱり来てないな」

勝利「うん。でも大事な試合だから、来ると思うんだけど。」


近藤が何の事だか聞いてきたので、耕太が小鳥の事を近藤に話した。


「あの松原が意外だな。でも何とか合わせてあげたいな。想いを貫けば叶う所を見届けたいよ。」


まるで自分の事を言っている様にも聞こえる。


耕太「そう言えば、美希ちゃんとはどうなったんだよ?」


「たまにLINEがくる様になったけど、進展は無いよ」

耕太「そうか、でも今までよりも脈がある感じだよな」

「原因は分からないけど、俺もそんな気がする。俺の気持ちは何も変わらないんだけど・・・」


耕太は近藤の肩を軽く叩きながら、「いつかは、その気持ちが伝わると思うよ」

と慰める様に近藤に言った。


そんな話をしていると、審判の「プレイボール!」で試合が始まる。


今日の松原はスタンドを気にせず打席に入り、マウンド上の柏木を睨みつけながらバットを構えながら、自分に言い聞かせている。


(こんなみっともない姿を見せたら、会えるのも会えなくなってしまう。お前と練習したバッティングを見ていてくれ!)


柏木は大きく振りかぶり第一球目を投げた。


アウトコースからベースぎりぎりをかすめながら曲がった球はミットに収まった。


ストライク!


そして第二球目


インコースに投げ込んだ渾身のストレートを弾き返した。


打球はレフト前に痛烈な打球が飛んでいく。


稲川実業もノーアウトのランナーが出塁した。


今日の松原は準決勝の様に、気の抜けた状態は消え失せてしまっていた。


しかし5番がバントを成功させたものの、後続が討ち取られて2回裏も0点で終わった。


3回表

マウンドに向かう祐輔が松原に声を掛ける


「今日は大丈夫だな」


「もう、前の試合みたいな事は無い。あんな不甲斐ないところを小鳥に見せる訳にはいかないからな」



試合は祐輔と柏木の投手戦が、続いていく。

久我海は、ヒットを放つが連続でヒットが出ていないで、点を奪えない。

一方稲川は、フォアボールやエラーで塁に出るもののヒットは放てず、2回に放った松原のヒットを一本で抑え込められていた。


スタンドでは

(勝利)「6回まで終わったけど、久我海の方が優勢だな。あの柏木って投手は凄いね」

(耕太)「何言ってるんだよ。まだまだ祐輔の力はあんなもんでは無いぞ。後半に向けて抑えて投げてただろ、後半は全力で投げると思うぞ。」

近藤「今日の柏木から点を取るのは、かなり厳しい。後半に全力で投げても久我海の打者は当てるのが上手い。それに比べて稲川はヒット一本に押さえ込まれているからな。厳しい戦いだな」

勝利「でも祐輔なら大丈夫だよ。絶対に」


7回表、3番鈴木から始まる打順だ。


鈴木は、完全に祐輔の球を見極めている様なので、最も嫌な打順と言える。


マウンド上の祐輔も一段と険しい顔付きで、バッターボックスの鈴木を睨みつける。


もう一本も打たせない!


鈴木へ向かって大きく振りかぶり、第一球目を投げた。


ストレートがインコース低めに決まった。


ストライク!


第二球目、同じくインコース低めにストレートの軌道でストンと落ちるフォークボールを鈴木は空振りした。


ツーストライク


三球目は外に外れるカーブを見送りツーストライクワンボール


そして四球目


サインはインコース高めのストレート。ストライクゾーンより高い位置に構えているキャッチャーミットに投げ込んだ。


唸りをあげる球に鈴木がフルスイングをしたが、バットは空を切った。


ストライクバッターアウト!


続くバッターは4番の佐田が打席に入る。


ボールを握りしめ、心の声で気合いを入れる。


コイツにも打たせない!


2球続けてファールを打った後の3球目


胸元に豪速球が襲い掛かる。


佐田はバットを振る事も出来ず見逃したが、審判は右手を高々上げて


ストライク、バッターアウト!


そして初回にヒットを放っている1年の羽鳥がバッターボックスに入る。


打席に入りながら、羽鳥もこの打席に全てを掛けて


「絶対に打ってやる!」


マウンド上の祐輔も負けずと闘志を燃やしているのが伝わってくる。


勝負はストレートのみで勝負して、一度もバットに触れる事は無かった。


ストライクバッターアウト!

スリーアウトチェンジ!


スタンドが騒ついている、クリーンアップを三者三振で迎えた事もそうだが、電光掲示板のスピード表示もスタンドを騒つかせる要因であった。


電光掲示板には


155kmの表示が映し出されていた。


雰囲気は一気に稲川実業に移った様にみえたが、柏木も4番から始まる打線を3人で抑え込んだ。


そして8、9回と雄輔は三者凡退に切って落とした。


そして9回裏、1番打者から稲川実業の攻撃が始まる。


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