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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第2章 高校1年夏
93/252

第2-36話 竹丈高校

7月26日(土曜日)

西東京大会準決勝


稲川実業 対 竹丈高校


先攻は稲川実業で試合が始まる。


今日も前回同様、勝利、耕太、彩香、奈緒、詩音の5人でバックネット裏の席に座った。


ただし前回と違うのは、夏休みプラス土曜日だけあって球場が混んでいる事だ。

準々決勝の時みたく横一列に並ぶ事は出来ず、耕太と勝利の二人で並んで座り、その前の席に彩香と奈緒そして詩音が座った。


耕太「小鳥ちゃん来てるかな?」

「うん」だけど探したらどうするの?」


「決まってるだろ!連絡先を聞くんだよ」

「そうか。そうだよな。じゃあ探そう」


前の席の3人にも耕太が呼び掛ける。

「みんなも小鳥ちゃん見つけたら、連絡先を聞いてくれよ」


その言葉に詩音がすぐに反応する。

「分かった!」


そんな話をしていると試合開始のサイレンが球場に響いた。


一番打者が初球をセンター前に運ぶ。そして2番打者が送りバントをする。

ワンアウト2塁


初回から先制点のチャンスを迎える。


ここで稲川実業が頼れる3番足利と4番松原の登場だ。


1ストライク1ボール

続く三球目、アウトコース低めから落ちるフォークボールに手を出してボールに当てるが、浅いレフトフライでアウトとなる。


ここで4番松原の登場だ。


バッターボックスに向かいながらバックネット裏が気になっているのか、チラチラとバックネットに目がいっている。


まだ回も浅いせいか、バッテリーは勝負を挑んできた。


アウトコースへのスライダー、アウトコースへのフォークボールの二球とも珍しくバットが空を切る。


そして三球目。インコースのフォークボールにバットは空を切った。


ストライクバッターアウト!


えっ三振?


松原が2回振ってボールに当たらないなんて事は今まで無かった。


しかも、今の打席は3回もバットを振っているにも関わらす、バットに擦りもせず三球三振に終わった。


そして後攻めの竹丈高校の攻撃は3者凡退で終わる。


祐輔も好調そうだ。


2、3回は、ヒット性の打球を放つものの、竹丈高校の鉄壁な守備の前にノーヒットに終わる。


対する竹丈高校は、4番がヒットを放ったものの後続が続かず無得点で終わる。


4回の表は2番からの好打順から始まる。


2番打者が打席に入り、2球目


鋭い打球が三遊間に飛んだが、ショートが深い位置で捕球して、矢のような球をファーストに投げて、間一髪アウトとなった。


そして3番足利が左打席に入る。


初球


カキーン!


鋭い打球がライト、センター間を抜いた。

フェンスに当たったボールの目測を誤ると、打った足利は三塁に向かった。


ショートが中継に入り、サードに矢のような球を投じたが、間一髪手がベースに触れるのが早かった。


セーフ!


足利は3塁ベース上でガッツポーズを見せる。


外野フライでも点が入る状況で、4番松原が打席に入る。


この状況でも、スタンドが気になるらしい。

打席に入る間もスタンドをチラチラと見ながら打席に入った。


ここでも信じられない光景が目に入った。


なんと2打席連続で3球三進!


悔しがる松原


下を向いたままベンチに戻った。



結局4回も0点に終わる。


それにしても今日の松原は、まるで別人の様である。

ただ今日の祐輔は、2試合目という事もあり、リラックスしていて絶好調だ。1本ヒットを打たれてからは、四球を一つ許しただけで、ほぼ完璧に抑え込んでいた。


稲川実業もヒットは出るものの、要所要所を抑えこまれていた。


そして試合は7回を迎える。


7回表稲川実業の攻撃


この回は3番足利から始まる。


今日の松原は調子が悪く、いつもより肩の力が入る。


ヨシ!ここは狙っていくぞ!


意気揚々と打席に向かったのだが、結果は力み過ぎて大きなセンターフライに打ち取られた。

続く松原も右中間に飛んだ打球が、センターの好守備にはばかれアウトとなる。

続く5番もセンターフライに倒れる。


クリーンアップ3人が全てセンターフライで倒れた。


スタンドがざわつく。


注目の松原もいい所は無く、今までの稲川実業の試合から稲川実業が得点を重ねて来るだろうと観客の誰もが思っていたのだろう、まさか7回まで稲川実業が0点に抑えられるとは考えてもいなかった。

このチームは松原だけのチームでは無く、全体の打力が高い。それほど竹丈高校の投手と守備力が凄い事の証明であった。


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