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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第2章 高校1年夏
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第2-30話 激しい運動・・・とは?

(勝利)


7月17日


昨日の手術から1日経って、ようやく気分も落ち着いて、平常の状態に戻っていた。

とは言っても、動くとちょっと痛みが襲う。


莉乃は、これの何倍も痛みや苦痛を味わっているんだろう。

言葉で頑張れと言っていたが、いかに言葉が軽かったのだと感じる。


術後の点滴、採血等を午前中に終えてから昼食を食べ終えると、このままベッドで過ごすと体が鈍りそうなので、売店や中庭等に散歩しに病室を出て行った。


中庭には軽い散歩道があり、ベンチも置いてある。僕は散歩道のベンチに座ろうとしたが、日陰のベンチは他の患者が座っていて空いてるベンチは日向のベンチしか空いておらず、日向のベンチに腰掛けた。


それにしても、暑いなあ〜


公園の中央にある時計台を見ると、午後1時を指している。


試合が始まる時間だ


僕は自然と手を合わせて祈る様に心で呟いた。


「頼む、勝ってくれ!」


それにしても暑い。1回売店で飲み物でも買って病室に戻ろう


売店で飲み物の代金を売店職員に支払おうとした時、

「買ってあげるよ」


後ろから声がする。


「あっ社長さん」

とつい声を出してしまう。


そこには父の会社の社長であり、莉乃の父親の姿があった。


「あっありがとうございます。」


「飲み物だけでいいのかい?」


「はい」


莉乃の様子はどうなんだろうか?


「あの、すいません。莉乃ちゃんの様子はどうですか?」


「ちょっと熱が上がってるみたいだけど、先生が言うには問題無いみたいだよ」


僕は胸を撫で下ろした。


「ごめんな。骨髄の提供までしてくれたのに、面会も出来なくて」


「いえいいんです。治ったら今まで会えなかった分まで会いますから」


「そうだな。ところで野球は大丈夫なの?」


「はい。今日と19日の試合は僕無しで戦ってくれるんです。僕は21日の準々決勝から復帰する事になってるんですよ」


「えっそんな早く大丈夫なのか?」


「明日か明後日に退院できるので、21日の試合には何としても間に合わせます。」


「ちゃんと先生に聞いた方がいいぞ。確か2週間ぐらい運動は控える事になっていると思うが・・・」


「あっそれなら、ウチの父も知ってましたよ。でもそんなのは根性だと言ってました。」


莉乃のお父さんは片手で顔を覆う

「ダメだよ!この事だけはお父さんの言う事を信じてはダメだよ。ちゃんと先生に聞いて、許可がおりてから試合に出ないと、大変な事になってしまうからね。私からもお父さんにも言っておくから」


確かに父は何も考えずに言っているのは分かっている。


だけど・・・


取り敢えず、ここでは「はい」と、素直に返事をしたのであった。


そして病室に着くと奈緒から着信が入った。


「勝利!勝ったよ。それもコールド勝ちだよ」


やったー


「4回戦をコールド勝ちなんて凄すぎるよ。」


「次の試合もコールドで勝つからね。」


「おう、頼むぞ!」


「イエス!頼まれだよ」


やけにハイテンションの奈緒との電話を終える。


良かった


あと1勝!



7月18日


予定では今日か明日に退院となる。

午前中に担当医が病室に訪れる事になっているので、両親も早めに病院に来て医師が来るのを病室で待っている。


そして10:00になり医師が病室に入って来る。

親と僕に向かって話し始めた。

「小野さん、骨髄の提供ありがとうございます。特に感染などの影響もないので、明日の午前中に退院できます。」


父が何時から退院していいのか聞くと、朝の採血が終わって結果が出てからの退院と告げられ、10時以降ならいつでもいいと言われた。


10時かあ〜


ちょうど心城学園の5回戦が始まる時間だ。


試合前に皆んなと会いたかったが、試合の途中からの観戦となる。


動いていい時期を聞こうとしたが、医師に確認して2週間と言われたら嫌なので、僕からは医師に聞かないでいた。父も察していたのか医師に質問をしない。


すると医師が「あっそれと激しい運動は2週間ぐらい空けてね」

軽い口調で話を切り出した。


すると父が笑顔で

「分かりました。」と医師に答える。



どうしよう


そして医師は病室を出て行く。


父「勝利よかったな」


「えっ何が?」


「試合だよ試合。出ても大丈夫だって言ってたな」


「何言ってるんだよ、次の試合は21日だよ。全然よくないよ!」


「お前こそ何を言ってるんだ?激しい運動を控えろと言ってただろ?」


「この炎天下で投げるのは、思いっきり激しいよ」


「そんなの気の持ちようだ!」



本当にこの父は・・・


「俺が止めろと言って止めるのか?どうせ試合に出るんだろ?それだったら俺が後押しした方が気分的に楽になるだろう」


母も続いて「そうよ。よかったわね」


本当に僕の体の心配してるのだろうか?


でも、父が言う通り踏ん切りがついた。


よし準々決勝、頑張るぞ!


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