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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第2章 高校1年夏
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第2-22話 初めての公式戦

雨が降り頻るマウンドに向かう。

耕太のミットに目掛けて軽く投球練習を終えると耕太がマウンドに近づいて来る。

「さっき東京三校の選手達が帰って行ったから思いっ切り投げていいぞ!」


「分かった」

それにしても第一シードのチームが偵察に来ていた事に驚いた。


多分、荒川学園の偵察だと思うが


「プレイボール」


これが僕の初めての公式戦

ただ雨が心配で想いにふける時間も無い。


かえって変な力が入らなくて丁度良かったのかもしれない


耕太のサインを覗き込む。サインはストレート

ランナーは2、3塁なので、セットポジションから耕太のミット目掛けて投げ込んだ。


「ストライク」

審判の声が響いた。


続く2球目もストレートが外角の低めに決まり、ツーストライク


そして3球目も内角高めのボールになるストレートを投げると、打者がボールを目掛けてフルスイングをしたが、バットは空をきった。


「ストライクバッターアウト!」


そして5回裏の攻撃が始まる。(6-4)


ベンチ前で円陣を組み監督が話し始める。

「この回が終わると試合が成立してしまう。絶対にこの回で追いつくぞ」


打順は3番の川田から始まる。


相手投手も、このまま雨で中止にならない様に、早いテンポで投げ込んできたが、制球が定まらず川田を四球で歩かせた。


ノーアウトランナー1塁


続く近藤が左バッターサークルに入り、投手が投げるのをじっと待っている。

前の打席の不甲斐ないバッティングに自身で怒りをあらわにしていた近藤は、かなり力んでいる様に見える。


これはマズイかな


しかし1球目、僕達の不安は吹き飛んだ。


カキーン!!


大きな金属音が響き渡ると打球はライトスタンド上段に飛び込んだ。


やったー


ベンチは大騒ぎだ。


打った近藤も小さなガッツポーズを見せた。


夢を見ている様でゾクゾクと寒気がした


この熱量

これこそが高校野球


ヨシ!同点だ


続く耕太は、力まずセンター前のヒットを放つ。


6番打者が送りバントを決めて、ワンアウト2塁


7番はレフトの3年の大竹だが、この大会で唯一ヒットを打っていない。


ベンチから声援が送られる。

奈緒も一生懸命声援を送っている。奈緒がベンチにいるのは、なんか不思議な感覚だ。


カキーン


その音にグラウンドを見ると、打球は右中間を破る。

しかし雨で芝が水を含んでいて、フェンスまで届かないところでボールが止まった。


あまり足が速くない耕太は、三塁ベースをけってホームに突入する。

ボールはセンターからショートに渡りホームに投げ込まれる。


耕太はホームベース手前からヘッドスライディングをする。

キャッチャーのミットにボールが収まり耕太にタッチをしようとするが、耕太の手はすでにホームベースに触れていた。


やったー逆転だ!


耕太も真っ黒になったユニフォームで大きなガッツポーズをしてベンチに帰って来た。


奈緒「耕太、カッコいいよ!」

と耕太に大きな声で伝える。


少し恥ずかしそうに

「おう」

と奈緒に言葉を返した。


監督「よし、この回は早く終わらせなければならない。三振でいいぞ!」


その言葉を聞いていなかった8番打者だったが、結果三振に倒れる。


そして僕の打順だ。

でも殆ど打撃練習をやらなかった僕が打てる訳もなく、3球で三振となった。


5回が修了した。


僕達は6回表の守備につく。


もう野球をやるレベルでは無い様に思うが・・・


ただ僕は耕太のミットを目掛けて投げ込むだけだ。


一人目の打者が辛うじてバットにボールが当たったが、ファーストへの小フライで1アウト、続く打者は三振。

ここで審判が試合を中断させる。


両軍ベンチに戻り、審判の判断を待ったが、試合を再開する事なく試合修了となった。


何とか2回戦を突破した。


試合が終了して、後片付けして球場を後にしようとした時、川田に話しかける生徒がいた。


あれ?うちの制服では無いな


と見ていると、奈緒が近づいて来て、

「東京三校のキャプテンだよ」


東京三校は帰ったのではなかったのか?


川田「何だ観てたのか?」

「あの最後の投手は誰だ!」


「うちのエースだ。お前達に土をつけるピッチャーだよ」

「何年生だ?あんなの居たか?」

「1年生だよ。今日の試合でホームランを打った二人も1年生だ。お前達も、心城学園を舐めてかかると痛い目にあうぞ!」


すると何も言わず帰って行ったのであった。


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