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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第1章 中学卒業
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第1-17話 遠のく夢

練習試合当日


3人で心城学園のグラウンドに行くと、近藤の姿を見掛ける。


耕太が近藤に声を掛ける

「近藤も来ていたのかよ」


「まあ、甲子園を一緒に目指すチームだから一応な」


「俺の高校は甲子園に行けるだろうけど、ここはどうだろうな?何人か上手くても甲子園は難しいぞ」

祐輔が指摘する


公式戦の実績も無い僕は会話に入れない。


「勝利が1点もやらなければ勝てるだろ。なあ勝利」


「う、うん」


心城学園のベンチ裏のネット越しに4人は試合を見学する。


心城学園の先攻で試合が始まる


左腕の澤村が完全に3者凡退と順調な滑り出しだ。

1番の本田も簡単に三振してしまう。


驚いたのは1回裏の東京三校の攻撃だ。


投手中心のチームだと思っていたが、エースの安川の球を簡単に弾き返し、一挙に5点を先制した。


「東京三校って投手だけのチームでは無いのかよ」

近藤が呟くと祐輔が話し出す


「だから、甲子園はチーム全員の力が無いと勝てないんだ。チームの何人かが上手くても甲子園には行けない」


すると後ろから声がする


「そうだね。君の言う通りだよ。でも今の心城学園の1年は磨けば光りそうな逸材が揃っている。君達が加わればきっと輝き始めると思うよ」


「こ、校長先生?」


僕と耕太は慌ててお辞儀した。


「今日の試合を見て欲しかったのは、今の現状を見ても入学してくれるか判断して欲しいから呼んだんだよ」


近藤が校長に宣言する

「俺達が入れば絶対に甲子園に行きますよ。そのために心城学園ここを選んだんですから」


言っている事は頼もしいが、校長に対する話し方では無い


祐輔の助言も近藤には通じない


これはこれで大変だ


結局試合は15対0で終わった。


こんなに差があるのか・・・


心城学園を後にしようとグラウンドから校門に向かっていると、吹奏楽の演奏が聞こえて来た。

近藤「おっ吹奏楽かあ。俺の彼女も吹奏楽やってるんだよ」



皆んなが一斉に食いつく。


耕太「お前が彼女?嘘だろ?」

祐輔「動物愛好家か?」

近藤「ふざけるな!俺の彼女に何て事を言うんだ。」


耕太「いつから付き合ってるんだよ?」

近藤「実は昨日、いきなり付き合って下さいって、言って来たんだよ。ほら証拠写真」

みんなに写メを見せつけた。

祐輔「あっ」


僕も覗き込みと、近藤の写メに写っていたのは、莉乃の友達の美希ちゃんだった。


そうか、だから珍しく祐輔が女の写真に反応したんだ。


耕太「あれ?この子って確か、」

祐輔が耕太の口を塞ぐ


近藤「何だお前達、妬いてるのか?今度紹介してやるよ」


全員で

「いや、いいよ」


耕太「そういえば、ここの吹奏楽って強いらしいんだよ。確か奈緒もここから吹奏楽で推薦来てたけど、断ったらしいぞ」

「へえ〜そうなんだ。知らなかった」

祐輔「また、この二人のバカに付き合うのが面倒くさかったんだろう」


「そういう祐輔は、誰が好きなんだよ?」


少し照れ臭そうに

「女?まあ敢えて言えば彩香かな」


少し落ち着きがなさそうに、そわそわしている。祐輔のこんな表情を始めてみた。


耕太「じゃあ、付き合っちゃえよ。」

祐輔「俺もこれでも考えがあるんだよ。中学校の卒業式に告白する。」


「今でも付き合えると思うよ?」

「これでも、この5人の関係は好きなんだよ。だからバラバラになる最後の日にしたんだ。もうこれ以上、言わせるな!」


何だ。普段滅多に口にしない5人の関係を、祐輔がそんな風に思っていたとは意外だったが、何だか嬉しかった。


すると耕太が

「よし!俺も卒業式。奈緒に告白するぞ!」


僕は莉乃に告白する事は無理だろうけど、せめて喋れる様になってたらいいなあと思っていた。


そして甲子園への不安だけが積もった日曜日は終わった。



今日も莉乃にLINEを送る

(今日は心城学園の試合を観に行きました。結果は大敗、前途多難です。それと近藤が美希ちゃんと付き合ったと言ってたよ)


すると10分後に返信が届く

(美希は高校野球オタクだから、高校で活躍しそうな人に交際を申し込んでいるみたい。困ったものです。最後に言った人が付き合ってくれたと喜んでました。)


これは恋愛と言うのだろうか?


そして最後に

(おやすみ)

すぐに

(おやすみ)

これが僕と莉乃の日常だ。


ちょっと物足りないけど、この頃は写メも送ってくれるので、少し近づいた気分になる。


早く会える日がくるといいなあ

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