表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第1章 中学卒業
37/252

第1-12話 莉乃と奈緒

月曜日(奈緒)


朝の登校時に、勝利のキャンプでの恋を知り、勝利を誘惑した女を許せなかった。


グランドのベンチに座っていた勝利に、そんな子を私は認めないと大声で叫んで、教室に入って行ったのだが・・・


席に座りながら、さっき勝利に言った言葉を思い出す。

どう考えても、私が勝利を好きだと言っている様にしか思えない。

確かにその通りだけど、恥ずかしい。


どうしよう

まだグランドに居るのか、横の席の勝利は、まだ来ていない。

勝利が来るのをドキドキしながら待っている。


うわぁ、ドキドキしすぎて苦しい。


予鈴が鳴る。


すると勝利が前のドアから教室に入って来た。

一歩一歩、私の席に近づいて来る。

そして、席に座った。


私は勝利に

「ねえ〜ショ〜ウリ」

あれ?声が震える。

「どうした奈緒。声が震えてるぞ」



あれ?


普通・・?


あの言葉の意味を理解していない?


「さっきの事、だけどさあ」

と話し掛けると

「まったく大きな声を出して、ビックリしちゃったよ。いきなり認めないなんて言われて、お前は俺の母親か?」

いつも私に言う口調で言ってきた。


それを聞いて心の中で

(私の方がビックリだよ。)

声に出さずに勝利に言った。


そして授業が終わると勝利は帰り仕度をして教室を出て行く。


私は勝利を追いかけた。


校門の所でやっと勝利に追いついた。

「勝利、一緒に帰ろう。」

「一人で帰る」

と言われる。


「昨日は置き去りにしておいて、その態度はヒドイと思うんだけど」

「分かったよ」


「ねえ、そのキャンプで出会った子って、どんな子?」

今日1日、気になっていた事を質問する。

「えっ莉乃の事?う〜ん、何て言えばいいのかなあ?」

勝利が考え込む


「じゃあ、その子の何処を好きになったの?」

「う〜ん。全部かな。」


全部って?

3日しか、その子と会っていないのに?


「全部?」

「うん、全部」


何なのよ!

そう表現されると、余計気になる。


無性にその子に会ってみたくなった。


「ねえ、その子って何処の中学校なの?」

「池女だよ。」

「池女って、彩香が行く池岡女学園?」

「うん、その中等部」

「へえ〜頭いいんだ」

「うん。お前と違ってな」


何かムカつく


「そっか、でっ誤解は解けそうなの?」

「電話にも出てくれないし、LINEは既読無視」

「そっか、じゃあ終わりだね」

「それは絶対に無いよ。俺が諦めないから」

「それってストーカー宣言?」

「えっそうなるのか?」


「まあ拒否している相手を追い回せばそうなるんじゃない?

恋人だったら、しつこく誤解を解こうと連絡を取るのは分かるけど、恋人でも無い人に、しつこく電話するのはどうかと思うよ」

「言われてみれば、確かにそうだな。でも、どうしよう?」

「それは自分で考えてよ。でも、ちょっと間を空けた方がいいと思うよ。」

「確かにそうだな。ちょっと間を空けてみるよ。ありがとうな奈緒。俺、頑張るから」

と言って走って帰って行った。


何が「ありがとう」よ!


でも私はその子に凄く興味を持った。


家に帰り、池女の情報を見る。


私達、公立中学校は土曜日が休みだが、私立の池岡女学園は土曜日も午前授業が行われている。


う〜ん土曜日かあ


やっぱり、どんな子が勝利をそこまで想わせるのか、物凄く興味を持った私は、土曜日に池岡女学園に行こうと決心した。


そして土曜日


よし!

私は池岡学園の帰宅時間に合わせて、学校に行こうと考えている。


服はどうしようかな?

制服?

返って目立っちゃうかな?


そうだ!

この前、勝利と出掛けた時の服を着て行こう。

もしかしたら、向こうから声を掛けてくれるかも


でも、怖い人だったらどうしよう

付き合う前にKISSする様な人なんだから、ちょっと派手な人なんだろう


もし絡まれてもいいように、なるべく人が多い所で待とう。

でも、どうやって探そうかな、莉乃って事しか分からないで行っても探せるのかな。


そんな事を考えながら、勝利と出掛けた時の服を着て、池岡学園の校門へ向かった。


池岡学園の校門に着いた私は、下校時間まで校門で待つ事にした。


着いたはいいが、本当に莉乃って子に会えるだろうか?


よく考えたら、会ってどうする?


とにかく遠目からでも莉乃って子をみたい。


自問自答を繰り返す。


あっ生徒が出て来た。


どうしよう。


大人しそうで一人で帰る子に声を掛けよう。


あっ来た。


背が小さくてメガネを掛けて、凄く大人しそうな女の子だ。


あの子なら声を掛けれそう。


「あの〜すいません。3年生ですか?」

「はい、そうですけど」

蚊の鳴くような声だった。


よし!この子なら聞ける!


「莉乃って子、知ってる?」

「莉乃に何か用ですか?」

「ちょっと知り合いの知り合いで、ちょ、ちょっと用事があって」


やっぱりテンパっちゃった。


横をちょっとチャラそうな女の子4人組が通ると、訪ねていた女の子が

「ねえ、アンタ達、莉乃呼んできて!」


えっ!


その女の子達が、急いで校舎の方に戻って行く。


するとその子が

「ごめんね。私はちょっと用事があるから帰るわね。さっきの子達が連れて来ると思うから、そこで待っててね」

私は呆気にとられ

「はい」

と返事をする。


あの子は何者?


でも莉乃って子を呼んできてしまう。


どうしよう


すると、あの4人組が2人の女の子を連れて戻って来た。


さっきのメガネの子がいない事を知ると、態度が一変して

「連れて来たわよ。私達は帰るからね。」

と帰っていく。


残った2人の1人が私の方に足を一歩踏み出して

「私が莉乃です。何か用ですか?」


イメージしていた子と違い、色白で切れ長の眼もクッキリとしていて、ストレートのロングヘアーも似合っている。


「あっ・・いや・・その・・」

言葉が出てこない

「勝利の彼女さんですよね?」

と、優しそうな口調で問い掛けてくる。

「いや、そうでは無いんですけど、ちょっと・・・」

すると横に居た子が

「何?アンタが勝利の彼女?」


えっ!

ちょっとこの子、怖い


「いえ、だから、違うんです」

と下を向いてしまった。


すると莉乃さんが

「もう美希、そう言う言い方やめてよ。それに何で美希が呼び捨てにするの?」

と横の子に注意する。


「どこかお店に入りましょうか?お腹空いちゃってるから、一緒にお昼食べようよ?」


あっいい人だ。


私は頷く


そしてファミレスに入った。

莉乃「私、Aランチにしよう」

すると怖い子も

「私も莉乃と一緒」

莉乃「あなたは?」

と私に聞いてきたので

「じゃあ一緒でお願いします」

と答えた。


何か大人っぽい人だな。

落ち着いているし


莉乃「ごめんね。何て呼べばいい?」

「ごめんなさい。私、奈緒です。」

「奈緒さん、何か用があって私を訪ねて来たの?」

「いや特に用では無いんです。ただ勝利が好きな子って、どんな子か気になっちゃって」

「えっ勝利はあなたの事を、前から好きだったんでしょ?」

「いや、多分それは彩香の事だと思います。私はただの幼馴染なんです。」

すると怖い子が

「えっ本当だったの、ただの幼馴染って」

莉乃「美希、何でそんな事を知ってるの?何か隠してない?」

美希「えっ実はあの日、アイツが莉乃を駅まで追いかけて来たから止めて・・」

「止めてどうしたの?」

「ちょっとした流れでお茶したの」

「何で美希が勝利とお茶してるの?」

「いや、だから流れで・・」

「もう信じられない。」

「だから、ごめんって謝ってるじゃん」

「今、初めて謝ったでしょ!」


何だかその会話がおかしくて、つい笑ってしまった。

美希「ねえ、奈緒って海江中学校だよね?吹奏楽やってた?」

「うん」

「やっぱりそうだ。去年アンサンブルで都大会に出てたクラ(クラリネット)の子だよね?」

「うん」

「私、あなたのクラの音、好きなのよ。

特に悲しそうな音が何とも言えない音色でいいのよ。

感情がこもっているのが、凄く分かる。

何であんな音が出せるの?」


何でって?


「う〜ん。いつもそんな感情ばかり持ってるから、心を込めやすいのかも」

「高校でも吹奏楽やるんでしょ?」

「多分やらないと思う。」

「え〜勿体ないよ。」

「高校では、やりたい事があるから」

その会話を聞いて

莉乃「奈緒ちゃん、勝利の事が好きなのね。」


顔が熱い


でも素直に頷いた。


莉乃「私はもう勝利とは付き合わないから安心して」



「何で?」

「私、男性恐怖症で、男の人と話したり触れたりすると震えが止まらなくなってしまうの。

キャンプの時は、何故か勝利と話していても症状が出なかったけど、この前の時から勝利でも話そうとすると震えが止まらなくなっちゃった。」


頬に涙が伝わりテーブルに落ちる。


「ごめんね。私、また・・」

と言って涙を拭く。


私のせいだ


そこで食事が運ばれて、食事を食べ始める。


莉乃「美味しい」

と無理やり作った笑顔で話す。


この人・・・


何か莉乃さんを見ていると、自分が情けなくなって来た。


食事を食べ終えて、店を出る。


帰り間際に、私は莉乃さんに

「私、応援するから、莉乃ちゃんと勝利の事、応援するから!」


と言って、駅のホームに走って行った。


私、何やってるんだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ