第1-11話 恋の終わり
月曜日(莉乃)
朝から気分は最悪だ。
自分の顔を鏡でみると、誰でも分かるぐらい目が腫れている。
行きたくないなあ・・
「莉乃、学校まで送ってってやろうか?」
父が言ってきた。
多分、昨日の事を気遣ってくれたのだろう。
私は素直に甘えた。
そして校門から少し離れた所で車から降りた。
「お嬢登校ね」
と車から降りると同時に声がする。
声の主は美希だった。
「莉乃おはよう」
目を逸らしながら
「おはよう。昨日はごめんね。」
「それはいいけど、目がやばいね」
「やっぱり?」
「お岩さんみたいだよ」
と笑う。
これも美希なりの気遣いだろうと感じる。
「でも誘っておいて、一人で帰っちゃって本当にごめんね。」
「本当に気にしないで。全て悪いのは小野だから」
「小野?」
明らかに動揺している。
「美希、名前知ってたっけ?」
少し間が空き
「あっそうそう、キャンプの時に、私の元彼の名前が小野か聞いてきたでしょ。
だから知ってるのよ。」
勝利にLINEで確認してと言われて、確かにLINEで美希に確認した事を思い出す。
「そうよね。思い出したわ」
「あんな奴のどこがいいの?背も小さいし、優柔不断だし」
どこがと言われると困る。
まさか全てだなんて、恥ずかし過ぎて言えない。
苦し紛れに
「何となく好き。」
「え〜莉乃ダメだよ。そんなんで好きになちゃあ〜
でも、アイツとは大丈夫だったの?」
美希は私が男性恐怖症で、男と話したり触れたりすると震えてしまう事を知っている。
私は素直に答える。
「うん・・・」
校舎に着いたので、話を終えて教室に入った。
そして放課後
二人は学校を出て、ファミレスに寄った。
そして朝の話の続きを美希が話し始める。
「でっ?」
美希は笑顔で、まだかまだかとまるで話し好きのおばさんみたいに話の続きを聞きたがっている。
「もう、とにかく昨日、家の電話で勝利と話そうとしたら、手が震えて受話器を2度も落としちゃったの!」
「それって、アイツも駄目になったって事?」
「そうよ、だから、もう勝利とはおしまいなの。仮に昨日の事が誤解でも、私の身体は勝利を受け付けない。」
あれ?
目が涙で埋め尽くされる。
前の席の美希の姿が涙で歪む。
私は両手で眼を押さえて、しばらく泣き続けた。
「莉乃・・・そんなにアイツの事が・・」
美希は黙って涙が止まるのを、じっと待っていてくれた。
その涙が終わると、私の初めての恋も、終わりを迎えた。




