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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第1章 中学卒業
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第1-9話 男性恐怖症

(莉乃)


日曜日


渋谷に着いた事を美希にLINEする。


(509に先に行ってるね。着いたらLINEして)


私は509というファッションに関する全ての物が揃う商業ビルに入って行った。


すると


あれ?


勝利に似ている?


横には可愛い女の子がいる。


まさか・・・


それでも気になるので、勝利に似ている彼氏を凝視する。


すると、その彼氏がこっちを向いて目が合う


「えっ勝利?」



その言葉に驚き

「えっ!莉乃?」


何で、何で勝利が?

塾の特別講習は?

あの子は?


私は咄嗟に振り返って逃げ出す様に走った。


勝利が追いかけて来る。


勿論、勝利の方が早いので、509出口で私の手を掴かみ必死に弁明しようとする


「莉乃、違うんだ。あの子は、幼馴染で・・」


その時、掴まれた勝利の手を誰かが振り払うと、私の手から勝利の手が離れる


そこには美希の姿があり、また掴まれない様に私の手を美希が掴んだ

「アンタ何なのよ!」


「だからこんな男を信用しちゃあダメなんだよ。付き合う前にKISSする奴なんて、こんな奴なんだよ!」


美希が私の手を引っ張り走り出した。


さすがに勝利は追いかけて来なかった。


私は走りながら考える。


今、幼馴染って言いかけた・・・



ではあの子が、勝利が好きだった子?


だから、そんな嘘までついて、あの子と・・・


渋谷駅まで走った。美希が横で色々言っていたが、耳に入らない。


「美希ごめん。私帰るね」


その一言だけ美希に伝えて帰りの電車に乗った。


一人になると今まで我慢していた涙が溢れ出してきた。


何で・・・・勝利・・・何で・・・


涙はいつまでも止まらない。


信じてたのに・・・



携帯のバイブ音が、流れては消え、流れては消えてを繰り返えす。


相手は全て勝利だった。


話したくない!


私は携帯の電源を切った。


509で莉乃と鉢合わせして、莉乃が友達だろう女の子と渋谷駅に向かって走って行った。


どうしたら?


一瞬、動きが止まる。


とにかく理由を話さないと・・・


僕は二人の後を追った、


駅に着いたが、御茶ノ水駅に家がある莉乃は、どの電車に乗るのかさえ分からない。

山手線、銀座線それとも半蔵門線?

行こうと思えば、どの路線でも行けてしまう。


どうしよう?


すると、後ろから声が掛かる。

「もうここには居ないわよ。追っても無駄よ。アンタと莉乃は釣り合わないわ」


さっき莉乃を引っ張って行った友達だ。


「アンタどういうつもり。莉乃を汚して嬉しいの?」

「僕は汚すつもりなんて一切無いよ。僕は真剣に莉乃が好きなんだ」

「何でそんな好きなのに、他の女と一緒にいるのよ!」


あれ?莉乃の話し方に似てる。


「幼馴染で別に恋人でも無いし、大事な友達だよ。そんな変な関係では無いよ!」


ちょっと大きな声だったので、周りの人が僕達をチラ見している。


「ちょっとここでは話しづらいから、こっちに来なさい」


喫茶店に誘導され、そのまま店に入る。


そして2人掛けの席に座ると、再び話し始める。

「莉乃はね、大人しいからアンタの申し入れを断れなかっただけなの。無理矢理KISSまでされて、訳が分からず付き合ったのよ。別にアンタの事を好きで付き合っている訳では無いのよ」



「それは莉乃が言ったの?」

「そうよ!当たり前でしょ!他に誰が言うのよ」


僕は彼女に向けて指差す。


「何で私を指差すのよ、本当に馬鹿ね。何で私が・・」


「だって、僕達まだ付き合って無いよ」

「えっ!そうなの?」

いきなり声のトーンが下がった。

「それに莉乃は僕の前では大人しく無いよ。君の話し方にそっくりだよ」

「えっ私に?」


何だろう、異常に驚いている様子だ。


「話を誤魔化さないで!」

「いやいや、複雑にしたのは君だよね」

「とにかく莉乃には近づかないで!あの子は内気で、私しか友達がいない様な子なの、そんな子を騙して嬉しいの?」


まったく人の話を聞かない。


この子って、まさか


「ねえ、君が祐輔いや大野と付き合ってたって言う友達?」

「そ・そうよ。悪い?」

「本当に付き合ってたの?」

「付き合ってたわよ、失礼ね。電話番号だって知ってるわよ」

「その番号、誰から聞いたの?」

「うるさいわね。彼の女房からよ。」


何だか話が滅茶苦茶になってきた。


「それって秋山?知らないわよ。とにかく付き合ってたの、電話も3回ぐらいしたんだから」

「どっちが告白したの?」

「私が付き合ってって言ったんだから」

「大野は?」

「いいよって言ってくれたわ」

「多分その「いいよ」は、付き合わないの「いいよ」だと思うよ。アイツは言葉が少ないから、それに棒読みみたいなイントネーションだし」

怒った顔をして

「もう終わった恋なんて、どうでもいいのよ。ただ、6月の時にライバルが出来たから、もう電話しないでくれって言われたのは本当の事よ」


なんか祐輔らしい。

アイツも彩香ちゃんの事が好きだと思うから、ずーっと心に引っかかっていた物が取れた感じだった。


僕は話を戻す

「ごめん。君から莉乃にLINEしてくれないか?

僕のLINEは、読んでくれないんだ」

「それは無理ね。だって私のLINEも読んでくれないもの」

「そうか、ダメかあ」

「しょうがないわね、アンタの電話番号とLINEID教えなさい。」

「えっ協力してくれるの?」

「応援はしないわよ。ただ何かあったら教えてあげるだけよ」

「ありがとう」


結局よく分からないまま、番号交換だけして、喫茶店を出た。


とにかく何とかしなくては、このままでは本当にマズイ事になってしまう。


そうだ!

家の電話番号を聞けばいいんだ。

早速、美希さんに電話する。

「何よ、早速。私に恋してもダメだからね。私は新しい恋の進行中なんだから」

「いやいや、それは100%無いよ。莉乃の家の電話番号を教えてくれないかな?」

「何かムカつくわね。でも今時の学校は家の電話番号を教えないのよ。特にうちみたいなお嬢様学校はね」


自分で言うか?


「そっか、分かった。ありがとう」


う〜ん、どうしよう


そうだ父なら分かるかも知れない。


父に電話する。


「もしもし父さん」

「何だ?」

「社長の家の電話番号を教えてくれないかな?」

「家に行けば分かるよ。俺の部屋の書棚にあるけど、鍵が掛かっている。」

「父さんはどこにいるの?」

「母さんと一緒に三崎港でマグロ買ってる」

「えっ帰りは何時になるの?」

「夕食までには帰るよ。今日は高校祝いで豪華なマグロづくしだぞ。期待して待ってろよ」


取り敢えず家に帰る事にした。


そして両親が帰って来て、莉乃の家の電話番号を聞くと、すぐに電話を掛けた。



まるで何かから逃げる様に家に着いた莉乃は、何も言わず玄関から部屋に行って閉じこもる。


日曜日で家に居た父が、異常に気づき、私の部屋のドア越しから

「莉乃大丈夫か?何かあったのか?」


心配して言ってくれているのは分かっているが、話したくない。


「莉乃!返事しろ!」


こんなに心配されるのが、鬱陶しいのは初めてだった。

その鬱陶しさは、段々と苛立ちに変わっていく。


「大丈夫だから、一人にして!」

少しトーンを抑えて、苛立つ気持ちを抑えながら返事をする。


「本当に大丈夫なのか?何かあったらパパに言えよ!」


その言葉に、抑えていた感情が爆発した。


もうそれは、怒鳴るというか、発狂に近かった。

「話し掛けないでよ!お願いだから一人にしてよ!」


私はベッドに飛び込み、両手で掛け布団を掴み、掴んだ掛け布団を口元に強く押し付け、声を出して泣いた。


こんなに泣いたのは何年振りだろう?


しばらく泣き続け、泣き疲れると、私の心にポッカリと穴が空いた様に、何も考えれない放心状態となった。


放心状態から抜け出すと、徐々に気持ちが落ち着いてくる。


そして、小さい声で独り言を呟く。


やはり男は嫌だ・・・


そんな事を考えていると、いつの間にか寝てしまった。


「莉乃、ご飯出来てるぞ」


父の声で目を覚ます。


ご飯は食べたくないが、父にこれ以上心配掛けるのは心苦しい。


「今行く」


私はベッドから起き上がり、部屋を出てリビングに向かうと、リビングで父が笑顔で話し掛けてくる。

「ごめん、出前にしちゃった。莉乃は天丼にしちゃったけど、食べられるか?」


「うん。さっきはごめんね。取り乱しちゃって、でも、もう大丈夫だから」


父は内容を聞きたいのだろうけど、その事には触れず

「大丈夫なら良かった。さあ食べなさい。」


父はリビングのTVをつけて、放送している番組の内容について語リ始める。

私が取り乱した内容を知らない父は、あえて男女関係、友達や勉強の中学生が悩みを抱える話題を避けて会話する。

ちょっとギクシャクした会話だったが、父の気遣いを感じた。


すると家の電話が鳴る。


父が受話器を取ると、私に向かって

「小野さんの息子さんから、電話だよ」

と受話器を私に差し出した。


どうしよう!

さっき言い掛けた言葉も聞きたい


電話に出なくちゃ!


私は父から受話器を受け取ろうとする手が震えだし、渡された受話器を上手く持てずに落としてしまった。



落ちた受話器を拾うとするが、拒否反応からか、手が震えて受話器が取れない。


見かねた父が受話器を拾い、電話口で勝利に向かって話す。

「勝利君ごめんな。ちょっと莉乃は具合が悪くて電話に出れそうもない」


電話は切れた。


明らかに、男性への拒否反応だった。

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