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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第1章 中学卒業
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第1-2話 幼馴染

最終日(海)


待ち合わせの公園に父が会社から借りてきたマイクロバスで到着する。


そこには、彩香ちゃんと彩香ちゃんの母が既に待っていた。

父が車を公園の横に駐車して、僕達も公園に行った。

彩香ちゃんに挨拶する

「おはよう」

彩香ちゃんも直ぐに笑顔で

「おはよう」


やっぱり可愛い


彩香ちゃんとは夏休みに一度も会っていなかったので、久しぶりに会った感じがする。


(ちょっと大人っぽくなったかな?)


「ショウリは、どこか行ったの?」

「キャンプには行ったけど、殆ど塾通いだったよ」

「高校は何処を目指しているの?」

「一応、心城学園に行こうと思ってるんだ。

偏差値はあまり高くは無いけど、受かるかギリギリのラインだから夏休みは勉強漬けになっちゃったよ」

「そうよね、ショウリは野球一筋だったもんね」

「うん。1つの事しか集中できないから、いけないんだけど・・」

「でも、それがショウリのいいところだと思うわ」


やっぱり彩香ちゃんと話すと心が落ち着く。

長年一緒にいるから、気心も知れているので、変に飾る事が無い。


「彩香ちゃんは、何処に行くの?」

「うーん、池岡女学園に行こうと思うんだけど。」

「あれ?あそこって中高一貫校では無かった?」

「うん。高校も少数の募集があるから、受けてみようと思ってるんだ。」

「彩香ちゃんなら大丈夫だよ。応援するよ!」

「ショウリは、自分の事を考えないとダメでしょ」


「確かにそうだね」


あれ?

莉乃も確か?


すると奈緒の家族が到着する。


奈緒の家族は、両親と奈緒と中学1年の妹が来た。


彩香「奈緒、おはよう」

「彩香、ショウリおはよう」

学校では挨拶も出来ないが、僕達の集まりの時は、学校では見せない顔を持つ。

彩香と奈緒は、二人とも吹奏楽をやっていて、彩香はフルート、奈緒はクラリネットをやっている。


彩香が奈緒に話し掛ける

「そういえば奈緒はどの高校に行くの?」

「実はまだ決めていないんだ。」


それを聞いた僕はのんびり考えてる奈緒に注意する

「まだ決めてないって、まずくないか?早く決めろよ」

「うん。でもショウリよりは、頭がいい高校には入れるわよ」

「何言ってるんだよ。俺は今まで頭を使って無いから、お前より伸び代が大きいんだよ!」


彩香が笑う。

「ショウリっと奈緒って、二人の時は、まるで夫婦みたいね」

その言葉に、奈緒の顔が真っ赤になる。


そして、小さい声で彩香が呟く

「いいなあ」



それは、僕と仲良くしたくて言ったのか、大野と仲良くしたくて言ったのか分からなかった。


そして、祐輔と耕太の家族が一緒にやって来た。


祐輔と耕太の家は、二家族共に母親しか来なくて、耕太は小学生6年生の弟が来ていた。


全員15名が揃ったので、車を走らせて、横須賀にある走水海岸に向かった。


後ろの席に子供達が座り、前方の席は、母達が陣とった。


そして助手席には、奈緒の父親が座った。


耕太「祐輔は高校決まったの?」

祐輔「多分、稲川実業高校だと思う。」


稲川実業と言えば、野球も甲子園常連校だが、頭も良いので有名な高校だ。


彩香「祐輔、凄いね。」


あれ?

何で彩香ちゃんが祐輔の行く高校を知らないんだろう?


祐輔「耕太も推薦が来てただろ?何処に決めたんだよ?」

耕太「実は推薦を全部蹴ったんだよ。」


確か去年甲子園に行った桜大付属高校からも推薦があったと聞いていたが。


「耕太、桜大からも推薦あったんだろ?」

「あったよ。だけど桜大は、俺たちが高校生の間は甲子園に行けないからな」


桜大は、大野が行く稲川と同じ地区だから言っているのだろう。


「じゃあ何処に行くんだよ?」

「それはまだ言えないな。落ちたら見っともないから。ただ甲子園に行ける学校だよ。」


耕太は、こう見えても成績は優秀だ。

耕太が受かるか分からなくて、甲子園に近い高校と言ったら、聞かずとも分かる。


稲川実業だ。


奈緒が質問してきた

「ショウリは、何処から推薦来たの?」

彩香「奈緒!ダメでしょ!」

奈緒「何で?ショウリは甲子園の優勝投手になるんでしょ?」


まったく、何の疑いも無い表情で言った。


「俺は高校に入ってから上手くなるから、今はまだ俺の実力がみんな分からないんだよ」


「そうなんだ。みんな見る目が無いんだね」


「ところで奈緒は、野球の事を分かってるのかよ」


「勿論、知らないよ」


彩香ちゃんが奈緒に話し掛ける

「そういえば奈緒も心城学園の推薦を断ったんでしょ?」


奈緒は下を向いて答える

「うん」


心城学園って、僕が受ける高校だ

「お前、心城学園の推薦を蹴ったのかよ。俺が一生懸命に勉強して頑張っている高校を断るなんて信じられねえよ」


「私は高校に行ったらやりたい事があるから断ったの。それに心城学園の偏差値はそんなに高くないでしょ!」


確かに心城学園の偏差値はそんなに高くない。

反論出来ないので、話を切り替える

「やりたい事って何だよ!吹奏楽以外に特技なんて無いだろ!」


「それはまだ、誰にも言えない」


そんな話をしながら僕達は首都高速から、横浜横須賀道路に乗った。


「もうすぐ着くぞ」


その言葉に心が躍る。

「あっ海だ!」


海が目の前に現れる。

海に向かって下り坂を下りていく。


高速出口の信号で止まる。

南国をイメージするような道路に僕は思わず

「なんかハワイにでも来たみたいだな」

耕太「あれ?勝利はハワイ行った事あるの?」

「イメージだよ。イメージ」


車は右に曲がり、2、3分走ると父が


「海に着いたぞ!」



「ここが海水浴場?」


僕がイメージしていた海水浴場は、広い砂浜に群がるビキニの美女達。

ビーチバレーや、所々で子供が走りまわる姿だった。


そんな妄想を抱いて来たのだけど、目の前にある海岸は、僕の想像とは程遠い。


砂浜はそんなに大きくないが、人の数はそんなに多くない。

穴場といえば穴場なのかもしれない。


彩香「でも人がそんなに多く無いから良かった。」


僕達は海の家に入り、水着に着替える。


男子はすぐに着替え終わり、海へ一直線に入りに行く。

男子で一番目立っていたのは、競泳用水着を着た父であった。


耕太「いつ見ても勝利の父ちゃんって、凄い体してるな」

「一応、オリンピックの最終候補に残ったみたいだからな」

祐輔「勝利も鍛えろ!」



祐輔が僕に話し掛けてきた。

6月ぐらいから、何故か祐輔に避けられていて、殆ど会話が無かったのだが


耕太が僕の耳元に近づき、小声で話す。

「仲を取り戻したいみたいだぞ」


特に喧嘩している訳では無いのだが、元の関係に戻りたいのは、僕も同じ気持ちだったので

「祐輔、泳ごうぜ!」


耕太も混ざり、3人で海に飛び込もうと思った時、女子が水着に着替え終えて、海の家から出てきた。


まず彩香が水玉のワンピースの水着を着て砂浜に出てきた。


可愛い


と彩香の水着に見とれていると


あれ?


彩香の後ろに、ビキニを着た女の子が歩いている。

背は小さいが、出るところは出ている。

そして可愛い。


耕太「あれ、奈緒じゃねえ?」


よく見ると、確かに奈緒だ。

普段は服で隠れている胸がここまで大きいとは!

母親達の胸と比べるとまだまだだが、布の少ないビキニからはみ出そうな胸は、僕達に衝撃を与えた。

それにメガネを外したせいか、まるで別人だ。


耕太が奈緒を見て、僕に話し掛ける。

耕太「やべえ。ドキッとしちゃったよ。」


海で泳ごうとしていたが、耕太がビニールボールを手に持ち

「みんなでバレーしようぜ」


その掛け声に女子も混ざり、僕達は本当に久しぶりに5人で遊んだ。


遊んでいくうちに、まるで幼稚園の時の様に、無邪気だった5人組に戻った様な感じがした。


今思えば、5人だけで無邪気な時間を過ごした最後の日だったのかも知れない。


僕は日焼けをしようと砂浜で寝ていると、彩香が僕の横に座る。


そして、僕に話し掛けてきた。

「私、祐輔が好き。卒業式で告白しようと思ってるんだ。」


僕はショックだったが莉乃と出会ったせいか妙に落ち着いている、

「分かっていたよ。彩香ちゃんが祐輔の事を好きだって事。もう告白しちゃえば?」

彩香「もし振られたら、この5人の関係が崩れそうで、今は言えない。私、この5人の関係は好きなんだ。出来れば大人になっても続けていきたいなあ」


僕は彩香ちゃんの様に、みんなの事を考えずに、彩香ちゃんに告白しようと考えていた自分が恥ずかしくなった。


「そうか、でも彩香ちゃんが振られても、関係は続けて行こうよ。

多分、振られないと思うけど」


「勝利ありがとう。相談して良かった。心のモヤモヤが取れたかも」

彩香ちゃんは、みんなのいる所に向かって走って行った。


彩香のモヤモヤは僕に移った。もう彩香ちゃんの事は何とも思わないと思っていたが、いざ他人の彼女になると思うと複雑な感情が湧き上がる。


僕ってダメな男だな

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