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夢を叶えろ!  作者: 鈴月桜
第3章 高校1年 秋冬
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第3-65話 偶然

今日は早目に練習が終了した。


耕太と話をしていると奈緒が近づいてくる。

「今日は二人共ジャージだから、このまま街に出てみようよ。」


耕太が二つ返事で応える

「おう、行こうぜ!」


「え~俺はいいよ。今日は気分が良くない」


「何でだよ。おっ?もしかして背が小さい事を笑われて気にしているのか?」


図星だ


「あれ?」

奈緒が近くに寄ってきて、頭のてっぺんに右手をかざして自分の頭に移行させる。

どうやら、背の高さを比べている。


「勝利の背が私と変わらなくなっている!もしかして勝利の背が伸びてる?」


思いがけない言葉に頬が緩む。

奈緒と同じ背を喜んでいるのではない。背が伸びていると言われた事がとてつもなく嬉しい。

背にコンプレックスを持っている人で無ければ分からない喜びである。


「そうか?背が伸びてるか?」


「うん。伸びてるよ」


奈緒の両手を掴んで喜んだ。


耕太が同じ質問をしてくる。

「でっ?勝利も街に行くのか?」


テンションが上がっている僕は二つ返事で即答する。

「もちろん、早く行こう!」


結局3人で街に繰り出す事になる。


県は違うが駅の近くは地元とそんなに変わらない。


「たこ焼き食べようよ」

奈緒が嬉しそうに誘ってきた。


「ここは大阪では無いから、たこ焼き屋なんてある訳な・・・」


耕太がたこ焼き屋を指差して

「あそこにたこ焼き屋があるぞ」


奈緒も嬉しそうに

「行こう、たこ焼き食べよう!」


結局、たこ焼き屋に入る。


店に入ると10人程座れるカウンターがあり、その後ろに4人掛けのテーブルが4個置かれている。


カウンターに3人、テーブル席は1つ埋っていた。


僕達は開いているテーブル席に座る。


お腹も少し減っていたので、たこ焼きのソースの匂いに唾液が口の中で広がっていく。


「なあ勝利、10個くらい食えるか?」


「おう、10個くらいなら余裕だよ」


「じゃあ30個セットを頼もうぜ」


30個セットとはたこ焼き30個と飲み物が3個セットになっている。

40個セットはジュースが4個に増える。


「30個セットにしよう」


奈緒が「私10個も食べれないよ。夜ごはんもあるし・・・」


「俺達が食ってやるよ。だから奈緒は偶数食べろよ。」


「え~、じゃあ少ない分、安くしてよ」


「バカ!割り勘だよ」


「本当に勝利はせこいね」

奈緒がむくれる。


耕太が仲裁に入ると

「しょうがねえな。少し俺が多く出すよ」


さすが耕太

「耕太ありがとう」

素直に耕太へお礼を言った。


しばらくするとジュースとたこ焼きがテーブルに運ばれてきた。


ソースの匂いがたまらない


「これなら私も10個食べれるかも知れない」


「えっ?せめて2個残せよ」


奈緒がたこ焼きを耕太と僕のお皿に一つずつ配る

「まったくしょうがないわね。そのかわり1回戦勝ちなさいよ」

「は~い」


ガラガラガラ


店のドアが開いて客が入ってくる。



あの外人女子高生だ!



背が大きい坊主頭の男と一緒に店に入ってきた。


入口に背を向けている奈緒と耕太に小声で話し掛ける。

「おい、例の外人女子高生が入ってきたぞ!」


耕太と奈緒の後ろのテーブルに座った。

その女子高生を見ようと耕太と奈緒が後ろを振り返る。


二人の行動に一緒に来ていた男子高校生が

「何か用ですか?」


「いえ、すいません」

さすがの耕太もただ謝る事しか出来なかった。


するとあの女子高生が話し掛けてきた

「シンジョウガクエン、デスネ」


ちょっと日本語が違うが、耕太は普段と変わらず返事をする。

「そうですよ。」


「ナックル、スゴイデス。ハジメテ、ミマシタ」


一緒に居た男子生徒が驚いて

「ナックル投げるんだ?では変化球投手なのか?」


耕太の表情が変わる

「もしかして広海学園か?」


「おう、俺は大滝。よろしく」

耕太に右手を差し出してきた。


「俺は秋山」

耕太も慌てて右手を差し出して握手を交わした。


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