表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新・旋風のルスト ―英傑令嬢の特級傭兵ライフと精鋭傭兵たちの国際精術戦線―  作者: 美風慶伍
第13話:特別編:イベルタル市街地大規模動乱【夜戦争】 ―決戦・イリーザ 対 黒鎖《ヘイスォ》―
400/445

夜戦争LⅢ 高級骨董品店 ―orienta《オリエンタ》drako《ドラーコ》―

 イベルタル中央市街区オスタメント、イベルタルの重要な行政施設が集中している。名だたる大企業や重要組織あるいは権力に直結する重要機関が軒を並べている場所だ。

 東西横断街道の目抜き通りから少し脇道へと入ったところに漆黒のレンガ張りの建物がある。一般的には表側にショーウィンドウが並び壁面が前面ガラス張りという、この時代にしては極めて珍しいガラスショーウィンドウ仕様の高級骨董品店と言う装いで営まれている商店風の建物だ。

 店の名前は、


――orienta(オリエンタ) drako(ドラーコ)――


 すなわち〝東洋の龍〟という意味だ。

 その1つを取っても、経営者が東の果てから海を越えてやってきたということは明白だった。

 表向きは巨大なアンティークショップという体裁を取っているが、その周辺には個人病院や、タウンハウス風の高級邸宅、スタンディングバークエストの飲み屋など、さまざまな建物が全く別な建物として軒を並べていた。

 一見すると全く関係のない建物の群れのように見えるが、実際には目に見えない場所で密接につながっている。そして、それら極秘裏に関連した建物に隠されるようにして設けられている建物がある。地上3階、地下2階のその建物は極秘裏に設けられた〝オークションギャラリー〟である。


 もちろん表向きに公開されているオークションギャラリーではない。いわゆる地下オークションであり、非合法に地下に潜って運営されている。

 そこは、イベルタルの闇社会の中で黒鎖(ヘィスオ)に匹敵する規模と組織力を持つ地下オークション組織〝ora_talpo(黄金のモグラ)〟である。


 そのオークション会場を本部として、そこから西側の目立たない場所にある地下1階地上1階のスタンディングバーがある。比較的早い時間から運営しているが、地下フロアだけは屈強な用心棒(バウンサー)が入り口に立っていて一般客を入れることはない。

 地下フロアのバー店内に降りると、そこでは男装の麗人である1人の女性がシャツと革ベストと黒ズボンのオークションディーラー姿で、バーカウンターの中に佇んでいた。店の中は想像以上に広く20人くらいが店内に堪能していても余裕のある規模を持っていた。

 そして今も、店内には数人の様々な人物が店内で思い思いのところにたむろしていた。

 カウンター内の男装の麗人のオークションディーラー風の女性の他に、

 赤紫の旗袍(チーパオ)の長身の東方風女性、

 ロマンチックスタイルのシルエットの薄ピンク色のドレスをまとった金髪の美女、

 ズボンルックに襟シャツ、革ベストにレザーのジャケットにハンチング帽姿の10代の少年、

 さらには定番の黒いメイドドレスに白いエプロンと言う、まごうことなき侍女風の若い女性の姿もある。

 これ以外にもテールコート姿の近侍役風の男性に、タイトなロングドレス姿の妙齢の女性もいる。その他にも数人がバーカウンターを中心として囲むように各々の場所で佇んでいた。

 それらは明らかに一般的な酔客ではなく、独特の雰囲気を放っていた。そうここは特別な場所なのだ。

 

 それまでグラスを磨いていたカウンターの中のバーテンダーの女性が手を止めてカウンターの片隅にある念話装置を操作した。念話の入感があったのだ。


『はい、こちらリブロ・リベラ』

『私よ、カンティよ』


 念話の主は先ほど花街でカーヴァ協会長に治療を施していたカンティだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
関連作品リンク .
【旧作】旋風のルスト
逆境少女の傭兵ライフと無頼英傑たちの西方国境戦記
Link⇒第1部:ワルアイユ編
Link⇒第2部:オルレア編
旋風のルスト・外伝 ―旋風のルストに憧れる少女兵士と200発の弾丸の試練について―
▒▒▒[応援おねがいします!]▒▒▒

ツギクルバナー
【小説家になろう:ツイッター読了はこちら】
小説家になろうアンテナ&ランキング
fyhke38t8miu4wta20ex5h9ffbug_ltw_b4_2s_1 cont_access.php?citi_cont_id=541576718&size=200 小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ