人間に転生出来ませんでした
「仕事終了~じゃあ園田のみ行くか。」
「そうだな。あっ、でも一軒だけな。終電のダイヤル変わって早くなったからな。」
「マジか。最近終電早くなりすぎじゃね。そんじゃ急ぎますか。」
~1、2時間後~
「じゃ、俺こっから駅行くから。またな。」
「おう、気をつけて帰れよ。」
(まだ時間はあるしゆっくり行くか。最近はこの辺も町並みが変化し始めてるし、時代は流れるものなんだなぁ。)
「…ちゃん、兄ちゃん!!」
「えっ!」
ピカー キキッーーッッ ダァン
「一体何が…ってここどこ、俺はどうしてこんな暗黒空間に!?」
「落ち着いてください、園田さん。」
「誰だ?」
「落ち着いて聞いてください。そして、信じてください。神です。」
「信じられるか!早くこんなところから出せ!」
「無理です。あなたは死んでしまいました。御愁傷様です。」
「じゃあなんだ、死んだからここにいるってぇのか?」
「そうですね。そして貴方には今から判決をくだします。」
(地獄か天国にでもいくのか?まぁ悪いことは記憶の限りではやってないからな。天国だろう。)
「いえ、天国にいくようなこともやってないので、別の世界で生まれ変わります。」
「考えてることを覗き見るなよ。ん、別の世界?」「ええ、別の世界です。」
「ってことは、チート能力でも貰って無双できるってことか!ラノベだけだと思ったけど俺でもできるのか。今から楽しみだな!」
「えっ?」
「えっ?」
「あなたにそのようなものを与えれるほど私は優れてませんので、そうですねぇ精々、今の記憶を持ったままで知性のある生き物になるぐらいですかね。」
「人間にならない可能性もあるってこと?まさかな、さすがに人間だろ?」
「わかりません。ご自分の運を信じてください。それでは、次の生を楽しんでくださいね。」
「ちょっ、待てよ!おいこら待てって、俺はまだ納得してなi…」
ピカー
「うっ、眩し、何なんだよ全く、悪い夢なら覚めてほしいよ!」キャーンキャーン
(なんだ近くに子犬でもいるのか?目があまり見えない、生まれたてなら当たり前か。しばらくならす必要があるのか。これでわかったことは、夢じゃないということだけか…)
「店長、これはワーウルフではないか!なぜ危険種がここにいる!」
「いえ、これはワーウルフの変異種であるプロテクトウルフでございます。」
「プロテクトウルフだと。説明を求めてもよいか?」
「もちろんでございます。こちらの種の特徴としましては…」
(うるさいな、おっさんと若い男が何か話してるみたいだ。ようやく目が慣れ始めてきたな。ん?これは檻か?ってことは、)
「人間になれなかったのかー!!!」キャンキャーン
(またこの声か。ってことはこれが俺の鳴きごえ?鏡が欲しいところだ、せめて強そうであってくれ…)
「気に入った、この子を貰えるか、店長!」
「かしこまりました。そのまま馬車で持って帰られますか?」
「あぁ、そうする。それと、この子用の生活用品一式も貰えるかな?」
「わかりました。すぐに準備させていただきます。」