幻の4階その2
幻の4階への階段を登り例の× -A教室へとたどり着いた神凪
そこに居たのはなんと階段を教えた大道寺本人であった
なんとそこにはハレンチな肌の露出が多い水着のような服を身に着けて曲がった角と黒い翼を生やし、尻尾をゆらゆらとさせた多数…恐らく10人くらいの女性がいた
そして私を見るなりザワザワと話し始めた
「えー、マジ〜?10年ぶりに食うって聞いたからどんな男か期待してたけど今度はこの女?
さっちん変わってるねぇ」
「ほんと、ほんと
ウチら''サキュバス''なのに女ばっかり食ってたら栄養不足で死んじゃうよ?」
「そうそう、あんま偏食はやめときなって」
「いいじゃないですか、女相手の方が燃えるし気持ちいいんですよ」
ニコニコしながら幸も会話に加わっている
さっちんとは恐らく幸の事だろう
そして、この話の流れ的に幸はサキュバスで、私は別の意味で食われるために怪談を利用しておびき出されたのだ
我ながらこういう時は謎に頭が働くものだ
「ではさっそく」
幸は事情も何も説明せずにこっちへ翼で飛んできて私の制服のボタンに手を伸ばす
私は即座に廊下へ出て階段の方へと走る
「あっ…」
あったはずの階段があった場所がただの広い床になっていて跡形もなく消え去っていた
そして
「あっ、先輩!どうしましょう!
先輩の事が心配になって追いかけてきたら4階への階段があったもので怖いけれど登ってみたら、突如階段が消えてしまったっす!」
どうしてか健吾もいた
「こらこら〜先輩待て〜
幽霊じゃなくて淫魔なら居ますから一緒に保健体育の授業…主に実技を受けましょ〜」
ゆるく制服の袖をゆらゆらと揺らしながら翼で飛んで幸が追いかけてくる
「あれが、例の幸なんだけれど
私を騙してここにおびき出したの!」
「そ、そうなんすか…
と、とにかく先輩、逃げましょ!」
「そ、そうね!」
私は健吾に手を引っ張られ、逃げ場なんてないかもしれないが幸から逃げる
-そして数十秒後、見事に行き止まりに追い詰められ捕まってしまった
「最初から勝ち目なんて無いんですから大人しく捕まればいいものを…
おーい、みんな〜男の方は勝手に食っていいよ〜」
「やった、丁度お腹空いてたんだ〜」
「中々カッコイイじゃん、食欲そそられるわ〜」
「い、嫌だ!俺は先輩の事が好きなんだ!
辞めろー!」
健吾が恐怖に顔を青ざめさせながら必死に抵抗しようとするが相手は淫魔とは言え魔物、直ぐに囲まれて姿が見えなくなり隣の教室へと連れ去られてしまった
「ひと思いにやってちょうだい」
「騙したお詫びも兼ねて優しくしますからね、先輩
ところで、催眠かけて後輩だと騙しててすみませんでしたね
後、行為が終わったら大人しく帰しますのでご安心を
先輩…いや桜さん、10年前見つけてからというものずっと狙っていました」
私は苦笑いしながら返事をする
「そうなの、私の事そんなに好きだったのね
私の初めてはあげるから好きにしてちょうだい」
「では遠慮なく」
そこからは服をぱぱっと脱がされて、後は語るまでもない
-夜6時
「いや〜気持ちよかっ…
いや、酷い目にあったっす…」
「今気持ちよかったって言いかけたわね
私とアイツらどっちを選ぶのよ」
「も、勿論先輩っすよ!やだなぁ…あはは」
「そう、ならいいわ
今回は心配してきてくれたし水に流してあげる
まぁ、''まだ''付き合ってはあげないけどね」
「そ、そんな…
でも、嫌われてはないみたいでよかったっす」
心配してきてくれたことに加え、あの人数相手して生きて帰ってきた精神力にも免じて、私の事が好きなのに堕ちかけたような言動しかけたのは許すことにした
「で、」
「せーんぱい!」
「なんで、諸悪の根源であるこいつもいるんすか」
さっきまで自分達をすごい目に遭わせたとは思えないようにごく自然に幸が居た
「そりゃ、私は先輩の彼女ですから」
「えー!そりゃないっす!
先輩の彼女…じゃない、彼氏になるのは俺っすよ!」
どうしてか好かれすぎてるし、正直私もあの気持ちよさに負けて幸の事を嫌いになれなかったのでつい幸が着いてくるのを許してしまった
幸があざとく私の腕を掴んで引っ付いてくる
「せーんぱい!」
「先輩!」
次にそれに対抗するように健吾が固く私と手を繋ぐ
「はぁ、めんどくさ」
私は少しため息を漏らしながらも2人を連れて校舎を出た
夜空は星が満タンで綺麗だった
星座を繋ぐようにきっと私たちも生まれた時から繋がっていたのだろうか…
幸とは別の意味でも繋がったが
あれ、今更なんか涙が…私の初めて…
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