ライアン
「は~」
ライアンはため息をついてスマホの電源を切った
健二と連絡が取れなくなって3日が経とうとしていた
あやは相正悟と温泉旅行と言っていた
ライアンはあやに電話をしていなかった
せっかく旅行を楽しんでいるのに
余計な心配をかけたくなかった
その時玄関のインタ-ホンが鳴った
ライアンがドアを開けると
そこには色黒の眼鏡をかけた男がいた
「久しぶりライアン」
と田中は言った
ライアンは驚いた
「田中さん、どうやって家が分かったの」
「昨日、君がこの家に入るところを偶然見たんだ」
と田中は言った
「健二は」
と田中が聞いた
「今はいないわ」
とライアン
「それは残念だな」
と田中は言った
「健二に会いに来たんだが」
と田中
「残念ね、本当に」
とライアン
「ところでライアンは元気」
と田中は聞いた
「まあまあかな」
とライアン
「悩みでもあるの」
と田中は聞いた
「大丈夫」
とライアン
「それは良かった」
と田中
「実は最近、近くにアパ-トを借りたんだ」
と田中は言った
「そうなの」
とライアン
「ライアン、相変わらずきれいだね」
と田中は言った
「ありがとう」
とライアン
「また近くを通ったときに寄っていいかな」
と田中が聞いた
「もちろん」
とライアン
「じゃあ今日はこれで失礼するよ」
と言って田中は出て行った
その日も健二は帰ってこなかった




