ウッズの旅 台本
登場人物
ウッズ:人間の少年 中音
ルビー:梟のお姉さん 中音
グレイ:狼 低音
クルル:栗鼠の女の子 高音
森の主:数千年を生きた幻獣 低音
ナレーション
ウッズの旅
ナレーション |鬱蒼とした森の中、一人の少年が息を潜めていた
|
栗鼠のクルル|ウッズ、気を付けて、ジャッカルよ
|
ナレーション |木の上から栗鼠のクルルが声を上げた
|獰猛なジャッカルが2匹、少年のいる方へと近づいてくる
|獲物の匂いを嗅ぎつけたのだろうか
|
ウッズ |まだだ・・・もう少しこっちに来い
|
ナレーション |ウッズと呼ばれた少年は油断なくジャッカル達の様子を伺う
|何も知らない彼らが不用意に近付いて来たその時・・・
|
ウッズ |・・・今だ!
|
ナレーション |ウッズが弓から矢が放たれる
|それは狙い違わず一匹のジャッカルに突き刺さった
|しかしそれと同時にもう一匹のジャッカルがウッズに迫る
|ウッズは次の矢をつがえるが、間に合わない
|
ウッズ |くっ!
|
ナレーション |ジャッカルがウッズに飛び掛かろうとしたその時
|白銀の毛並みを持つ一匹の狼がジャッカルに牙を立てた
|
狼のグレイ |ハッ!・・・よおウッズ、囮役ご苦労さん
|こいつは俺がいただくぜ
|
ウッズ |やられるかと思ったじゃないか、もう少し早く来ておくれよ
|
ナレーション |ウッズの手がその立派な毛並みを撫でる
|その狼・・・グレイは心強い相棒だ
|
ウッズ |じゃあ食事にしようか、『炎よ燃えあがれ』
|
ナレーション |ウッズが炎の魔術で火を起こす
|彼の育ての親である『森の主』から教わったのだ
|
グレイ |へへっ、やっぱり焼いた肉はうめえな
|いくらでも食えるぜ
|
クルル |そんな事言う変わり者はグレイだけよ
|
グレイ |あん?ウッズだって食ってるじゃんよ?
|
クルル |ウッズはニンゲンだから良いの!
|森の主様も言ってたでしょ
|ニンゲンは生肉を食べたらお腹を壊すって
|
ウッズ |ニンゲンか・・・
|
ナレーション |ウッズは自分以外の人間を見たことがない
|森の外には人間がたくさんいるというが
|ここは広大な森の最深部、人間が立ち入る事のない領域だ
|彼は赤子の時にこの森に捨てられていたという
|
ウッズ |そんなもの僕には興味ないな
|僕はずっとこの森で生きていくんだ
|
梟のルビー |ウッズ、探したわ |飛んでくる
|
ウッズ |ルビーじゃないか
|こんな時間にどうしたんだ?
|
ブルー |ウッズ、森の主様が呼んでいるわ
|大事な話があるそうよ
|
ナレーション |梟のルビー、夜を愛する森の賢者
|ウッズと共に森の主から様々な事を学んだ姉のような存在だ
|
ウッズ |主様が大事な話?いったい何だろう・・・
|
グレイ |まぁ行ってみりゃわかるだろ、ウッズ、俺に乗りな
|
ウッズ |うん |狼に乗る
|
クルル |ああ、待ってよウッズ! |ウッズに
| |しがみつく
ナレーション |ウッズ達を乗せてグレイが駆ける
|森の中にある一本の大樹、その洞が主の住処だ
|長い時を森と共に生きてきた幻獣が洞の中に鎮座していた
|
ウッズ |主様、お呼びですか?
|
森の主 |ウッズ、お前がこの森に来てもう10年が経ちます
|月日が流れるのは早いものですね
|
ウッズ |はい、主様や森の皆のおかげで
|僕はこの森で生きています
|
森の主 |もうお前も一人前
|外の世界を知る時かも知れません
|
ウッズ |外の世界?
|
森の主 |この森の外には広大な世界が広がっています
|そこにはお前と同じ人間も暮らしている
|それは以前に教えましたね?
|
ウッズ |はい
|
森の主 |ウッズ、お前は知らねばなりません
|森の外の世界を、そこに暮らす人間を
|そこで初めてお前は一人前の人間となるのです
|
ウッズ |一人前のニンゲン・・・
|
森の主 |ウッズよ、この森を抜けて人間の街へと向かうのです
|人間と出会い、人間の友を得て、人間を知りなさい
|そして、お前の生きる道を選ぶのです
|
ウッズ |僕の生きる道?それはいったい・・・
|
森の主 |その時が来れば自ずと見えてくるでしょう
|ルビー、グレイ、クルル
|お前達も同行しウッズを助けてあげなさい
|
ルビー |はい、お任せください
|
グレイ |仕方ねえな、俺様がついてりゃ大丈夫だろう
|
クルル |ふふっ、私もニンゲンっていうのにちょっと興味があるわ
|
ウッズ |みんな・・・ありがとう
|
森の主 |さぁお行きなさい、ウッズ
|森の加護がお前たちと共にありますように
|
ナレーション |こうしてウッズと仲間達の旅が始まった
|目指すは遥か遠く、人間が住むという森の外
|はたして、そこで何が待ち受けるのか つづく
マユミ「・・・」
ミーア「・・・」
マユミ「これ、本当に私達二人で演じる事を想定して書いたのかな・・・」
ミーア「一人3役ずつ・・・結構大変」
マユミ「私、ルビーとクルルとナレーションでいいかな?」
ミーア「ダメ、マユミはウッズ担当して」
マユミ「えええええ、男の子とか無理だよ」
ミーア「大丈夫、マユミなら出来る」
マユミ「や、私は高音しか出せないし・・・」
ミーア「出来る・・・というかグレイとウッズ兼ねるの無理」
マユミ「・・・そうだね」
ミーア「マユミ、がんばって」
マユミ「ふぇぇ・・・」