0-3 妹の告白
もう告白するしかない!
結論は出ている。
「でも振られる、断られるならまだ良い」
「嫌われたら、避けられたら、お父さんとお母さんに言われたら」
「お兄ちゃんがそんな事するはずがない、でも、表面では気にしてないと言われても、内心で嫌われたら私すぐにわかる」
それぐらいお兄ちゃんの事を見て来た、見て見て見続けて来た。
もう時間がない、高校入学しても周りはすぐには気がつかないであろう、お兄ちゃんの魅力
でもわかる人にはわかる、お兄ちゃんは素敵すぎる。
「どうしよう、もう行くしかない、でも断られる、嫌われる」
拒絶されたら生きて行けない
日頃は迷う事などあまりない栞だが、兄の事になるとポンコツと化してしまう。
####
そして迷いに迷いついに入学式前夜
明日の準備を早々と終わらせ、お風呂で身を清める
明日の為ではなく今夜の為に
「大丈夫、お兄ちゃんは優しい、お兄ちゃんは素敵、お兄ちゃんは格好いい」
「断られるにしても変な断り方はしない……はず」
お風呂から上がり服を決める
「どうしよう、家でそんなに気合いをいれた格好はおかしいよね、でも告白するんだしあまりラフな格好だと……」
家着でなるだけ可愛いトレーナーと、スカートを履き髪の毛を整える。
香水とかつけたほうがいいかな?
あまりキツくない栞の一番お気に入りの香水をつけ
鏡の前に立つ
よし!いくぞ!
鏡の前で気合いを入れ兄の部屋に
コンコン
軽くノック
「どうぞーーーーーー」
ためらいがちに部屋の扉を開け、中に入る。
お兄ちゃんは若干ビックリするも立ち上がり迎え入れる。
私はお兄ちゃんの前に立ち深呼吸
目の前にお兄ちゃんがいる
こんな近いお兄ちゃんは久しぶり、きゃあああああ
あ、違う言わなくちゃ
何度も練習してきた、噛まずに言わないと、緊張で身体が震える
手が汗でにじむ
お兄ちゃんを見つめる
そして大きな声ではっきりと!
「お兄ちゃんわたしと付き合って!」
い、言えたああああああああああ