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28-1 洗髪はエッチな事ですか?

 

「頼むよしおり~~~」

 店員の通報を避けるべく、コーヒーをイッキ飲みし、あわてて店を出る。


「だってお兄ちゃんこっちに来てから美月ちゃんにデレデレなんだもん」


「そんな事無いだろ?そんなデレてた?」

 美月の事なんて、好きじゃないんだからね!


「もう、デレデレで端から見たら思いっきりロリ入ってるよ、捕まらない様に気を付けてね~~」


「ううう、はい気を付けます……」

 気を付けろって言われても、どう気を付ければ良いのかわからんが……

 当然ながら美月に対して恋愛感情なんてないってのを、わかってくれたのか、妹の機嫌は良くなっていった。

 ただ、最近すぐに泣くのは、俺のせいなんだろうな……



「さあ見に行こうお兄ちゃん」

 しかし、どうにも腑に落ちないんだが……いとこと一緒に風呂に入って一緒に寝ただけだろ?それがなんでロリになるんだか?……全くわからんな~~




 館内は世界の絵本館と、ち○ろ館の二つに別れており、まずはち○ろ館の展示してある絵を見に行く。


 多分見た事があるだろう、水彩画の子供の絵を、輪郭があまりなく全てほわっとした感じ描かれており、水彩のムラやにじみを多用している。


 何点か作品を見て歩いていく

「ああ、やっぱりいいな~~」

 ああ、心が洗われる、癒し系作品とはこういうのだろう、本当に麻紗美を思い出させる。


『え~~わたしぃぃ、こんなぁ感じなのぉぉ?』

 そう文句を言いそうだけど、あの目が線になる笑顔をで俺を癒してくれそう……

 一度麻紗美にこの絵を見せたいけど、さすがにここに連れてくるわけにはいかないし……

 あ、そうだ東京にもあったな、今度誘ってみたいなー、でも、妹が怖い……



「うーーーん子供ばっかり、やっぱりお兄ちゃんって、ロリ……」


「…………」

 うう、ここに連れてくるタイミングが最悪だったかも……


 しばらく作品を見ていると、妹の足取りが段々悪くなる。

 何か考え事をしながら見ているような感じだ。


 そして、一枚の絵の前で立ち止まり、じっと見ている。

 何か不機嫌なような悩んでいるような、そんな表情で真剣に見ている。


「どうした?」

 声をかけるのもためらうような真剣さだったが、さすがに10分以上も立ち止まって見ているのは異常と思い妹の隣で一緒にその絵を見つつ問いかける。


 妹が見ていた絵は、癖っ毛の小さい女の子の絵、少し、もの悲しげな表情でたたずんでいる。


 ち○ろの絵の子供達はあまり表情がない、その姿が中学の時に一人教室でぼんやりしていた麻紗美と重なる。

 最近ようやく笑ってくれるようになったが、あの、もの悲しげな表情が笑顔になるまで1年以上もかかった。



 でも、今になって思う、こんな事を言ってはいけないし、決して戻って貰いたくはないが……あの頃の麻紗美の、もの悲しげな表情が俺は凄く好きだった……



「お兄ちゃん?」

 今度は俺がその絵を見て考え込んでしまったようだ。


「ああ、ごめん、いい絵だな」


「うん、凄く可愛い……、でもなんか、むかつく……」



「……むかつく?」




「うん、お兄ちゃん!……これって……麻紗美ちゃんだよね?……」


「ええええ!!」


 ヤバい、ばれた、え?わかっちゃうの?、まじで……、うちの妹怖すぎなんだけど……



「やっぱり……、この雰囲気麻紗美ちゃんでしょ!、そう考えると……もうやだあああ、ここ麻紗美ちゃんだらけじゃないいい、酷いいい」


「え、いや、えっと、ごめん……」

 違うとも言えないし、かといってそれが全部とも言えないし、でも何か妹に悪い気がして、つい謝ってしまう。


「やだあああ、許さないいいいい」


「えーーーー、いや、だって、麻紗美だらけは言いすぎだろう、ほら可愛い男の子もいるだろ?」


「その男の子、髪の色が無い……銀髪……美智瑠ちゃんじゃない、もうやだあああああ」


「いやいや美智瑠はこんなフワッとしてないから、こじつけないで」


「ほらほら、こっちのこの子、ちょっとキツイ感じがして、麻紗美とは全然タイプ違うよね?」


「ツインテールのロリ……白井先生じゃないいいい」


  ああ、もう駄目だ、何を見せてもこじつける……


「ああ、そうだ世界の絵本だ、見たいって言ってたよね、行こうか」


  超不機嫌な妹の背中を押して世界の絵本を見に行く……





「絵本読めないし……」


「ああ、そういう事か……」


  世界の絵本が読めるわけではなく、海外の絵本作家の絵画の展示、そしてその歴史が紹介されている。


「お兄ちゃん酷い~~~私にこんなの見せるなんてええええ」

 どう考えても嘘泣きなんだけど、妹は手を目にあてて、メソメソ泣いている。



「いや、こんなのって、いい絵でしょ、一応伏せ字にしたけど、批判になるから駄目だって、麻紗美に似てる絵を見せてって言わないと……」



「お兄ちゃんお詫びをして!」



「お詫びって……、なんでだよ!」


「だって、だって、昨日あれだけ頑張って、美月ちゃんに勝ったのに!、せっかくお兄ちゃんとデートだったのに、酷いよね?、酷いよね!!」



「えっと、いや、まあ、そうなのかな~~?」



「うえーーーーーーん、酷いよーーーーー」

  再び下を向き泣き始める妹……


 周りのお客がこちらの異様さに気付きだす、ヤバいまた通報される、いやされた事無いけど。



「わかった、わかったから、お詫びって何をすればいいの?」


 妹は目を真っ赤にした顔をあげ、満面笑みでこう言った




「初日にお風呂とベットで美月ちゃんにした、……いやらしい事と同じ事を……私にもして!!!」





「………………えっと、まだ疑ってたんですか………い…いやらしい事なんてええーーー、してねええええええええよおおおおおおお!!!」

 ほんとマジで、ほらここを見ている皆さんが証人だよ!ね?俺してないよね?


「じゃあ同じ事出来るよね?、お兄ちゃん!」


 髪の毛洗って、一緒に風呂に入って、添い寝しただけなんだけど、なんだけど……それを妹にするの?……まじで……




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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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