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17-2 妹の部屋

 

 会長と先生と俺の関係をいきなり聞いてくる妹に

「えーーっと、なに?」

 とりあえず、すっとぼけてみた、妹はよくかまをかけてくる。


「え? 聞こえなかった? お兄ちゃんてラノベの主人公なの?」

 妹の顔が真顔に変わる。


 こえええええええ、こんな怖い妹は初めて見た、でも怖いけど、言う訳には行かない。

 そもそもこないだの直後に言わなかった時点で、すでに隠し事、今、言ったら言ったでさらに何か疑われるし、やはり言うなって言われている事をいくら妹でも……。


 別に悪い事したわけでも、浮気したわけでもない、そもそも今は彼氏なわけじゃない。


「えっと、生徒会長は、こないだ言ってた通りだよ」


「ふーーーん、あんな短い時間で名前までおしえて、ゴミまで取って貰って、イチャイチャしてたんだーふーーん」


「いや、ゴミじゃなくて虫」


「どっちでもいいよ、お兄ちゃん」


「物凄く怖いんですけど栞さん」


「え? 何で、私普通に聞いてるだけだよ?」


 絶対に普通じゃない。


「それで、何があったのかなー? 怒らないから言ってお兄ちゃん」


 顔は笑っていても、目が笑っていない、あとそのコップを握っている手、プルプルしてるけどコップ割らないでケガするから。


「いや、すでに全然怒ってますよ栞さん」


「えーー私がお兄ちゃんに怒る訳ないじゃない、浮気したって怒らないよー」


「へーー、栞は俺が浮気しても怒らないんだー凄いなー偉いなー、まあ今は彼氏じゃないけど」


「うん、怒らないよ、サクッとしちゃうだけ」


「サクッって何ですか!」


「えーー?聞いちゃう?15禁設定しちゃう?」


「えっと、大丈夫?なんか、異世界に行ってるよ?」


「今はそっちの方が流行りだからいいんじゃない?」

 今度は妹の目がぐるぐるし始めている、そして俺もちょっと妹の顔が面白くなっている。


「おーーーい、帰ってこい~~」


「お兄ちゃんこんな所にいないで、私と、異世界に冒険しに行こうよ、魔法攻撃が2回使える妹は好きですか? とか、異世界は妹と共にとかどう?」


「どうって、それ書いたら盗作だから、BANされちゃうから、てか俺小説とか書かないから、おーーいもどってこーーい」


「それで、会長さんとは何があったのかなーお兄ちゃん」


「戻ってきたら結局それですか……」


 しかし、何を言われても、これは言えない、言うなと言われたからには……

「本当に、何もないよ、俺と会長の間には何の関係もないよ」


 しばらく、俺を見つめていた妹は、一度目をつむり考え込み、納得したような顔をして言った。

「わかったよお兄ちゃん、多分何か言えない事があるんでしょ、私も友達の絶対内緒ねって事はお兄ちゃんにも言わないし」

「でもね、何か困った事があったら絶対言ってよね、私は何があってもお兄ちゃんの味方なんだから」


「あ、ああそうだね、ありがとう」


 ようやく納得してくれた、これで開放されると思いきやもう一つ残っていた。


「で」


「で?」


「白井先生とは何があったの?」


「な、なんで?」


「何度言ったら分かるかなー? 私はお兄ちゃんの事を見続けているんだよ、何かおかしかったらすぐに分かるの」


「えーーーっと、なんかおかしかった?」


 妹は、はあっとため息をついてから

「昼休みから帰ってきたお兄ちゃん、なんかそわそわして、ふわふわして、あと、私になにか言いたそうだったよ」


 この妹、怖いんですけど……、今になって恐ろしさをヒシヒシと感じる、友達が多いのも、こんな、人を見る目が凄いからなんだろうか?


「えーーっと、何か言いたかったのは、午後に一緒に帰れないって事を」


「それで、お兄ちゃんはあんな風な感じにはならないよ、あと白井先生、生徒会室に入った時に、凄く嬉しそうにお兄ちゃんの名前呼んでた」


「えーーっと、それは最初に断ったからじゃないかなー? すっぽかさずに来てくれたみたいな?」


「お兄ちゃん、そういう時はホッとした感じになるんだよ、あの白井先生はなんか、うーーん、例えば、全然なついてくれない子犬がようやくなついてくれた時のような感じがした」


「えーーっと抽象的でわかりずらいんだけど?」


「要するに、昼休み、な、に、か、あったって事だよ!」


「えーーーーーー」

 もう全部ばれてる、妹の彼氏は絶対に浮気出来ない……

 今、彼氏じゃなくて良かった……のか?


 俺はもう駄目だと潔く負けを認める。

「はい、ありました……」

 ああ、警察の取り調べよりきついんじゃないか? この妹は


「じゃあ、こっちは聞かせてくれるのね、お兄ちゃん」

 にっこり笑って俺を見つめるが目は相変わらず笑っていない……


 まあ、先生に口止めされた訳じゃないし、妹なら他人に話さないだろうし。

 俺はあの日の昼にあった事を、先生が号泣した事は隠して話し始めた。


「えーーっと、前にラブレターの話しをしたよな」


「うん12話だね」


「いや、まだ異世界にいるのか? その数の意味は分からんけど、で、そのラブレターの時のお姉さんが」


「お姉さんが?」


「白井先生でした……」



 妹は、そのままの姿勢で固まった。


「しおり?」


 俺が名前を呼ぶと妹はその場で、朝礼の時の貧血の子供の様に後ろに倒れる。


「し、栞、大丈夫か!!」

 俺は慌てて妹に近寄り抱き起こす。


 妹は、息も切れ切れに小さな声で言った。


「う、う、う」


「う?」



「うらやまし過ぎる……」


「はい?」


 俺はどこかの刑事の様に尻上がりにはい?と言ってしまうと、妹は突然俺の腕から起き上がり、


「お、お兄ちゃんから、大好き結婚してくれなんて手紙……うらめやまし過ぎる」


「恨めしいと羨ましいが合わさってるぞ」


「お兄ちゃん! 私にも言って!!」


「やだよー」


「じゃあ書いて!!」


「えーーラブレターを書くの、やだよー」


「ううん、それじゃあ先生と一緒だからやだ!」


「じゃあなにを?」


「婚姻届」


「やだよー、そもそも結婚できねえよ、兄妹だし、年齢もだし」


「やーーだーーーやーーーだーーーかーーいーーてーーー」


 買い物の時に、物を買ってもらえない時の駄々っ子の様に、寝っ転がりながらごねる妹を、どうする事も出来ない俺は落ち着くまでじっと見ていた。



 パンツ見えてるぞ、そこまでメイドっぽくしなくても、縞パン………














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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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